SHIBUYA109 lab.

コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態調査

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキューラボ)』は、around20(15~24歳)を対象に、「コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態調査」を行いました。

※「ヲタ活」とは ヲタクを「ファンであること」や「お金や時間をたくさん費やしているもの」として定義。「ヲタ活」はその活動全般を指します。対象となる若者たちの多くが自らを「●●ヲタ」と自称し、ヲタ活を楽しんでいる実態があります。


扉絵

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INDEX 目次

1 コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態とは?

SHIBUYA109 lab.のこれまでの調査では、Z世代のヲタ活に対する熱量の高さやそれに伴う消費行動が明らかになっています。コロナ禍でリアルイベントなどに制限がかかる中、彼らのヲタ活にはどのような影響が出ているのでしょうか。
今回は、コロナ禍のヲタ活実態を調査しました!

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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2021年6月
居住地:1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)
性別:女性
年齢:15~24歳
回答者数:420名(10代210名/20代210名)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。

②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件: 女子高校生3名、女子大生4名 2G 合計7名
・その他過去定性調査をもとに考察

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2 Z世代の75%がヲタを自覚!コロナ禍でさらに増すヲタ活への熱量

今回の調査の際に「自分が『〇〇ヲタ』と言えるものはありますか。」と聞いたところ、75.5%の人が「ある」と回答し、何かしらのヲタであると自覚していることが明らかになりました。

ヲタ割合

Z世代の大半がヲタであることを自覚していますが、推し(自分の一推しの人、応援している対象)とのリアルでの接触が制限されるコロナ禍では、時間やお金のかけ方、熱量には変化があったのでしょうか。
時間が「増えた(39.1%)」、お金が「増えた(32.2%)」、熱量が「増えた(41.3%)」と、いずれも減った割合よりも増えた割合が多い結果となりました。時間とお金に関しては80%以上が増えたもしくは変わらないと回答、熱量は約90%が増えたもしくは変わらないと回答し、コロナ禍でもヲタ活の熱を感じる結果となりました。

コロナによる時間、お金、熱量の変化

グループインタビューでは、「コロナ禍でお金が浮き、今まで買えていなかったグッズを買っている。おうちにいる時間が増えたため、推しの動画をたくさん見るようになった。」、「コロナ禍でも推しからのコンテンツ発信(動画配信やオンラインイベントなど)が多く、熱量も高くなっている。」などの声が聞かれました。一方、「コロナ禍によりライブがなくなり、推しの活動も少なくなってしまったのでお金や時間をかけられていない。」といった声もあり、コロナ禍での推しのオンライン上での活動状況が、熱量にも影響していることがうかがえます。

3 「オフィシャルヲタ活」と「創作ヲタ活」の二軸で楽しむ

では、コロナ禍でどのようにヲタ活を行っているのでしょうか。
現在行っているヲタ活について聞いたところ、「SNSで情報収集を行う(73.2%)」、「推しの動画を見る(72.9%)」となり、時間がある時はスマートフォンなどでチェックし、生活の一部となっていることが分かります。
また、彼女たちのヲタ活は「オフィシャルヲタ活」と「創作ヲタ活」 の2つの楽しみ方が見られています。
「オフィシャルヲタ活」は、推しから提供される“公式のヲタ活”を指しており、「公式グッズを買う(66.2%)」、「CDやDVDを買う(53.6%)」など、半数以上の人が実施しており、ヲタ活の主軸であることが分かります。グループインタビューで「オフィシャルヲタ活」のモチベーションを聞いてみたところ、「推しの直接的な応援・支援に繋がるので、なるべく公式グッズの購入にお金をかけたい。」といった声が聞かれました。

現在行っているヲタ活

またライブ・イベント参加については、リアルでの参加は29.3%に留まり、「ライブ配信を見る(52.4%)」、「オンラインライブ・イベントに参加する(34.7%)」という結果となりました。
グループインタビューでは、ほぼ全員がオンラインライブやイベントの参加経験があり、「オンラインライブでも、公式グッズのTシャツや手作りのペンライトを持って画面の前から応援している。」、「オンラインイベントのために、スマートフォンよりも大きな画面で楽しめるタブレット端末やスタンドを購入した。」など、オンラインイベント参加のために新たな消費が生まれている実態も見られました。
また、「友達とオンライン通話をしながら、オンラインライブを楽しんでいる。」、「友達と参加するときは、服装も友達と一緒に推しの雰囲気に合わせる。」といった声が聞かれており、ヲタ友とも遠隔でオンラインイベントの空気感を共有するための工夫をしているという声も聞かれています。
一方「創作ヲタ活」とは、公式の場とは少し離れた場所で、"ヲタ活を起点にして自主的に遊びに行ったり、オリジナルのグッズを作る活動"を指します。「推しグッズを持ってカフェに行く(17.7%)」、「撮影などで使われた場所に行く(12.3%)」に加え、「ホテルで鑑賞会や撮影などのヲタ活を行う(5.0%)」など、コロナ禍ならではの楽しみ方も見られています。

オンラインイベント参加の様子、推しとカフェ巡り、ホテルヲタ活

また、コロナ禍でおうち時間が増えた影響により活発化している「創作ヲタ活」の中のひとつが"手作りヲタグッズ"の制作です。手作りヲタグッズの経験については、30.6%の人が「ある」と回答しました。

手作りヲタグッズ経験

手作りしたヲタグッズを聞いたところ、1位「ネップリ(ネットプリント)(43.3%)」、2位「うちわ(30.9%)」、3位「トレカ(トレーディングカード)(20.6%)」となりました。 また、今年ならではのトレンドとして、「推しグラス(6.2%)」、「推しゴーグル(2.1%)」もSNS上で盛り上がりを見せており、自分の推しの名前を使った手作りグッズが増えています。
これらの手作りグッズはInstagramを中心としたSNSに投稿されている作り方の解説を参考に実践しています。

手作りグッズ詳細

グループインタビューでも、「スケルトンうちわや推しグラス、推しゴーグルをTikTokやInstagramで見て、マネして作った。」といった声があがり、「アクキー(アクリルキーホルダー)を飾るためにワイヤーネットを買った。」「ネップリ(ネットプリント)でメンバー全員分コピーして壁に貼っている。コロナ禍で、周りでもおうちの中でヲタグッズを飾る人が増えた気がする。」といったおうちの中でヲタ活を楽しむ声も多くあがりました。

ヲタ部屋 、推しゴーグル、推しグラスなど推しグッズ系

コロナ前はヲタ活界隈ごとにヲタ活トレンドが分かれており、特徴が際立っていましたが、コロナ禍により活動範囲や情報源の制限を受けたことで、その特徴は希薄化していると分析しています。

4 SNS投稿のモチベーションは「応援」「布教」「ヲタ友作り」

コロナ禍でも活発にヲタ活を楽しんでいるZ世代ですが、その活動に欠かせないのがSNSです。SNSでのヲタ活に関する投稿状況について聞いたところ、6割以上が投稿しており、週に4~5日以上投稿する人が10%以上となりました。
グループインタビューでは、「推しのアクリルスタンドとお出かけして、カフェで写真を撮ったり、手作りグッズを撮ったりした写真をSNSに投稿している。」、「顔写真メインのアカウントとモノトーンで統一したアカウントなど、テイストによってヲタ活用のアカウントを分けている。」といった実態も聞かれ、ヲタ活もSNSを起点とした行動も多く見られました。

SNS投稿頻度

また、SNSに投稿する理由を聞いたところ、「推しを応援したいから(66.9%)」、「ヲタ活の記録を残したいから(53.9%)」、「推しの魅力を多くの人に伝えたいから(36.5%)」という結果となり、「ヲタ友を作りたいから(34.8%)」も特徴的な結果となりました。
この回答から、Z世代がヲタ活についてSNSに投稿するモチベーションとして「応援」「布教」「ヲタ友作り」の3つの要素があることが分かります。

SNS投稿目的

① 応援:貢献意識の高いZ世代は「応援すること」がモチベーション

Z世代は他者への貢献意識が強いことから、消費価値観のひとつとして、共感する人やものを応援することに対して時間とお金を使いたいという「応援消費」の傾向があります。ヲタ活は彼らのこの価値観を象徴する実態となっています。

② 布教:「推しを多くの人に広めたい」ヲタ活の最終形態「布教活動」

グループインタビューも「布教活動」について多く話があがっており、「ステマシート(推しの好きなところや魅力等を解説するオリジナル画像)を作って、SNSに投稿している。友達が投稿していたステマシートから新たに推しを見つけてしまい、ハマったりもした。」「コロナ禍で友達と電話をすることが増えたので、友達と推しをお勧めし合うことで共通の話題が増え、話が盛り上がる。」、「コロナ禍になって、友達に勧められて新たにヲタ活を始めた。推しが増えてお金や時間の使い方に困っているけど楽しい。」といった声が聞かれました。
多くのZ世代が取り組んでいるヲタ活はコミュニケーションツールとしても機能しており、コロナ禍によってリアルな日常生活の中で話のネタが作りにくい状況も影響し、布教活動が活発化していることも考えられます。

③ ヲタ友作り:健全な出会い系!?Instagramのライブ配信でヲタ友と繋がる。コミュニティを結成して推しを応援

SNSネイティブのZ世代は、ヲタ友作りもSNS上で活発に行っています。
実際にヲタ活を一緒に楽しんでいる相手を聞いたところ、「学校やアルバイト先の友達(47.9%)」に次いで「SNSで知り合った友達(24.9%)」がランクインする結果となりました。

グループインタビューを通して、SNSでヲタ友を作る流れについて実態が判明しました。「SNS上でヲタ友と繋がるために、自身の推し特有のハッシュタグを付けて検索している。そこからヲタ友を作っている。」「ヲタ友の間では“健全な出会い系”と称して、Instagramでライブ配信を行っている。もともと友達同士でヲタ活の話をして、視聴している人たちともコメントなどで交流して友達が出来る。自分が出ない時も、仲良くなりたいヲタアカウントのInstagramライブ配信を見て、コメントして繋がるきっかけを作っている。」といった声が聞かれました。

ヲタ活を一緒に楽しむ人

SNSでヲタ友を作る流れ

この流れはヲタ活に限らず、Z世代が友達を作る流れと同様です。
また、ヲタ友作りだけでなく、ヲタが集うSNS上でのコミュニティ形成も活発化しております。
特に近年盛り上がりを見せているオーディション番組において、推しのデビューを支えるべく、熱狂的なヲタが集まる団体として「ファンダム」が結成されるなど、ヲタが結束している実態があるようです。
グループインタビューでファンダムを運営しているZ世代に実態を聞いてみたところ、「オーディション番組は推しは個人戦だけど、ヲタは団体戦。練習生それぞれにファンダムがあり、推しをデビューさせるためにヲタだけでなく周りの人も巻き込んで様々な取り組みをしている。」という声が聞かれています。実際にファンダムでは推しのデビューを叶えるためにSNSでハッシュタグを作り、トレンド入りするようオンライン上でイベントを開催したり、Twitterスペース機能を活用しオーディション番組の様子をリアルタイムで共有しながらヲタ同士で意見交換するなど、推しを応援するためにファンが一丸となっている実態がみられおり、高い熱量が見て取れました。また、ファンダムだけでなく、同じアーティストを応援するヲタのヲタ活をサポートすることを目的としてSNSアカウントを運営する等の実態も見られています。
実際にみんなのヲタ活を共有するSNSアカウントを運営するZ世代に、アカウント運営を始めた経緯を聞いてみたところ、「①大好きなアーティストが活動休止を発表し、ヲタの愛や想いを残せる場所を作りたいと思った。②寂しくなった時にいつでもヲタに会える場所を作りたい。③アーティストに対する想いを共有できる場所がほしい。と思い、アカウントを立ち上げた。また、SNSで様々な方法でヲタ活をしていることを知り、このアカウントでヲタ活の楽しみ方を共有することで、誰かのヲタ活の参考になり、より自分のヲタ活も盛り上げられたらいいなと思った。」という声が聞かれ、アカウントを中心にヲタ活コミュニティを形成し、同じコンテンツを共有する人たちと楽しみ方を共創していきたい、というモチベーションがうかがえます。

Z世代が運営するみんなのヲタ活を共有するSNSアカウント

𝐩𝐚𝐥𝐞𝐭𝐭𝐞(パレット) @palette_5star

パレット

5 所長コメント: 推しを編集し布教する―「推しを中心に共感コミュニティを構築したい」がモチベーション

「ヲタ活」と聞くと、かつてはクローズドな環境で限られた人と楽しむもので、どちらかというとネガティブな印象を持つ方が多いかもしれません。しかし、Z世代にとって「ヲタ活」はみんなが楽しむオープンでポジティブなものに位置づけられています。
彼らにとって「この人・このコンテンツを応援している」ということが、アイデンティティを表現するひとつの要素であり、同じ価値観を持つ人とのコミュニケーションを生み出すツールにもなっています。
Z世代のヲタ活実態に見られる「布教」も、このようなヲタ活の定義の変化が影響しており、自身が考える推しの魅力を一人で楽しむのではなく、「共感してくれる人と繋がり、一緒に楽しみたい」というモチベーションが背景にあります。
そして、共感してくれる同志の目に留まるための共感ポイントを生み出すためには「創作ヲタ活」は欠かせない存在です。
写真の撮り方や画像・動画の編集方法で表現されることが多いことから、自分のフィルターを通して推しの魅力を編集・カスタマイズするスキルも重視されており、ビジュアルコミュニケーションが主流となっているZ世代ならではの共感の生み方が見られます。



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