株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』は、15~24歳の女性507名を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代のぬい活に関する実態調査」を行いました。
■アンケート調査概要
①WEB調査
調査期間:2025年1月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用
(SHIBUYA109 lab.調べ GMOリサーチプラットフォーム利用の調査)
居住地:一都三県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)
年齢:15~24歳
対象:高校生・大学生・短大生・専門学校生・大学院生
回答者数:女性507名
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
高校生 女子2名 大学生 女子6名 (2G)合計8名(Z世代の声として一部掲載)
・その他過去定性調査をもとに考察
「ぬい活」とは?
「ぬいぐるみ活動」の略で、ぬいぐるみを推し活やファッションの一環で楽しむことを指します。
「ぬい」という言葉は2017年頃から、一部の推し活で使われていた言葉ですが、2025年現在は、多くの若者の間で使われる言葉になっています。今回の調査において、SHIBUYA109 lab.では多様化する「ぬい活」の定義を若者の実態に即した形で整理しました。
「ぬい活」トレンドの変遷
SHIBUYA109 lab.が毎月実施している、SHIBUYA109渋谷店での館内ヒアリングでは、2023年の後半ごろからぬいぐるみをバッグにつけて楽しんでいる若者が徐々に増えていることを観測。
『SHIBUYA109 lab.トレンド予測2024』ではファッション・コスメ部門にて「バックにぬい」がランクインし、ファッションの一環として楽しむ「ぬい」への注目が顕在化しました。2024年は実際に「エスターバニー」などを中心にキャラクターコンテンツが多数トレンドに上がっていたこともあり、「バッグにぬい」を楽しむ若者が増加しました。
また、『SHIBUYA109 lab.トレンド予測2025』にもモノ・コト部門にて「ぬい活」がランクインし、今後更に盛り上がることが予想されます。
はじめに「ぬい活」の経験について聞いたところ、8割以上が経験があることが分かりました。定義の中でも経験者が最も多かったのは「バッグにつける」(59.4%)、次いで「日常的に持ち歩いたり、お出かけしたりする」(39.4%)、「モノや景色と一緒に写真撮影する」(37.9%)という結果となりました。
「ぬい活」の楽しみ方を更に紐解いていくと、「ぬい活」には大きく2パターンの楽しみ方があることが分かっています。
一つ目は「推し活の一環として楽しむぬい活」。自分の推しの公式ぬいやキャラクターぬいを推し活の一部として楽しんでいます。二つ目は「ファッションの一部としてぬいを取り入れ楽しむぬい活」です。バッグにぬいをつけたり、その日のファッションに合わせて、連れて行くぬいを選ぶなど、ファッションのアクセントとして楽しんでいる様子が見られています。
また、「ぬい」の種類は大きく3種類に分類できると考えています。1つ目は、推しの人を「ぬい」にした”推しぬい”。2つ目は、キャラクターものの「ぬい」である”キャラぬい”。3つ目は、雑貨店・アパレル店やガチャガチャなどでも多く売られている”名前のないぬい”。
この3種類に分類した場合の所持率について聞いたところ、以下の結果となりました。
では、Z世代は「ぬい活」をどのように楽しんでいるのでしょうか。
「ぬい」1体あたりにかける平均金額と、年間でぬい活にかける金額(収納やぬいの洋服等)関連で年間にかける平均金額を質問したところ、以下のような結果となりました。
また、実際にぬい関連で購入されているもののランキングはこのようになっています。
「ぬい」をどこかへ連れて行く際に決め手となる要素を質問したところ、「特になし」が44.5%、次いで「場所との相性」が35.8%、「洋服との相性」が18.7%、「一緒に遊ぶ友達のぬいとの相性」が16.7%となっています。
おでかけ先で「ぬい」を振り向かせる動画を撮影する「ふり向き界隈」もトレンドです。
Z世代の間で、おでかけに「ぬい」を連れて行くことが当たり前になっていることから、企業のプロモ―ションや体験設計でも「ぬい活」を楽しめるブースを設置するなどのアプローチも考えられます。
「ぬい」はどういった存在なのかZ世代に聞いてみたところ、以下のような声がありました。
ここ2~3年の間で写真を撮影する際に、顔を隠すポーズや加工で顔を隠すトレンドが見られていますが、「ぬい」を自分の分身として登場させる実態も生まれていることがわかります。
また、自分が好きなものを直接的に主張するのではなく、「ぬい」でさりげなく自分が好きなものを共有しています。「ぬい」をきっかけにコミュニケーションが生むことにも繋がっているようです。
70.3%がぬいを所持することを「お守りを所持しているような感覚」に当てはまると回答。
ぬいは癒してくれる存在という回答も約半数と多くなっています。
2024年12月発表の『SHIBUYA109 lab.トレンド予測2025』では、周囲との調和を崩さず、さりげなくギラギラすることで気分をアゲていく「クワイエット・アゲ」をご紹介しましたが、「ぬい」でもその傾向が見られています。さりげなく自分の好きを周囲に共有できたり、連れて行くことで自分の気持ちを癒してくれたり、元気づけてくれる「ぬい」も、Z世代の消費ムードにフィットしていると言えるのではないでしょうか。
また、特に熱量高く「ぬい活」を楽しむ層もいます。定量調査では「ぬいを人格化している」と回答した人が33.6%となっています。
「ぬい」をモノやお守りとしてではなく、一人の友達や家族といった大事な存在として扱い、「一人ではない安心感」を得ているZ世代もいるようです。「ぬい」を人格化してはいますが、お守りと同じように連れている(持っている)ことで心の支えとなっているのではないでしょうか。
「ぬい」は子供に限らず、年齢や性別を問わず楽しめる存在です。Z世代にとって「ぬい」はコミュニケーションのきっかけを生み出す装置の役割を果たしています。また、周囲との調和を重視する傾向が強いZ世代のコミュニケーションでは、「さりげなく匂わせる」「主張しすぎない」がキーワードです。「ぬい」を介して相手との距離感を調節し、心地よいコミュニケーションを実現しています。
会社名 | 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント |
---|---|
TEL | 03-3477-6723 |
FAX | 03-3496-1875 |
本社所在地 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2丁目6番17号 渋東シネタワー14階 |