株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』は、SHIBUYA109 lab.独自ネットワーク(SHIBUYA109 lab. MATE)に所属するaround20(15~24歳)510人の女性を対象に実施した2023年トレンド調査の結果をお知らせいたします。
今年もあと2ヶ月。皆様にとって、2023年はどんな年だったでしょうか?
コロナウイルス感染症も5類に引き下げられ、マスクの着用も必須ではなくなり、コロナ禍以前の生活が戻ってきました。
SHIBUYA109 lab.では今年のトレンドの振り返りのため、SHIBUYA109 lab.が運営する独自ネットワーク『SHIBUYA109 lab. MATE』510人を対象に調査を実施しました。 今回は、2023年にaround20の間で話題になったものをご紹介します。
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調査方法:WEBでのアンケート調査 (独自コミュニティSHIBUYA109 lab. MATEによる回答)
調査期間:2023年9〜10月
調査対象:around20(15歳〜24歳)女性
有効回答数:n =510
調査実施・分析:SHIBUYA109 lab.(運営:株式会社SHIBUYA109エンタテイメント)
※ノミネート候補の選定について
2023年9月にトレンド大会議を実施。SHIBUYA109 lab.の保有する独自ネットワーク「SHIBUYA109 lab.MATE」に所属する高校生、大学生23名とともにSHIBUYA109 lab.にて部門ごとにノミネートを選定。その後選択式アンケートを実施して大賞を決定。
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今年は「カフェ・グルメ部門」「アーティスト部門」 「ヒト部門」「コンテンツ部門」 「SNSコンテンツ部門」「コスメ・スキンケア部門」「ファッション部門」「体験部門」の全8部門にて大賞を決定しました。ノミネート候補については、23名の高校生・大学生と選定しています。
ノミネートを元に、各部門についてSHIBUYA109 lab.ネットワークに所属するZ世代510名にアンケート調査を実施。各部門のトレンド大賞に選ばれたのはこちら
【カフェ・グルメ部門】テイクアウト・イートイン・自宅で手作りのいずれも定着。夜の時間を過ごせる「夜カフェ」に注目
イートイン・テイクアウト・自宅で手作りなど、コロナ禍を経て食の楽しみ方の選択肢が広がったZ世代。昨年よりも更に外出が増えたことから、ワンハンドフードのトレンドが増加傾向にあります。また記録的猛暑で日中の外出を控えていたこともあり、夜ゆっくり過ごせるカフェが話題になったことが今年の特徴です。
1位 10円パン
10円型のパンの中にモッツァレラチーズが入っており、中のチーズが長く伸びるパン。発祥は韓国の『10ウォンパン』で、日本上陸時に10円のデザインにアレンジされ、トレンドとなりました。大胆なデザインと、中のチーズが伸びる様子が写真・動画映えすることが魅力です。
2位 ライスペーパー
生春巻きによく用いられる、米粉などを原料として作られたシート状の皮。「ライスペーパーネキ」の愛称で親しまれるみかさん(@rizap58)のアレンジ動画がきっかけとなり、自宅で作るライスペーパーアレンジが楽しまれました。
3位 夜カフェ
夜遅くまで営業しているカフェ。夜の時間にお酒だけではなくカフェメニューも楽しめることが魅力です。夜ならではのロマンチックでゆっくりした時間を過ごすことができる空間演出もトレンドの理由です。
【アーティスト部門】SNSトレンドのBGMとして愛されるアーティストがランクイン
ノミネートには邦楽・アイドル・K-POPなど幅広いアーティストが挙げられていますが、昨年に引き続き、TikTokを中心にSNSで投稿されるショート動画の挿入歌として多く使用されたアーティストが多数ランクインしました。
1位 新しい学校のリーダーズ
セーラー服が特徴の4人組ダンスボーカルユニット。2020年5月にリリースされた楽曲『オトナブルー』の首振りダンスがトレンドとなりました。パワフルな歌唱とダンスも魅力です。
2位 NewJeans
2022年7月にデビューした、韓国の5人組ガールズグループ。従来のK-POPにとらわれない音楽と特徴的なスタイリングで、K-POPの新アイコンとなりました。ファッションにも注目が集まっています。
3位 女王蜂
2011年にデビューした3人組ロックバンド。楽曲『メフィスト』がTVアニメ『【推しの子】』のエンディング主題歌にも起用され、話題になりました。また、ヴォーカルのアヴちゃんがプロデューサーを務めたスクール型オーディション番組「0年0組 -アヴちゃんの教室-」でアヴちゃんが歌唱した『バイオレンス』も、切り抜き動画としてトレンドになりました。
【ヒト部門】世界的なスター大谷翔平を抑えて「ひき肉です!」が第一位に。共通点は「界隈突破力」
昨年同様、SNSを中心に活躍しているクリエイターや芸人、俳優、スポーツ選手と、様々なバックグラウンドを持つ人が選出されました。ノミネートには、Vtuberも挙げられており、年々注目される人の多様化が進んでいます。
ランクインした人たちの共通点は「界隈突破力」。特定の界隈(※)での支持を集めるだけでなく、彼らの活躍が界隈を超えてSNSで拡散され、話題になることがランクインに繋がりました。
SNSを中心にトレンドが生まれる今、話題の中心になる“真似したくなるコンテンツ”を生み出す力も重要です。
(※界隈とはファッションのテイストや共通の趣味やカルチャー、好きな世界観を軸にしたゆるいクラスタのこと)
1位 ちょんまげ小僧
彗星の如く現れた6人組中学生YouTuberグループ。中学生らしい素朴でリアルなやりとりが魅力です。メンバーの奇抜な名前や、「ひき肉です!」という独特な挨拶が話題になりました。
2位 大谷翔平
MLBのロサンゼルス・エンゼルスに所属する、岩手県出身のプロ野球選手。投打二刀流として、2023年3月に開催された『ワールド・ベースボール・クラシック』(WBC)では世界中の注目を集め、普段野球観戦をしない日本の若者の間でも話題になりました。
3位 やす子
ソニー・ミュージックアーティスツに所属しているピン芸人及び即応予備自衛官。「はい~」という独特な返事が真似しやすく、おっちょこちょいで謙虚なキャラクターが魅力です。
また、楽曲制作をしてSNSに投稿もしており、音楽好きな若者の間でも話題になっています。
【コンテンツ部門】Z世代の今のコミュニティムードに合わせた「クローズドSNS」が登場。コンテンツはショート動画での接点が必須
今年は新たなSNSが複数登場し、ノミネートにも多く挙げられました。特に気心の知れた友達とだけ限定的に共有することを目的としたSNSが多く、コロナ禍で変化したZ世代のコミュニティに対する意識が反映されています。
アニメ・映画などのコンテンツについては、ショート動画を中心に、劇中挿入歌や切り抜き動画との接点からコンテンツを詳しく知らない人たちにも楽しまれ、トレンドになる流れが定番化しています。
1位 アニメ『【推しの子】』
2023年4月から6月まで放送された、人気漫画のアニメ化作品。YOASOBIが歌う主題歌『アイドル』がヒットし、ダンスや歌ってみたなど、SNSで様々な楽しみ方が広がりました。
2位 BeReal.
1日1回、特定の時刻に届く通知から写真をその場で撮影し、投稿するSNS。「加工しない」ありのままの姿を友人に共有できることで、リアルな自分の生活を共有し合えることが魅力です。他のSNSと異なり、加工機能がないため、リアルな「盛れない写真」を共有するSNSであることから、等身大の自分を共有できる相手とだけの繋がりを楽しんでいます。
3位 んぽちゃむ
人気クリエイター「可哀想に!」が描いたキャラクターであるヨーグルトの妖精。個性的な作画とストーリーが話題に。同クリエイターによる「おぱんちゅうさぎ」と同様、頑張り屋さんだけど報われず、健気なキャラクターが魅力です。日常会話の中で、んぽちゃむの話し方を真似するという楽しみ方も見られます。
【SNSコンテンツ部門】最速1週間で入れ替わる強敵揃い。ポイントは「汎用性」と「アレンジの余白」
SNSで日々生まれるコンテンツトレンドは、流動性が非常に高く、早いものだと1週間ほどで入れ替わることもあります。イラストやアバターなどの生成AIを活用したコンテンツも台頭し、定期的に話題になったのも今年の特徴です。
ランクインしたSNSコンテンツの共通点は、「汎用性があること」そして「アレンジが加えられる余白があること」。日常生活で活用できる言葉であるだけなく、ショート動画の構成フォーマットとセットで拡散されていることもポイントです。
1位 ひき肉ポーズ
中学生YouTuber「ちょんまげ小僧」のメンバー、ひき肉が冒頭の挨拶の際に披露するポーズ。挨拶が音源化されダンス動画に使われたり、スポーツ界やアイドルの間でも決めポーズとして真似されていることで広がりを見せています。
2位 なぁぜなぁぜ?
フォロワー10万人越えのキャバ嬢・桃園ありさが投稿した動画が元ネタのフレーズ。疑問に感じていることや理不尽なことを可愛くネタにするフォーマットとして人気になりました。
3位 蛙化現象
本来は「好きな相手から好意を示されると嫌悪感を抱く」という現象を表した言葉ですが、近年「好きな人の行動で気持ちが冷めてしまった」という意味で使用されている言葉。多くのインフルエンサーが蛙化現象の実例を投稿したことで話題となりました。
また、蛙化現象と対になる形で、好きな人のどんな行動でも素敵に見える「蛇化現象」など、派生したトレンドも生まれています。
【コスメ・スキンケア部門】「透明感」と「瑞々しさ」がキーワード。個性はネイルで表現
昨年に引き続き人気のヘアケアや目元メイクのアイテムのほか、「ネイル」のトレンドが多く挙げられていることが特徴です。カフェや推し活で手元の撮影が増えているとともに、個性を出しやすいことが背景にあると考えられます。
1位 レイヤーカット
髪の毛に段差をつけたヘアスタイル。近年韓国のアイドルを中心に顔周りに段差を付けたスタイルが流行し、日本でもトレンドスタイルとして話題になりました。SNSでは「レイヤーカットの注文方法」などが多く検索されています。
2位 リファハートブラシ
美容ブランド『ReFa』から発売された、ハート型が特徴のヘアブラシ。見た目の高級感と髪の毛の絡まりを簡単にほぐせる機能性が話題になりました。「プレゼントにおすすめの品」とSNSで紹介されることも多く、友達へのプレゼント用として購入している人も多いようです。
3位 チークネイル
数年前に人気を博したネイルデザインが再燃し、トレンドになりました。
中国で、自爪に近いシアーカラーで仕上げる、シンプルだけど華やかなデザインが魅力の「ワンホンネイル」に注目が集まったことがきっかけとなり、再ブレイクを果たしました。
【ファッション部門】Y2Kが根強い人気。ヘッドホンやパフィーサンダルでアクセントを楽しむ
好きな世界観に合わせたファッションを楽しんでいるZ世代。今年も「水色界隈」「天使界隈」「海外ガール」など新たな世界観を持った「界隈」が登場しましたが、昨年に引き続きY2Kファッション(2000年ごろに流行したファッションスタイル)を楽しむ姿が特徴となりました。またこれまでのトレンド大賞のノミネートと比較すると、特定のハイブランドアイテムが挙げられるようになってきました。もともとブランド全般に対するこだわりが低い傾向にあるZ世代ですが、ファッションの楽しみ方に新しい兆しが見られています。
1位 カーゴパンツ
膝上の左右に大きなポケットが付いており、ダボっとしたシルエットが特徴のパンツ。Y2Kファッションの流行により再注目され、ホワイトやピンクなど、ガーリーコーデにも使いやすいカラーやデザインの商品が増えたことで、ファッションのテイストを問わず取り入れられるアイテムとなりました。
2位 ヘッドホンコーデ
コーディネートのアクセントとして、ヘッドホンを取り入れたコーデ。音楽を聴くだけでなく、首から下げることでアクセサリー代わりにもなる点が魅力です。K-POPアイドルがファッションアイテムとして取り入れたことがきっかけとなり、トレンドとなりました。
3位 パフィーサンダル
ぷっくりとしたデザインが特徴のボリューム感のあるサンダル。UGGのアイテムがきっかけとなり、トレンドになりました。ソールや甲ベルトがふかふかしているため、履き心地の良さと歩きやすさを兼ね揃えている点も魅力です。
【体験部門】「没入感」を重視。幼少期の“リアルにエモい”体験を愛でる
ハンドメイド体験など「ひと手間」を楽しむ体験や、写真・動画映えする展示会や美術館は引き続き人気ですが、今年は体験の「没入感」をより重視する傾向が見られました。
また、Z世代が子供の頃に楽しんでいたコンテンツのカフェなども多く展開されたことから、“エモコンテンツ”への消費も活発に見られました。
1位 ガチャガチャ
何が出てくるかわからないドキドキ感が魅力のガチャガチャ。景品をゲットするプロセスを楽しむだけでなく、お気に入りのガチャガチャをカラビナやクリアマルチケースにまとめて、バッグやパンツのベルトループにつけてコーディネートの一部として楽しむスタイルもトレンドとなりました。
2位 友達がやっているカフェ/バー
店員が客の友達という設定で接客してくれるカフェ。「いつも飲んでるやつ」など、お店の世界観に入り込めるメニューや、スタッフとのコミュニケーションで、友達のバイト先に遊びにきたかのような感覚が楽しめるなど、体験の没入感が魅力です。
3位 ジブリパーク
愛知県の『愛・地球博記念公園』内に誕生したスタジオジブリ作品の世界を表した公園施設。まるで自分がジブリの世界に入ったかのような体験ができることでトレンドとなりました。
今年は新型コロナウイルスの5類引き下げによるマスク着用の減少やイベントや外出制限の解除もあり、昨年よりも急速にコロナ禍以前の生活が戻ってきた実感がありました。また記録的猛暑も影響し、ナイトタイムの消費が活発になるなど、Z世代の行動範囲の幅に変化が見られました。
一方、コミュニティに対する意識はあまり変化は見られていません。引き続き深く狭い関係を重視し、コミュニティ拡大に対するモチベーションが低い傾向にあり、トレンドにおいて「うちらだけで楽しめること」を大切にする姿勢は、今後も継続すると分析しています。
最新の動向として、Z世代は消費において「本物であること」を重視する傾向が見られています。より信憑性の高い情報を得るために、画像よりも更にリアルな情報を得られるショート動画での情報収集が主流になりつつある他、これまでも活発に行われていた「体験消費」も、空間の演出に加えストーリー性も楽しまれるようになり、その世界観にだけ集中できる「没入感」のある体験が求められ始めています。
情報収集も体験も経験値とスキルが高いZ世代に対してアプローチするには、企業の真摯な姿勢がより重視されるでしょう。
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