SHIBUYA109 lab.

【シンデレラテクノロジー研究者×フリュー×SHIBUYA109 lab.連載企画】プリ帳HISTORY 第21回

毎回ゲストを迎えて、「プリ帳」から日本のガールズカルチャー史をひも解く連載企画“プリ帳ヒストリー”。今回のゲストは、株式会社「arca」の代表でクリエイティブディレクターの辻愛沙子さん!



プリ帳HISTORY 第21回

毎回ゲストを迎えて、「プリ帳」から日本のガールズカルチャー史をひも解く連載企画“プリ帳ヒストリー”。
第21回のゲストは、株式会社「arca」の代表でクリエイティブディレクターの辻愛沙子さん・24歳。中学1年生の時、自らの意志で学校を辞めイギリスの語学学校へ転入。その後スイスの中学校、アメリカの高校に留学した辻さんですが、中高時代は海外にいながらも原宿カルチャーにどっぷり浸かっていたといいます。今回は、そんな学生時代のお話を伺いました!


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INDEX 目次

1 ゲストの「プリ履歴書」

プリ履歴書

【研究メンバーはこの3人】

久保友香先生

久保友香先生

シンデレラテクノロジーを研究

門脇彩さん

門脇彩さん

フリュー株式会社・広報

長田麻衣

長田麻衣

「SHIBUYA109lab.」で所長を務める

2 プリ画像をアプリ加工!プリは自然に盛りたい

プリ帳

久保友香 中高時代、どのような時にプリを撮っていましたか?

辻愛沙子 中高は海外で過ごしたのですが、長期休みの度に帰国していたので、その時にガッとプリを撮っていました。「おかえり」という感じで記念に撮ったり、コーデプリを撮ったり、遠距離恋愛していた彼氏とカップルプリを撮ったり!

門脇彩 プリ帳は作っていましたか?

辻愛沙子 小学生の時は、3つ上の姉に憧れて狂ったようにプリを撮ってプリ帳も作っていましたね。データ保存が出来るようになってからは、今LINEのアルバムに画像をアップするノリでプリをFacebookにアップしていました。

長田麻衣 何かプリで工夫していたことはありますか?

辻愛沙子 自然に盛るため、プリを更にアプリで加工してからアップしていました。あっそういえば、いま大学の学生証に「証明プリ」を使っているんですよ!

久保友香 門脇彩 長田麻衣 可愛い!

辻愛沙子 別人すぎず、認識できるギリギリのところで盛れるので、学生証を再発行する際に活用しました!

門脇彩 「証明プリ」は、プリ機で撮れる証明写真で、レタッチ機能が搭載されていて肌の明るさや質感・目の印象・髪色などを調整できます!さらに400円で撮れることや、通いなれたアミューズメント施設のプリコーナーで撮れるのも魅力的のようで、アルバイトの面接に「証明プリ」を使ってくださっているという声もよく聞きます。

(※「証明プリ対応機種」と書かれたPOPが付いている機種のみ撮影可能。価格は設置店舗によって異なる場合あり。提出先の規定によっては使えない場合もありますので注意!)

3 両親もびっくり…!自主的に中学生で海外へ

留学時代1

留学時代2

留学時代3

久保友香 中学の途中から留学をされていますが、そもそも何故海外に行くことになったのですか?

辻愛沙子 幼稚園からずっと同じ私立の学校に通っていて、「もっと他の世界を知りたい」と思ったのがきっかけです。

門脇彩 自主的に行こうと思ったのですか?

辻愛沙子 はい、親はたまげていましたね(笑)。鍵っ子だったので、家で留守番をしている時にいろいろネット検索して調べた上で「ご相談があります」って留学の相談をしました。

久保友香 門脇彩 長田麻衣 行動力がすごい!!

久保友香 スイスの学校生活って全然想像つかないのですが、どのような生活でしたか?

辻愛沙子 共学で寮生活だったんですけど、なんだかドラマの中の人たちみたいなお家柄の人がたくさんいて、ゴシップガールのような世界でした。入学式のイベント会場が湖の上のイケてる豪華客船だったり、保護者会にヘリで来る人がいたり、本当にすごい世界すぎて、毎日驚いてばかりでした。

長田麻衣 映画みたいですね…!

辻愛沙子 もともと黒髪三つ編み+セーラー服を着て「ご機嫌よう」と言うような学校に通っていたので、そこからのギャップが激しかったですね。

4 海外にいながら“原宿カルチャー”にハマる日々

中高時代のプリ

辻愛沙子 海外に行くと普通、アバクロ(Abercrombie & Fitch)着てビーサン履いてちょっと日焼けして、という感じになると思うんですけど、私は逆に日本のカルチャーが好きになって、どんどん原宿系にハマっていきました。

久保友香 きっかけは何だったのですか?

辻愛沙子 スイスにいる時、ZipperでAMOちゃんを知って、もう死ぬほど好きで!AMOちゃんは、パンクとガーリーを掛け合わせているところがツボでした。

長田麻衣 スイスでも原宿系の服装をしていたのですか?

辻愛沙子 はい、1人で美白+姫カット、分厚い厚底を履いて…と、めちゃめちゃ浮いていましたね。先生に超いじられていて、厚底を「民族衣装」とか言われたことも(笑)。

久保友香 情報はどこで集めていたのですか?

辻愛沙子 雑誌はZipperです。ただ、ネットで購入しても直接海外に送れなくて、海外の居住地に転送してもらえる「転送コム」というサービスを利用していたので、倍くらいの金額がかかりました。

久保友香 雑誌を手に入れるのも一苦労だったのですね…!

辻愛沙子 原宿カルチャーへの渇望と熱がすごすぎて、高校の図書室の先生に交渉し続けて、最終的にZipperが学校の図書室の雑誌コーナーに置かれるようになったんです(笑)。

久保友香 門脇彩 長田麻衣 えぇぇ!すごい!!

5 美容院は1日3店舗ハシゴ♪ファッションのこだわり

ファッションのこだわり

長田麻衣 海外に住んでいる時、ファッションはどうしていましたか?

辻愛沙子 3ヶ月に1度、帰国するタイミングで、例えば髪の毛は、カットする美容院とブリーチカラーする美容院、エクステつける美容院を変えて1日かけてハシゴしていました。熱量が溢れていたので、もう作品作りみたいになっていましたね(笑)。

久保友香 美容院ハシゴだなんて、こだわりが凄いです!

辻愛沙子 髪が伸びてもいいように逆グラデにしたこともありました。

長田麻衣 洋服はどこで買っていましたか?

辻愛沙子 AMOちゃん信者だったので、ガーリー系のブランドは一通り。「Katie」とか「Candy Stripper」「lilLilly」…だいたい高くてたくさん買えないので、最初に好きなお店をハシゴしてちょっとずつ頑張って買って、あとは竹下通りで似たようなものを安く手に入れていました。

門脇彩 プリで全身コーデを撮ることもありましたか?

辻愛沙子 はい、プリはコーデ目的に撮ることが多かったです。全身で綺麗に撮れる機種が出た時はめちゃ喜びました。

門脇彩 2009年にファッションを残す目的でつま先から頭の先までの全身が撮影できる『Lumi』という機種を発売したのですが、フレームに日付やおでかけ先などを落書きで書き込めるスペースが入っていて、その日のコーデや思い出をプリで可愛く残せる「プリ日記」も搭載していました!その後も顔とコーデが両方盛れる“上から全身”を搭載した「RUMOR(2012)」が登場したり、盛ることに特化したアップ機であってもラスト1枚に膝丈まで写るコーデショットが撮影できたりと、ファッションを残したいという需要は常に一定層あると思います。全身を撮影するのって自分ひとりではなかなか難しいですが、プリだと綺麗に撮れるし顔も可愛く盛れるので一石二鳥ですよね(笑)。

辻愛沙子 コーデプリの目的は、誰かに見せるためではなく思い出に「残すため」で。海外で寂しくなった時のお守りというか、とにかく日本では同じ系統の人とたくさん撮っていたので、海外生活をしながらもプリはすごく身近な存在でした。

6 niconicoで発信も!中高時代のWEB事情

中高時代のWEB事情

久保友香 雑誌だけでなく、WEBでも情報収集していましたか?

辻愛沙子 スイス時代、1人になりたい時は校内にあるピアノが置かれた小部屋に逃げ込んで、当時全盛期だったniconicoや YouTubeを見漁っていました。

久保友香 発信もすることはありましたか?

辻愛沙子 実は当時、niconico生放送で「スイスの車窓から」というコミュニティを作って生配信をしていました…(笑)。

長田麻衣 名前が最高です!何を配信していたのですか?

辻愛沙子 音楽が好きなので、首下のみを映してひたすらギターを弾いたものを配信したり、ただただ勉強してるところ流したりしてました。これ、あまり掘り下げられると辛いです(笑)。海外では、音楽もファッションも共有できる人がいなかったので、ネットにすがりついていましたね。

7 帰国中は必ず撮影!辻さんにとってプリはどんな存在?

プリ

門脇彩 撮っているプリの機種の系統が、どれもふんわり系で似ているのが興味深いです!

辻愛沙子 好きなプリの機種は、外装デザインもふわふわ可愛い系・パステル系が多かった気がします。あと、撮る時、設定でキュートとビューティーが選択できるのがありましたよね?あれは絶対「キュート」を選んでいました。

門脇彩 最近だと仕上がりをかわいい系・キレイ系などから選べる機種は少ないですが、当時は1機種にテイストの異なる2つのコースが搭載されていて、自分の好みに合わせて選択できるプリ機がありましたね。

辻愛沙子 同じ系統の友達ができる前は、あまり自分の好みを押し付けられないので、プリを撮る時1枚だけ背景をラベンダーに設定するなど、密かに自己主張をしていました。

長田麻衣 辻さんにとってプリってどんな存在でしたか?

辻愛沙子 中高時代を振り返ると、日本にいる友達とか数少ない同じカルチャー好きな友達とかと私を繋ぎ止めてくれるものだった気がします。

久保友香 国際的なイメージの強い辻さんが、海外にいながらも実は日本のカルチャーに染まっていたというのが本当に面白かったです!学生時代いろいろな経験をされた辻さんから最後に、いまを生きる中高生にメッセージをお願いします!

辻愛沙子 中高時代って親から言われたことだったり、友達からはみ出さないようにしたり色々考える時期だと思うんですけど、周りのことも大事にしつつも自分の「好き」を大事に手放さず過ごしていたら、大人になってから、その「好き」が自分にポジティブなものを届けてくれると思います。偏るくらい熱中して愛せるもの、いわゆる“偏愛”を大事にし続けて欲しいです!

取材風景

PROFILE プロフィール

久保友香

久保 友香 Yuka Kubo

東京大学大学院博士課程修了(環境学博士)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など歴任。著書に『「盛り」の誕生―女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(太田出版、2019)。
好きなものは、ビール、羊羹、芸能ニュース。
今年の目標は、昨年に引き続き、昭和初期を知るおばあちゃんたちとたくさん会うこと。

門脇彩

門脇 彩 Aya Kadowaki

専門学校を卒業後、2017年新卒としてフリュー株式会社に入社。広報として、プリに関する最新情報や魅力を発信中。
好きなものは、旅行、焼肉、ドライブ。
今年の目標は、仕事もプライベートも新しいことに挑戦すること。

長田麻衣

長田 麻衣 Mai Osada

総合マーケティング会社を経て、SHIBUYA109のマーケティング担当となる。
毎月200人のaround20(15歳〜24歳の男女)と接する毎日を過ごしている。
好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。
今年の目標はSHIBUYA109 lab.所長として若者に関する講演に講師として登壇すること。そして「大人っぽさ」と「透明感」を兼ね備えた女性になること。

辻愛沙子

株式会社arca CEO / Creative Director
社会派クリエイティブを掲げ、広告から商品プロデュースまで領域を問わず手がける越境クリエイター。リアルイベント、商品企画、ブランドプロデュースまで、幅広いジャンルでクリエイティブディレクションを手がける。女性のエンパワメントやヘルスケアをテーマとした「Ladyknows」プロジェクトの代表。2019年10月より報道番組『news zero』にて水曜パートナーとしてレギュラー出演し、作り手と発信者の両軸で社会課題へのアプローチに挑戦している。
Twitter:@ai_1124at_

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会社概要

会社名 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
TEL 03-3477-6719
FAX 03-3477-6702
本社所在地 〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1丁目10番7号 五島育英会ビル4階

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