株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、社長:木村 知郎)が運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキューラボ)』は、around20(15~24歳)を対象に、「若者のお金に対する意識・実態」ついて調査を行いました。
「お金を使わない」と言われている今のaround20。SHIBUYA109 lab.のこれまでの活動では、様々なカテゴリにおける消費実態やその背景にある価値観が明らかになっています。
では、彼らのお金に対する考え方や、実際のお財布の中身にはどのような実態があるのでしょうか。
今回は、around20のお金に関する実態とその背景にある意識を調査しました!
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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2021年2月
居住地:1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)
性別:男女
年齢:18〜24歳
職業:学生(高校生・大学生・大学院生・専門学校生・短大生)
n=400(男女各200)
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
調査期間:2021年2月
グループインタビュー
対象者条件:大学生 男女 2G 合計8名
・その他過去定性調査をもとに考察
※平均値の算出方法=各選択肢の中央値×回答者割合×0.01
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月収について聞いてみたところ、平均金額は58,575円となり、最も多い収入源はアルバイト(86.5%)、定額のお小遣いによる収入を得ている若者は18.7%という結果となりました。
月収の使い道について聞いてみたところ、最も多いのは「交際費(23.5%)」、次いで「貯金(14.5%)」「ファッション・アクセサリー(14.0%)」となり、各カテゴリの支出平均額は交際費は15,125円/月、貯金は17,075円/月、ファッション・アクセサリーは10,388円/月ということが分かりました。
またコロナ禍の影響により、お金の使い道に変化が生じています。
コロナ禍での支出が増えたカテゴリ第1位は「貯金(31.8%)」、第2位「書籍・漫画、TVゲーム・スマホゲーム(27.5%)」、第3位「スキンケア・ヘアケア(23.3%)」となり、逆に支出が減ったカテゴリについては第1位「旅行・レジャー(48.0%)」第2位「交際費(46.5%)」第3位「美容院(30.0%)」という結果となりました。
「書籍・漫画、TVゲーム・スマホゲーム」に関しては、グループインタビューにて「コロナ禍をきっかけに雑誌読み放題のサブスクリプションサービスを契約し、今まで読んでいなかったジャンルの雑誌も含めて定期的に読むようになった」などおうち時間のお供への課金が増加していることが分かっています。
そして「交際費の減少」に関しては、通学する頻度が減少したことから、ふらっと友達と遊びに行く・外食をすることが大きく減少したことが影響しています。グループインタビューでは「外出自粛により友達と遊ぶことが減り、交際費をそのまま貯金に充てた」という声が多く聞かれました。
支出が減少した項目に関しては、コロナ禍という外的要因により仕方なく減らさざるを得なかったものであり、決して消費意欲が減少しているということではありません。特に旅行や友人と過ごすために費やす支出に関しては、環境の変化に応じて回復することが予測されます。
主な収入源がアルバイトの報酬である若者は、シフトの増減が影響するため、収入が不安定であることから、お金のやりくりスキルが高い傾向にあります。お金を有意義に使用するために行っていることを聞いてみたところ、最も多い回答は「ポイントを貯める(58.5%)」、次いで「SNSで節約術をチェック(31.0%)」、「家計簿をつける(28.8%)」という結果となりました。
グループインタビューでは、Instagramで節約術をチェックしているという声が特徴的であり、「"手取り●万円のOLの生活"等のタイトルの投稿をチェックしている」や「学生の服の着回し術や、月々の服にかけるお金などを参考にしている」という回答がありました。最近のInstagramでは、画像内にテキストが多く書かれた「インスタマガジン」と呼ばれる投稿が人気になっており、写真とテキストでより具体的な節約術を知ることができるため、活用されています。またアプリや手帳を活用し家計簿を日常的につけている若者も多くみられています。日常的に支出を記録し、自分が何にどのくらいお金を使っているのかを"見える化"することで、支出の見直しを行っています。
家計簿を記録する理由として多く聞かれたのが「浪費癖を直すため」。WEB調査の結果でも、75.8%が「お金は極力無駄遣いせずに、貯めておきたい」と回答しており、無駄遣いに対する抵抗感があることがわかります。
では、若者はどのように貯金をしているのでしょうか。
現在の貯金状況について聞いてみたところ、77.8%が「現在貯金をしている」と回答しており、うち47.8%が「不定期だが出来るときに貯金をしている」、30.0%が「定期的に貯金をしている」ということが明らかになりました。お金を使うことに慎重である姿勢も見られています。
グループインタビューでも「毎月の貯金額が決まっているわけではないが、月収のうち、月末に余った額を貯金している」「通常より収入が多かった時に、差額を貯金している」という声が多く、無理のない範囲で貯金をしていることが分かります。
貯金の総額は平均277,478円でした。貯金をしている理由について聞いてみたところ、最も多い回答は「もしもの時のため(46.3%)」次いで「欲しいものがあるから(29.3%)」「貯金が楽しいから(23.5%)」という結果となりました。
「もしもの時のため」の具体的な内容について、グループインタビューでは「旅行に行きたいとか、何か大きな出費があるときのため」「留学など自分にチャンスが回ってきた時に、お金が出せるようにしたい」「パソコンなど、すごく欲しいけど高額なものがあったときに、貯金から支払えるようにするため」など、10年、20年後など遠い将来のためではなく、どちらかというと近い将来に起こりうる、ポジティブな"もしも"を指していることが分かります。
若者がお金に関して不安に感じることとして「貯蓄や資産が少ない(49.3%)」の次に「お金についての知識がない(37.5%)」が挙げられており、知識がないことで起こりうる失敗に対するリスクを感じ、慎重になっていることが考えられます。
グループインタビューでは株などの投資に対する関心についても聴取しました。男子は比較的関心が高く、学生の時点からゲーム感覚で始めている人もいますが、女子は「興味はあるが怖いイメージがある。失敗したら取り返しがつかなそう」「株は終わりがなく、失敗がゴールな印象がある」等、投資に対して不安や抵抗感を持つ声が多く上がりました。
最近では「"スマホだけで簡単にお金を稼げる"などと謳った投資に関するSNSでの投稿を見かけるようになったが、怪しさを感じて怖い」という声も聞かれており、 “お金を簡単に稼げること”に対する不信感が強い傾向にあります。また資産運用に関しては、お金に対する価値観が異なる友人よりも、家族を中心に身近で信頼できる人のサポートを受けながら始めていきたいという声も聞かれています。
普段からポイントをためる習慣があったり、コロナ禍で貯金をするようになったりと、今の若者は節約意識が強い傾向にあります。そのうえで「自分が価値を感じたものに対してお金をつぎ込み、それ以外はできる限り節約する」という"メリハリ消費"の特徴があり、無駄遣いや衝動買いによる浪費を回避することで、不安定かつ限られた収入を本当に自分が価値を感じるものに対して使えるよう備えておきたいという意識が強くみられています。
この"メリハリ消費"を実現するための節約術をグループインタビューで聞いてみたところ、「購入前に様々な情報をチェックし、自分なりに悩み切ってから購入する」という声が多く聞かれています。「価値を感じるもの」を見極める工程に時間をかけることで節約につなげていることが分かりました。
商品カテゴリを問わず「通販では買い物かごにとりあえず入れておき、何日か情報収集・検討をする」「欲しいものがある場合はまずはSNSで必ず情報を集める」など、購入前の検討に時間をかけるのが今の若者の特徴です。
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