SHIBUYA109 lab.

Z世代の海外に関する意識調査

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキューラボ)』は、15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代の海外に関する意識調査」を行いました。

Z世代の海外に関する意識調査

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INDEX 目次

1 Z世代の海外に関する考え方とは?

新型コロナウイルスの感染も落ち着きはじめ、マスクの着脱状況や、学校行事、インバウンドなども日常生活に戻りつつありますが、海外に対してはどのように考えているのでしょうか。海外旅行はもちろん、海外留学事情や各国の印象なども調べてみました。

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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2023年3月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用(SHIBUYA109 lab.調べ GMOリサーチ プラットフォーム利用の調査)
居住地:一都三県
性別:男女
年齢:15~24歳
対象:高校生・大学生・短大・専門学校生
回答者数:410名(男性203名/女性207名)
〔高校生:202/大学・短大・専門学生:208〕
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。

②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件:高校生・大学生・短大・専門学校生 男子4名、女子4名 2G 合計8名
・その他過去定性調査をもとに考察
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2 海外旅行に行く予定がある若者は10%以下!若者の海外に対する意欲は今どうなっている?

インバウンド需要が回復しつつあり、街にも沢山の外国人旅行者が増えてきました。一方で、日本人の海外旅行に対する意欲はコロナを経てどれくらい変化しているでしょうか。特に今、若者が日本や海外をどのように見ているか調査しました。

Z世代の中で、コロナ禍以降、海外旅行に「既に行った」あるいは「具体的な(旅行の)予定がある」と回答したのは全体の8.6%となり、いまだ海外旅行に行く予定のないZ世代が91.5%となりました。その中でも、海外旅行に「今は行きたいとは思わない(いつかは行こうと思う)」「これからもずっと海外旅行には興味がないと思う」と回答したのは、合計48.8%となっています。ただし具体的な国・地域名をあげて「旅行先として行きたい国・地域名」を聞いてみると、平均8.5個の国・地域名がチェックされており、ハワイ(37.3%)、フランス(30.7%)、イタリア・アメリカ本州(30.5%)が上位にあがりました。

Z世代の海外旅行に関する意向

Z世代が旅行先として行きたい国・地域

「海外に行きたい」と思うきっかけを聞いてみると、「Instagramの投稿(30.4%)」「動画配信サービス(28.1%)」「友人との会話・友人からの話(19.4%)」が上位を占めています。グループインタビューでも「それまでは漠然と『海外って怖い』と思っていたが、友達がInstagramで韓国に行っている投稿をあげていて『意外と海外って行けるところなんだ』と思った」「旅行系のインフルエンサー以外でも、インフルエンサーが海外に行っているのを最近見かける。投稿を見ると『ここに行きたい』と思う」などの回答がありました。

Z世代が海外に行ってみたいと思うきっかけ

「海外旅行に行きたい理由」として多く挙がったのは、「その国の文化を学習・体験するため(37.1%)」「日本以外の国のことも知ってみたいと思ったため(31.8%)」「その国の食が好きなため(31.1%)」となり、逆に、海外旅行に行きたくない理由として多く挙げられているのは「経済的に厳しいから(27.0%)」「治安に不安があるから(24.3%)」「語学力に不安があるから(22.5%)」「漠然と不安があるから(22.5%)」となっています。

Z世代が海外旅行に行きたい理由

Z世代が海外旅行に行きたくない理由

グループインタビューでも、「海外は言葉が通じないので、怖い。日本とは別世界」「治安が悪いイメージがある。(海外の)良いところよりも悪いところが目につく」「海外にある大体の食べ物は日本でも食べられるし、日本の方が日本人の好みに合わせられていそう」という声が聞かれました。

次に、テーマを絞って各国のイメージを聞いてみました。「動向が気になる国・地域」としてあがったのは、「ロシア(22.4%)」「中国(20.0%)」「アメリカ本州(18.5%)」。「エンターテイメントが発展していると思う国・地域」としてあがったのは、「日本(30.0%)」「アメリカ本州(26.1%)」「韓国(16.3%)」となりました。
韓国は、「同世代の中で人気の国・地域」としても上位にあがっています。「同世代の中で人気の国・地域」上位に上がったのは「韓国(28.5%)」「アメリカ本州(15.1%)」「ハワイ(14.6%)」でした。「親近感のある国・地域」という項目では「台湾(16.6%)」「韓国(15.9%)」「アメリカ本州(13.7%)」が上位となりましたが、男女で分けた結果を見てみると、男性の回答では上位2カ国が「台湾(20.7%)」「アメリカ本州(19.7%)」なのに対し、女性の回答では「韓国(20.3%)」「台湾(12.6%)」となっています。グループインタビューでは、「最近まで韓国のことは詳しくなかったけど、お店に行っても韓国コスメばかりだし、コスメの広告でも韓国アイドルをよく見かける」「SNSで可愛いお店を見つけて行ってみたいと思ったら韓国やアメリカだった」「中国といえば、中国メイク」など、国際情勢だけでなく、消費において身近なことが影響していると感じられます。

Z世代が持つ各国に対するイメージ

Z世代が親近感のある国・地域

3 半数以上の若者は海外留学の意向なし。語学習得は「好き」が原動力!

海外旅行だけでなく、海外留学についても聞いてみると、海外留学の意向が無い(「海外留学について考えたことはなかった」、または、「海外留学は全くしたくない」)若者世代は57.5%と半数以上になりました。また、「興味はあるが現実的には難しいと思う」という回答は21.2%になっています。海外留学に行きたい理由としては、「言語を習得するため(45.0%)」「将来のキャリアのため(36.1%)」「その国の文化を学習・体験するため(29.3%)」という回答があがっていました。

Z世代の海外留学に関する意向

Z世代が海外留学に行きたい理由

「将来の暮らし方の理想像」を聞いた質問では、「日本で生活しながら海外旅行を楽しむ(34.6%)」「特になし(28.8%)」「留学をする(19.8%)」が上位の回答となった一方で、「自分にとって現実的だと思う将来像」は「日本で生活しながら海外旅行を楽しむ(35.4%)」「特になし(32.0%)」「海外には全くいかない(15.9%)」といった回答が多くなっています。

Z世代の将来像

海外留学に行きたくない理由を聞いてみると、「経済的に厳しいから(36.2%)」「語学力に不安があるから(30.0%)」「治安に不安があるから(28.8%)」となり、特に、「(留学に)興味はあるが現実的には厳しいと思う」と回答した層に関しては、「経済的に厳しいから(54.0%)」「語学力に不安があるから(46.0%)」といった回答が多く、経済的理由と、基礎的な語学力の低さがハードルになっているようでした。

Z世代が海外留学に行きたくない理由

海外留学してみたい国・地域を聞いてみると、上位は「アメリカ本州(21.2%)」「オーストラリア(15.6%)」「カナダ(14.9%)」となっています。
「移住したい国・地域」についても聞いてみると、「特になし」が約半数(49.5%)となりました。移住に人気な国は「アメリカ本州(12.0%)」「フランス(9.3%)」「シンガポール(9.0%)」となっています。

Z世代の海外留学や移住したい国・地域

次に、語学学習について聞いてみると、約8割が何らかの語学を勉強していることがわかりました。その中でも人気の言語は「英語(74.6%)」「中国語(12.2%)」「韓国語(9.5%)」です。

Z世代の語学学習

学習方法として実施したことがあるものを聞くと、「学校の授業を受講する(79.8%)」が最も多く、次点で「テキストを使って勉強する(51.2%)」「動画配信サービスのコンテンツで勉強する(33.1%)」となっています。グループインタビューでも、「中国語は大学の第二言語で学んでいる」「就活のためにTOEICで高得点を取ろうと勉強した」「推しのために韓国語を勉強中」「サッカーの情報を動画配信サービスや海外のニュースで見ている。両方とも、視聴言語は英語」などの声が聞かれました。

Z世代の学習方法

習得したい言語は「英語(45.4%)」「韓国語(21.2%)」「中国語(20.7%)」で、実際に「外国語を学ぶ理由」を聞くと「好きなコト・モノをその言語で理解したいから(40.2%)」「習得していたら便利そうだから(35.1%)」「就活や仕事で活かしたいから(29.8%)」が上位の回答となっており、自分の趣味を原動力に語学に勤しんでいる姿が見られました。

Z世代が習得したい言語

Z世代が外国語を学ぶ理由

4 若者の約7割は日本が誇らしい。一方、約8割が経済に不安も。若者が考える「現代の日本の姿」

最後に、海外と比較した日本の印象についても聞いています。海外の良いところは「建物や景観(54.9%)」「独自の文化や芸術など(41.2%)」「エンターテイメント性の高さ(40.5%)」「経済力・経済政策(38.8%)」、悪いところは「治安(51.5%)」「衛生面(41.7%)」「商品やサービスの質(14.9%)」となりました。
それに対し、日本の良いところを聞いてみると、「治安(80.5%)」「食べ物(78.5%)」「衛生面(69.0%)」と、海外の悪いところの正反対の要素が上位にあがっています。実際に、「自分の国に誇りを感じる」という問いに「あてはまる」と回答したのは68.1%にものぼりました。グループインタビューでも、「日本の良いところは安心で安全でごはんがおいしいところ」「安全で綺麗で暮らしやすい。人もすごく優しい」「安全でポテンシャルがあるし、良いものをつくっているので、もっと発信すればいいのに。勿体ないと思う」など日本を誇りに思っている姿が見られました。
一方、悪いところを聞いてみると「経済力・経済政策(34.4%)」「教育の制度やシステム(27.1%)」「環境・社会課題への意識(24.4%)」「人権への意識(23.2%)」「社会福祉制度(21.7%)」が上位となり、社会制度に不安をいだいていることがわかります。

Z世代が考える日本と海外の良いところと悪いところ

「日本の経済に不安を感じる」と回答したのは76.9%にのぼり、そのほか、「賃金が低い(73.4%)」「労働時間が長い(79.1%)」といった課題も感じているようです。グループインタビューでも、「スーパーで、値上がりを感じる。親が物価の話をしているのを聞く」「少子高齢化が一番気になる話題。これからの若者は大変だと思う」などといった回答があり、若者も、社会制度や経済政策に不安を抱いていることがわかります。

Z世代が考える日本の印象

5 所長が分析!「未開の地」はワクワクしない?「体験の可視化」を徹底することが不安解消のカギ

コロナ禍が明け、海外旅行も解禁されていますが、感染リスクだけでなく治安や言語の面での心配ごとがZ世代の海外渡航に対するハードルを高めているようです。Z世代は、アクセスできる情報が少ない事柄に対して慎重に行動する傾向にあります。
また何らかの体験をしに行く際には、誰かの体験をSNSで事前に確認してから現地に行くことが当たり前であり、「全く未知の経験」ではなく「既視の経験」をベースに少しだけ未知の経験をしたいという感覚がみられます。そのため、旅行先や観光地に関しても「行ってからのお楽しみ」を提供するのではなく、具体的に体験できることを詳細まで可視化し、情報の網羅性と奥行を作ることが重要です。
また海外渡航に対する意欲が低い結果となりましたが、彼らの海外渡航へのハードルは「不安」だけでなく、経済的な状況も関係していることもみられます。収入や円相場、国際情勢など様々な要因が絡みますが、経験の格差が広がる懸念も感じられます。



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