SHIBUYA109 lab.

コロナ禍就活の実態と若者の価値観

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、社長:木村 知郎)が運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキューラボ)』は、around20(18〜24歳)男女を対象に、「若者の就職活動実態」について調査を行いました。

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INDEX 目次

1 コロナ禍で変化した就活実態とは?

SHIBUYA109 lab.ではコロナ禍における若者の生活や価値観の変化について定点観測をしていますが、中でも大きく影響を受けているのが就職活動。オンラインでの選考も取り入れられ、around20たちは不安を感じながらも適した就活スタイルを模索しています。 今回は、そんな彼らの就活の実態を調査しました!

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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2021年1月
対象者条件:2021年度4月入社~2024年4月入社に向けて
現在就職活動をしている人・もしくはしていた人
居住地:1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)
年齢:18~24歳 学生 男女(大学・大学院生・短大・専門)
有効回答数:N=400(男女各200)

②SHIBUYA109 lab.による定性調査
調査期間:2021年1月
対象者条件:大学生・専門学校生 就活中の男女
人数:各グループ5名×2グループ

※その他過去定性調査をもとに考察
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2 オンライン就活のメリットは節約・デメリットは"没個性化"。画面の向こう側で行われた様々な工夫とは

オンライン面接の様子の写真

近年の新卒採用に向けて行われる就職活動は、大学3年生の夏ごろからインターンシップへの参加やOBOG訪問・自己分析・業界研究などを経て、本選考を受け内定を獲得していくのが一般的なフローとなっています。

WEB調査では、2020年度に就職活動をしている若者の70.0%がインターンに応募しており、本選考では1~10社応募したと回答した人が38.0%と最も多い結果となりました。

インターン参加率

本選考応募件数

また"コロナ禍就活"の一番の特徴と言えば、オンラインでの就職活動です。

オンラインで参加した就職活動について聞いてみたところ、最も多いのは「個別面接(38.5%)」、次いで「企業説明会(36.8%)」「インターンシップ(29.3%)」という結果となりました。

オンラインでの参加状況

オンライン面接のメリット・デメリットに関する自由回答での聴取では、メリットは「地方の企業の面接は時間も交通費もかからずよかった」「自室から参加することで、リラックスして話すことができた」など交通費や時間、緊張の軽減・節約に繋がったことで、効率的な就活が実現できたことが挙げられています。

就職活動にかかるお金の総額は1万1円~3万円(34.3%) が最も多く、お金を使ったモノ・コトとして最も多いのは「交通費(50.5%)」、次いで「スーツ・衣服・靴・鞄(48.0%)」「就職活動関連の書籍(24.0%)」という結果となりました。グループインタビューでも「オンライン選考への切り替えにより交通費が削減できた」という声が多く聞かれています。

お金使ったもの・こと

お金使ったもの・こと

学生が就活時、実際に使用していたグッズたち

デメリットについては「対面で話さないと自身の意思が伝わりにくいと感じた」「実際に企業に訪問する機会がなく、どのような環境で働いているのかよく分からなかった」など、学生側だけでなく、企業側の熱意や雰囲気もオンラインによって伝わりにくくなることが挙げられています。

オンライン選考で工夫したこと

そんなデメリットを少しでも解消するため、オンライン選考で工夫したことについて聞いてみたところ、最も多いのは「リアクションを大きくとる(54.7%)」、次いで「背景に気を使い、自宅のどこで受けるか検討した(44.3%)」「画面ではなくカメラを見て話す(42.3%)」という結果となりました。

グループインタビューでも、「カメラが目線の位置になるように、本を積み重ねてパソコンの台にした」「顔色が明るく見えるようにリングライトを買った」「背景をみられても知的に見えるよう、親の書斎で面接を受けた」など様々な工夫が聞かれました。

オンライン面接の様子の写真

3 イマドキ就活生のキャリアプラン-キーワードは「ワークライフバランスの実現」「個の力を伸ばす」。転職を見据えた就活も特徴

キャリアプランについて聞いてみたところ、最も多い回答は「結婚しても仕事を続けたい(35.5%)」「首都圏で仕事がしたい(34.3%)」「専門性を高めたい(28.5%)」という結果となりました。

キャリアプラン

「結婚しても仕事を続けたい」に対し、「結婚したら仕事を辞めたい」と回答したのは5.8%でした。彼らは両親が共働きであるケースが多く、仕事とプライベートを両立させることが当たり前という意識が強いようです。

そして首都圏で仕事がしたい理由について、グループインタビューでは「家族や友人と離れたくない」や「イベントや新しいものが集まっている便利な都心との距離が近い場所で働きたい」などの声が上がっています。

リモートワークの浸透が進み、働くために都心に出向く以外にもワーケーションや地方移住などの働き方の選択肢が広がっていますが、既存の繋がりや新しい体験を重視する彼らにとって、利便性の観点から首都圏での勤務を希望する人が多いことが考えられます。

また「専門性」については、現時点で既に転職を見据えたキャリアプランを計画している人も多く、「転職する際に有利になるようなキャリアを積んでいきたい」「専門性を身に着けることで自身の市場価値を高め転職に備えたい」という声も多くありました。

4 企業を選ぶ際に重視しているのは「勤めている人の雰囲気」「福利厚生」。コロナ禍で志望企業・働き方に対する意識が変化

企業を選ぶ際に最も重視することを聞いてみたところ、「勤めている人の雰囲気が良い(15.8%)」が最も多く、次いで「福利厚生が充実している(12.0%)」「自分のやりたい仕事ができる(10.8%)」という結果となりました。

企業に求めること

グループインタビューではインターンへの参加やOBOG訪問を積極的に実施し、“一次情報”の収集に力を入れている若者が多くみられており、「企業の公式情報だけでなく、OBOG訪問で職場の雰囲気や福利厚生のリアルな実態を確認している」という声が多く聞かれています。

福利厚生については、家賃補助などが挙げられ、若いうちに貯金ができるサポートの有無を確認する傾向にあります。産休後の復職状況や残業の多さなど、社員のワークライフバランスの実態から自分のライフプランの実現ができるかを中心にヒアリングをしているようです。

また、コロナ禍で大きく社会が変化している様を見ながら就活をしている中で、企業や働き方に対する意識の変化も見られています。

企業選びや働き方に対する意識においてコロナ禍で変化したことを聞いてみたところ、最も多かったのは「変化に柔軟な企業に努めたいと思うようになった(28.3%)」、次いで「リモートワークが出来る企業で働きたいと思うようになった(23.3%)」「長い間業績が安定している企業に勤めたいと思うようになった(21.3%)」という結果となりました。

コロナ禍で変化したこと

グループインタビューでは、コロナ禍で目指す業界が大きく変わったということは少なかったものの、「今後も安定した業績を担保できる企業を選びたい」という声が多くみられています。また、在宅勤務への移行やオンライン面接への切り替え等の働き方や選考方法等において、「未曾有の事態の中で志望している企業や業界がスピーディーかつ柔軟な対応ができているか」にも注目がされており、企業の「柔軟性」も学生にとっての重要な判断軸となっていることがわかります。

5 若者が選ぶ理想の上司は内村光良さん・水卜麻美さん! 理想の上司は世代を問わず意見も聞いてくれるフラットな上司

勤めている人の雰囲気を重視する若者の理想の上司を聞いてみたところ、around20男子は同率1位に内村光良さん、カズレーザーさん(メイプル超合金)という結果となり(33.5%)、3位には伊沢拓司さん(QuizKnock)がランクインしました(25.5%)。そして、女子は1位水卜麻美さん(45.0%)、2位内村光良さん(32.5%)、3位には渡辺直美さん(25.0%)という結果になりました。

男女理想の上司ランキング

男女ともに票を集めた内村さんについては、「人に優しく、自分に厳しくという姿勢を持つ人に憧れを抱く」「どのような立場になっても謙虚でいられる人が良い」「部下の話を親身に聞いてくれるイメージ」など、尊敬できる点があることや、相談のしやすさ等を理由に挙げる回答が多くみられました。

また女性からの人気を集めた水卜麻美さんには、「優しい雰囲気で見守りつつも、言う時は言ってくれそう」「飴と鞭をうまく使い分けられていそう」「私にできる仕事を見極めて任せてくれて、任せながらも気にしてくれそう」「相談しやすそう」など、人柄と個人に目を向けた指導をしてくれる印象を挙げる回答が多くみられました。

この他にも「女子はこうしなきゃ・男子はこうしなきゃ、等のステレオタイプを押し付けられたくない」「年齢や立場は関係なく、部下の意見も含めて考えてくれる人が理想」などの声が多くみられており、多様性やストーリーを重視する若者にとっての理想の上司は、頭ごなしでなく、フラットに接してくれる人であることがわかります。

6 所長コメント:専門性や個の力を重視する若者達。キャリアプランに見える堅実さ

就職活動は1年ほど前から開始することが一般的ですが、高校生や大学1年生など、かなり早い段階から将来や就職に不安を抱え、準備や情報収集をしている若者も少なくありません。

社会情勢が不安定な中で生まれ育った彼らは、常に自分の将来に対して漠然とした不安を感じていることから、「何があっても生きていけるような専門性を身に着けたい」という意識が強い傾向にあります。また、副業やフリーランスなどの働き方の多様化により、自分が価値を感じることに時間やお金をかけ、あとは節約したいという価値観を持つ若者たちには、従来の働き方に捕らわれない、キャリア形成に対する考え方も見られています。

「残業が少なく、有給を取りやすい会社で働き、ヲタ活に専念できる会社に入社したい」「本業以外に副業をして稼ぎたい」「場所やライフステージにとらわれない働き方をしたい」など、理想は様々ですが、それぞれの理想のワークライフバランスを叶えるためにも個の力をつけていきたいという、現実的な視点が共通点として見られます。将来に対する考え方が夢物語ではなく、しっかり現実を見据えた堅実なものであることも、彼らの特徴と言えます。

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会社概要

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