SHIBUYA109 lab.

海外旅行プランに見る、around20の価値観

若者の旅行もやっぱり体験が重要。彼女たちのアイディアと企画はビジネスの参考になるかも!?

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INDEX 目次

こんにちは!SHIBUYA109 lab.所長の長田です。
最近は東京でも過ごしやすいお天気が続いていて、絶好の行楽シーズン到来を実感しています。
これから旅行の計画を立てる方も多いのではないでしょうか?

Instagramでは「#タビジョ」というハッシュタグでの投稿がなんと約110万件。旅に関するハッシュタグは他にも乱立しており、女性の間で旅行への関心が高いことが伺えます。
これらの投稿は社会人の女性によるものも多く、around20に限った動向と捉えるにはまだまだ早計です。

そこで今回は、行楽シーズンに合わせてaround20の海外旅行に関する意識調査の結果をレポートします。
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Web調査(女性)
実施期間:2018年9月
対象者:首都圏在住(東京都県・神奈川・千葉県・埼玉県) 女性 18歳~22歳
N=243
グループインタビュー
実施期間:2018年9月
N=5
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1 基本の準備と旅の予算配分 ─ お金は好きなことに集中投下

まずはaround20女子による、「旅の計画」から。彼女たちはどのように旅程を立てているるのでしょうか。

旅程の立て方については、「旅行会社のツアーを利用する」と回答した人は53.5%、「自分たちでゼロから旅程を組み立てる」と回答した人は45.3%という結果となりました。

過去の調査から、合理的で賢くお買いものをする傾向が伺える彼女たち。用意されたツアー利用が大半を占めるのでは…と予想していました。しかし、意外にも「自分たちでゼロから旅程を組み立てる」と回答した方が約半数を占めています。

宿泊先の決め方は「自分でホテルを探す」と回答した人が最多の60.9%という結果となりました。
最近は国内外を問わず、民泊サービスを活用して旅の宿泊先を探すaround20が増えてきています。価格の安さと利便性から、その割合は今後もさらに増すことでしょう。

また、1回の海外旅行に充てる予算としては、「10万円未満」という回答が71.2%と半数以上を占める結果となりました。
合わせて旅先を聞いてみると、「直近の海外旅行先」は低予算で行けるアジア圏が優勢です。その一方で「いつか行ってみたい国」に挙がるのはアメリカや北欧。もちろん、いま韓国がトレンドの中心であるということもアジア優勢の一因です。しかし詳しくヒアリングすると、やはり海外としては比較的安価に旅行に行けることが理由となっているケースが多くありました。

続いて、「旅行先でお金をかけたいこと」についての調査結果です。

最もお金をかけたいことは「食事(72.0%)」、次いで「観光・レジャー」(60.9%)、「自分のためのショッピング(52.7%)」という結果となりました。

対して、できるだけ節約したい費用には「飛行機」「現地での移動」といった移動費が挙げられています。グループインタビューでも、「5~6時間で行けるアジアであればLCCを活用する」「現地では市営バスや公共交通機関を使って移動する」など、移動手段を節約対象とする声が聞けました。

その理由は、around20の「お金と時間の使い方に対する意識」と関係しています。
彼女たちは、好きなことや興味のあることに時間とお金を投資し、それ以外はしっかりと節約するという傾向が顕著なのです。
今回の調査結果と照らし合わせると、「豪華絢爛なホテルで非日常を…」といった楽しみ方よりも、現地で自分が行きたい・体験したいことやものを優先したいという意識が見てとれます。

2

詳細な予定のプランニング ─ 旅のしおりはスマホに集約

個人旅行の場合、情報収集や管理の方法は細かいながらも旅行の快適さを左右する重要なポイントですよね。「うっかり宿泊先の名前を控えわすれちゃった…!」なんてことがあろうものなら…ツアーに頼らないaround20は、そんなリスクをどう回避しているのでしょうか。

旅行の情報源として最も多く利用されているのは「Webサイト」(76.0%)、次いで「旅行ガイド雑誌」(66.3%)「Instagram」(33.0%)という結果となりました。
Webサイトと回答してくれた方は、Googleなどの検索エンジンで「地名 観光」といったワードを入力しているようです。

around20の情報収集源に定着しているInstagramは3位にランクイン。ハッシュタグで検索するだけではなく、旅行関連の投稿が多いインスタグラマーにDMで相談・アドバイスをもらうこともあるのだとか。

around20女子は、情報収集の際にも画像を重視する傾向にあります。ただし、旅行に関しては詳しく情報を手に入れたいという思いから、画像だけではなく全体として情報量が多いメディアを重視しているようです。

さて、彼女たちはひと通りの情報収集を終えると、旅程を組むために一緒に行く友人と情報を共有します。
一般的な共有手段はLINEのノート。WebサイトやInstagramのスクリーンショット画像をLINEのノートにストックし、その中から選定していくのです。
現地で行くお店やスポットが決定したら、Google Mapで各スポットにピンを立て、自分たちだけの旅行用マップとして活用(マイマップ機能)します。

作成したオリジナルマップをダウンロードして、オフラインでもすぐ確認できるようにすることが海外でも便利に使うコツなのだそうです。

3 旅のコンセプトメイク ─ 渡航先と現地での過ごし方は"体験"重視

では、彼女たちは旅行に何を求めているのでしょうか?

Web調査の結果では、第1位「そこでしか味わえない体験ができる(67.9%)」、次いで「その土地独自の食事が楽しめる(60.5%」)、「治安が良い」(51.9%)。
ここからも、「旅先でやりたいこと」と予算配分がきちんと一致していることが伺えます。

食に関しては、「ベルギーのチョコレート」や「台湾のタピオカ」などがあげられ、日本でも楽しめるけれど「本場で楽しみたい」という体験とのかけ合わせを重視する意識があるようでした。

「体験」については、「タイのランタン祭り」や「ウユニ塩湖」など、その国にしかないスポットやイベントを重視しています。
特徴的な点は、旅行先での「非日常感」「本場感」を感じるために、自らも工夫していること。
旅行先でのファッションに関するこだわりポイントを聞いてみたところ、1位は「動きやすい格好」などの機能性を重視した回答でしたが、「旅先の雰囲気(気候含む)に合わせる」、「友達とお揃い・リンクコーデをする」と続きます。

具体的には、「現地の雰囲気に合った服装」「その国っぽい服装」などによってその国らしさを体現する、友人と服装のコンセプトを合わせて非日常を演出する、などの企画をしているそう。より体験の濃度を高まる工夫がなされているのですね。

4 クロージング ─ 思い出の共有までが海外旅行

彼女たちは旅行先でたくさんの写真を撮り、現地での思い出を記録しています。
思い出の写真をどのように保管しているのかを聞いてみたところ、最も多い回答は「SNSにアップする」(68.3%)次いで「旅行相手と共有する」(49.4%)「印刷しアルバムやボードを作る」(15.2%)という結果となりました。

彼女たちにとって思い出をSNSにアップ・共有することは当たり前。投稿一覧画面は記録場所なのです。旅行先で撮影した写真を、リアルタイムで投稿することも多いよう。
また旅行上級者の中には、友達と一緒に使う「旅行アカウント」をつくり、その旅の思い出の写真をアップするという、まさにアルバムとして活用する動きもあります。

また、動画作成アプリでお気に入りの曲と思い出の写真をつなぎ合わせ、動画として思い出を保存・共有する動きも増えています。
SNSでの共有は当たり前となっている今、ひと手間かけた思い出の保存方法が今後のトレンドになりそうです。

PROFILE プロフィール

長田 麻衣 Mai Osada

SHIBUYA109 lab.所長。月200人以上の15歳~24歳の若者と接し、「若者のリアルな今」を調査中。最近若者の間で流行中の3Dキャラ作成アプリZEPETOに注目。普段絶対に着ないであろう服を自分に似たキャラに着せられるのが楽しいのでおすすめ。

COMMENT所長から

国内・海外問わず、around20の旅行に対する興味関心は非常に高いと言えるでしょう。
LCCや民泊サービスなど、工夫をすれば安価で旅行ができるようになっており、これらを駆使して旅程を組むことは当たり前になっています。今後、彼女たちの理想の旅程に柔軟に対応できるサービスが求められると予想されます。

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会社概要

会社名 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
TEL 03-3477-6719
FAX 03-3477-6702
本社所在地 〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1丁目10番7号 五島育英会ビル4階

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