SHIBUYA109 lab.

【シンデレラテクノロジー研究者×フリュー×SHIBUYA109 lab.連載企画】プリ帳HISTORY 第16回

「プリ帳」からガールズカルチャー史をひも解く本連載。第16回目は、青山ビューティ学院の学長でヘアメイクアップアーティストの関野里美さん

毎回ゲストを迎えて、「プリ帳」から日本のガールズカルチャー史をひも解く連載企画“プリ帳ヒストリー”。
第16回のゲストは、青山ビューティ学院の学長でヘアメイクアップアーティストの関野里美さん、33歳。プリは人生そのものだと語る関野さんに、長野県で過ごした学生時代についてお話を伺いました!

プリ プリ帳

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INDEX 目次

1 ゲストの「プリ履歴書」

プリ履歴書

【研究メンバーはこの3人】

久保友香先生

久保友香先生

シンデレラテクノロジーを研究

稲垣涼子さん

稲垣涼子さん

フリュー株式会社『ガールズトレンド研究所』で所長を務める

長田麻衣

長田麻衣

「SHIBUYA109lab.」で所長を務める

2 プリ交換の基本は「あげる側がセレクト」

プリ帳

久保友香 そもそもプリ帳を作り始めたのはいつですか?

関野里美 本気で作り始めたのは中3です。当時みんなプリ帳を常に持ち歩いていて、持っていないと「なんでないの?」となる程でした。

久保友香 関野さんのプリ帳には、手紙がたくさん挟まっていますね。

関野里美 仲良い友達同士、プリを手紙に入れて交換するのが流行っていたんです。出かけてプリを撮ったら、今でいうブログとかSNSのタイムラインにアップするものを選ぶ感覚で、写りがいいプリをチョイスし手紙に入れて渡していました。

稲垣涼子 貰う側が、缶に入った大量のプリの中から欲しいものを選ぶというスタイルはよくありますが、あげる側が全部セレクトしているというのは、珍しい気がします。

関野里美 しかも、いい感じの写りのものはカラーコピーして増やしていました。コピーする時に、薄くなると飛びすぎちゃうので、彩度と濃度をあげていい感じに。

長田麻衣 今でいう、インスタの加工をコピー機でやっていたのですね!

関野里美 確かに!そのお陰でコピー機の操作が得意で、会社入ってからも役立ちました(笑)。

3 ちょっとした秘密を録音!ボイス交換日記が流行

小学生の写真

久保友香 プリの交換よりも前に、流行っていたコミュニケーションはありましたか?

関野里美 小学生の頃は、“デジタル交換日記”が流行っていました。アニメの「ママレード・ボーイ」の公式グッズでロボット型のボイスメモがあったんですけど、声を録音して友達と渡し合うんです(笑)。

長田麻衣 初めて聞きました!どんなことを録音していたのですか?

関野里美 3つしか録音できないんですけど、アイドルのこととかモノマネとか、あとは恋愛ネタとか!

久保友香 録音にどんどん返事をしていく形で使っていたのですか?

関野里美 返事をするのではなく、一方的に入れて「あれ、聞いたよー」みたいに盛り上がっていました。その後に流行ったのが、文字を記録できるメモです。

稲垣涼子 面白い!まさにポケベルですね。

4 SPEED風がイケてる!カメラの写りを研究

学生の写真

久保友香 関野さんの中高時代は、レンズ付きフィルムが流行った時代ですが、使っていましたか?

関野里美 中1〜2は、あまりプリを撮りに行けなかったので、思い出の記録はインスタントカメラがメインでした。

長田麻衣 撮る際、何か工夫をしていましたか?

関野里美 その時は、とにかくSPEEDになりたいという思いが強くて。SPEEDのジャケットって少し色が飛んでるじゃないですか。なのでインスタントカメラで撮る際も光を気にして、太陽がある下で色が飛ぶように撮っていました(笑)。

稲垣涼子 全国に何組SPEEDがいたかってくらい、みんなが真似した時代ですよね!

関野里美 あと、夜にフラッシュをたいて撮ると、目と鼻の形がいい感じにボケて可愛い写りになったので、よくやっていました。

久保友香 インスタントカメラにも、そんな盛りのテクニックが!

関野里美 現像された写真を週明けに学校に持って行って、みんなで落書きするのが楽しくてたまらなかったのを覚えています。なので撮影と落書き、その両方が一度にできるプリが画期的でしたね。後ろがシールになっていますし!

5 モテたいが一番!3つの系統を使い分け

3つの系統のプリ

(左からお姉ギャル/THEギャル/Bガール系ギャル)

久保友香 高校時代、髪型が色々変化していますよね!

関野里美 学校が厳しかったので、長期休みを中心に色々やっていたのですが、自分の中で系統のスイッチが3種類くらいあって
1)モテを意識したお姉ギャル
2)THEギャル
3)Bガール系のギャル
これをうまく使い分けていました。

長田麻衣 どのようにして使い分けていたのですか?

関野里美 自分はBガール系が好きだったんですけど、Bガール系に振り切るとモテないので、モテたいときはギャル寄りにするんです。例えば髪の編み込みも、付け根だけ編み込むと、ニット帽とか被れば編み込みが隠れて強い印象が減るので、そういうので調整していました。

久保友香 女の子からの評価より、「モテたい」という思いが強かったのですか?

関野里美 はい。高校のとき話題の中心は恋愛でしたね。基本的にモテたいんです、男子にも女子にも。

久保友香 モテたい異性はどういう方々だったのですか?

関野里美 Bボーイ系です。ただ、Bボーイって実際Bガールではなくてギャルが好きということが判明して…。なのでモテたいときは、ギャルにシフトしました。

久保友香 稲垣涼子 長田麻衣 かなり計算していたんですね!

6 「外見(メイク)=松葉杖」メイクがなくては立てない存在だった

対談時の写真 色々な髪型のプリ

久保友香 幼い頃から外見を色々変えたりしていたのですか?

関野里美 実は小学生の頃は、内面主義だったんです。「人は外見じゃない」「内面を磨けば外見にも滲み出る」と言う大人も多かったので、外見も色々やりたかったんですけど、気持ちを押し殺していました。

久保友香 何がきっかけで外見を重視するようになったのですか?

関野里美 もともと外見、特に目元にコンプレックスがあったんですけど、中1の時に「パッチリした目になりたい」と友達に言ったら「つけまつ毛を付けたら二重になるんじゃない?」って言ってくれたんです。実際に付けたら二重ラインが!それだけで自信が湧いてきて、外見ってこんな内面を変える力があるんだという感動体験をしました。

長田麻衣 外見の力ってすごいですね!

関野里美 でも、外見主義で色々やっていったら、外見から内面を否定されることが結構あって衝撃を受けました。外見を縛ることは多いのに、じゃあどうしたらいいのかということは教えてくれない、なんかこういう教育っておかしいって思ったのが、自分で学校をやりたいと思ったきっかけですね。

久保友香 関野さんにとってメイクってどんな存在だったのですか?

関野里美 私にとって外見(メイク)は松葉杖みたいな感じ。自分が外に出て立つためには、メイクをしないと立てない、だからかなりこだわっていましたね。

7 往復1万円以上…SHIBUYA109に行くのが生きがいだった

髪を編み込んだプリ

長田麻衣 学生時代、SHIBUYA109に行くこともありましたか?

関野里美 “マルキュー”大好きでした!SHIBUYA109に行ってたくさん服を買って、それでプリを撮る!それが一番の生きがいでした。

久保友香 長野からどのくらいの頻度で渋谷に行っていたのですか?

関野里美 交通費だけで往復1万円以上かかるので、3〜4ヶ月に1回でしたね。朝6時くらいの新幹線だと学割で安くなっていたので、それに乗って朝8時に都内に到着していました(笑)。

長田麻衣 どのようなブランドを買っていましたか?

関野里美 Bガール系だと『LB-03』や『baby Shoop』。結構値段もするので、バイトを3つ掛け持ちしていました。

稲垣涼子 アルバイトはアパレル系もやっていたのですか?

関野里美 いえ、全然関係ない職種だったのですが、ドラッグストアのバイトでは美容部員風に、お客さんにファンデーションを薦めたりしていました。

久保友香 やはり当時からメイクには興味があったのですね!

関野里美 普段もメイク研究をしていました。肌を暗くしたい時は、ハイブランドの化粧品が買えなかったので、KATEの一番暗いファンデに茶色のシェーディングのカラーを調合してファンデを作って塗っていました。

久保友香 創意工夫がすごい!

8 自分の全部をさらけ出している!プリは人生そのもの

昔のプリと今

久保友香 今、高校の学長をされていますが、最近の若者を身近に見ていてどうですか?

関野里美 メイクに関していうと、ナチュラルで盛れることを意識していることがすごいと思います。昔はナチュラルに盛るということはなかったので、今の子はハイレベルだと感じます。

稲垣涼子 たしかにここまでナチュラルなテイストが流行るとは思いませんでした。「ナチュラルに盛る」のは実は難易度が高いですが、今の女の子たちは上手にやっていますね!

関野里美 メイクなどの外見的な個性の多様化が進む一方、内面的な個性を抑制している場合も感じることがあります。周りを気にするがゆえに、周りの中の「平均」を狙うような…。自分の内面的な個性に目を向けて、言葉にしたり行動したりすることで、どんどん飛躍出来る時代だと感じます。

久保友香 情報が与えられすぎて、迷ってしまって、決断できないのかもしれないですね。

稲垣涼子 改めて、関野さんにとってプリってどんな存在ですか?

関野里美 プリは「人生そのもの」、こうやってプリ帳を出すと、自分の中身を全てさらけ出している感じがします。プリが成長していく時代に、自分も学生時代を過ごせたことが幸せです。

取材風景

PROFILE プロフィール

稲垣涼子

稲垣 涼子 Ryoko Inagaki

2005年入社以来、プリントシール機の商品企画に携わる。現在はマネージメントも行う。
趣味は、美味しいもの、漫画、カラオケ、ホットヨガ、ダイビング、脱出ゲーム。なんでも記録するログ癖あり。
今年の目標は、社内の仕組みを整える、社外の方とたくさんお話する、家をキレイに保つこと!

久保友香

久保 友香 Yuka Kubo

東京大学大学院博士課程修了(環境学博士)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など歴任。著書に『「盛り」の誕生―女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(太田出版、2019)。
好きなものは、ビール、羊羹、芸能ニュース。
今年の目標は、昨年に引き続き、昭和初期を知るおばあちゃんたちとたくさん会うこと。

長田麻衣

長田 麻衣 Mai Osada

総合マーケティング会社を経て、SHIBUYA109のマーケティング担当となる。
毎月200人のaround20(15歳〜24歳の男女)と接する毎日を過ごしている。
好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。
今年の目標はSHIBUYA109 lab.所長として若者に関する講演に講師として登壇すること。そして「大人っぽさ」と「透明感」を兼ね備えた女性になること。

関野 里美

2006年 Fromhand Makeup Academy卒業。MAKEUP FOREVER Paris短期コース修了。卒業後アシスタントとしての現場経験を経て、美容家 小林照子に師事。2009年デビュー。国内外のファッションショー、舞台、CM、TV、広告、美容教育に携わる。JMANメイクアップコンテスト3連覇。

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会社概要

会社名 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
TEL 03-3477-6719
FAX 03-3477-6702
本社所在地 〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1丁目10番7号 五島育英会ビル4階

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