SHIBUYA109 lab.

Z世代のファッションに関する意識調査

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INDEX 目次

1 Z世代のファッションに対する意識とは?

SHIBUYA109 lab.の2019年の調査では、Z世代の好きなファッションブランド1位は「特になし」という結果が分かりました。しかし、お金をかけていることを聞くと、女性の2位はファッション・アクセサリーとなり、お金はかけているようです。では、Z世代はどのようにファッションを楽しんでいるのでしょうか。Z世代のファッションに関する意識について、SHIBUYA109 lab.独自ネットワークに属するaround20(15~24歳)を対象に調査を行いました!

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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2021年8月
対象:SHIBUYA109 lab.独自ネットワーク所属者
年齢:15~24歳
回答者数:205名(男性85名/女性120名) ※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。

②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件: 大学生 男子3名、女子4名 2G 合計7名
・その他過去定性調査をもとに考察

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2 体験から逆算してファッションを楽しむ。ファッションはコミュニケーションツールに。

まず、遊ぶときのコーディネートやファッションテイストの決め方を聞いたところ、「遊びに行く場所に合わせる(67.3%)」、「遊ぶことに合わせる(53.7%)」、「遊ぶ人のファッションテイストに合わせる(30.7%)」と、遊ぶ場所やこと、人に合わせてコーディネートをしていることが分かりました。

コーデの決め方

グループインタビューでは、「相手の服装に合わせることが多い。女子がいるときに全部モード系で決めると引かれそうなのでシンプルめのコーデにする。逆におしゃれな男友達と買い物に行くときは自分の中でもお気に入りの攻めたコーデをする。(男子大学生)」、「友達と遊ぶ場所が決まったら、事前にどんなコーデにするか相談する。例えば、カフェだから淡色コーデ(ベージュなど淡い色でまとめたコーデ)にしようみたいな感じ。似たコーデの方が仲良く見えるし、写真を撮った時も場所とコーデが合うと統一感が出て良い。(女子大学生)」といった声が聞かれました。

一人で複数のファッションテイストを着回す写真

一人で複数のファッションテイストを着回す写真2

一人で複数のファッションテイストを着回す写真3

Z世代にとってファッションは、自己表現ツールというよりは、コミュニケーションツールであり、人や場所などに合わせて使い分けるものとなっています。特に、女性の方がその傾向が強くみられており、SNSに投稿する写真や動画を撮ることを前提に、当日のコーディネートを決めています。撮りたい写真や動画から逆算したファッションを楽しんでいるのは、今のZ世代の特徴と言えます。

ファッションのカスタマージャーニー

3 女性の約40%、男性の約30%が3つ以上のファッションテイストを着回す。
約70%がブランドよりもファッションテイストを重視。

ファッションがコミュニケーションツールと化したZ世代は、どのようなファッションテイストを着ているのでしょうか。ファッションテイストを聞いたところ、男性は1位「カジュアル(58.8%)」、2位「キレイ目(24.7%)」、3位「ストリート(22.4%)」となり、1位と2位以降に大きな差が生まれました。一方、女性は1位「カジュアルガーリー(30.0%)」、2位「カジュアルボーイッシュ(27.5%)」、3位「キレイ目(25.0%)」となり、1~3位は僅差の結果となりました。また、ファッションテイストを3つ以上選択した割合を確認したところ、男性は28.2%、女性は44.2%となり、男性より女性の方が一人で複数のファッションテイストを楽しんでいる人が多いことが分かりました。

ファッションテイスト

続いて、ファッションの楽しみ方について聞いたところ、「ファッションについてブランドよりテイストを重視する」という項目について、「とてもあてはまる(28.3%)」、「ややあてはまる(42.9%)」と計71.2%があてはまると回答しました。

ブランドよりテイスト重視

グループインタビューでは、「好きなブランドは特にないが、GUやユニクロを着ることが多い。ZOZOTOWNでも買うがブランド名はわからない。(男子大学生)」、「韓国が好きで韓国っぽいテイストを着ることが多いが、通販で買っているのでブランド名は覚えていない。スポーティなテイストも着たり、色々な服のテイストを持っているのでブランドにこだわりはない。(女子大学生)」といった声が聞かれ、好きなブランドは特になく、ブランドに対する意識は低い様子がうかがえました。総合通販サイトで購入すると、ブランド名ではなくアイテムから探すことが多いためか、どのブランドの服を買っているかをあまり意識しておらず、「好きなブランドは特になし」の方が増えています。また、様々なファッションテイストを着回すからこそ、ブランドよりテイストを重視しているようです。

4 服を買うときはトレンドより「自分に似合うか」を重視。
骨格診断、パーソナルカラーなどを通じて「似合う」の精度を高める。

次に、服を購入するときに重視する点を聞いたところ、1位「デザインの良さ(63.9%)」、2位「サイズ感(55.1%)」、3位「着回しがしやすい(44.9%)」となりました。一方、「トレンドである(18.0%)」は全体の11位となり、トレンドよりも「自分に似合うか」を重視しているようです。
グループインタビューでは、「Instagramや動画配信サービスで見た骨格診断を参考に自己診断をした。骨格ウェーブであることが分かったので、その骨格に似合うファッションを探すようになった。全身で写真を撮ることが多いので、スタイルが良く見えるようにしたい。(女子大学生)」、「パーソナルカラーと骨格診断を参考にしている。失敗せずに自分に似合うものを選ぶために、情報収集を念入りに行う。(女子大学生)」といった声が聞かれました。Z世代の消費価値観の特徴として「間違えたくない消費」がありますが、ファッションにおいてもお買い物の精度を高めるために、自身の骨格やパーソナルカラーなどを診断を活用することが増えています。またそのモチベーションとして、写真や動画で全身を撮影際に、自分のベストのスタイルが実現できることを重視する人が多いと考えられます。

服の重視点

※骨格診断とは、生まれ持った体のラインに合わせて、自分に似合う服や着こなしを診断する方法です。2020年12月に発表したSHIBUYA109 lab.トレンド予測2021でも骨格診断が選ばれました。
参照’参照:https://shibuya109lab.jp/article/201208.html

骨格診断

5 ファッションの情報収集も検索も1位はInstagram。ネット通販は検索ツールとしても利用。店舗は友達との買い物を楽しむ場となり、ファッションの買い物はエンタメ化。

「自分に似合うかどうか」を重視するZ世代は、どのようにファッションの情報収集をしているのでしょうか。ファッションに関する普段の情報収集とファッションアイテム購入時の検索方法について聞いたところ、普段の情報収集では、1位「Instagram(83.4%)」、2位は同率で「動画配信サービス(40.5%)」、「友達・家族(40.5%)」、3位「TikTok(33.7%)」となりました。
一方、購入時の検索方法では、1位「Instagram(47.8%)」、2位「通販サイト(45.9%)」、3位「ブランド公式HP・SNS(41.6%)」となりました。Instagramは情報収集でも検索でも使われていますが、情報収集では日常的によく見るSNSが多く上がり、購入検討における検索となると通販サイトやブランド公式HP・SNSなど、より商品の詳細情報を取得できる媒体が上がり、普段の情報収集と購入時の検索でフェーズに合わせてツールを使い分けていることが分かります。

情報収集源

グループインタビューでは、「普段からよく見るInstagram、TikTok、動画配信サービスなどで、気になったものは保存機能やスクリーンショットを使ってストックしている。遊びに行く時もそのストックを見ながら、『この服を着てここに遊びに行こう』と友達と相談する。服が欲しくなった時は、Instagramの発見タブ(虫眼鏡欄)で探すことが多い。あとは通販サイトでいいと思ったらとりあえず保存をして、後から見返してやはりいいなと思ったモノを買う。(女子大学生)」と、普段から情報をストックし、欲しくなれば詳細を検索するといった声が多く聞かれました。
また、店舗とネット通販の利用目的についてそれぞれ聞いたところ、店舗は、1位「友達と買い物(75.1%)」、2位「一人で買い物(63.4%)」、3位「試着をする(41.0%)」となり、友達との買い物で店舗を利用する人が多いことが分かり、試着をするなど購入前の確認のためにも利用していることが分かりました。

店舗目的

ネット通販については、1位「一人で買い物(65.4%)」、2位「一人でネット通販サイトを見る(40.5%)」、3位「新しい商品の発見(33.7%)」を利用目的としており、一人で買い物をするだけではなく、商品を検索したり口コミを確認するなど情報収集ツールとしても使用されていました。

ネット目的

グループインタビューでは、「普段から事前にブランド通販サイトやSNSなどで欲しい商品を探し、カメラフォルダーやInstagramの保存機能で欲しいモノリストを作っている。その中から本当に欲しいものを店舗で確認して買う。(女子大学生)」、「服を買うのは店舗が8割、通販が2割。まず、サイズ感や色合いを確認したいので店舗に行く。店舗の場合、友達と話しながら買い物をしたり、店員と話すことでその服のバッググラウンドなども知ることができ、愛着も沸くので好き。確認した商品が通販で安く売っていれば通販で買う。」「通販の方が探しやすく、買いに行く手間も省けるので1人で買う時は通販を使うことが多い。しかし、友達と買い物をするために店舗も行く。友達と買い物に行くとアドバイスも聞けるので良い。(男子大学生)」といった声が聞かれました。店舗は商品を実際に確認する、試すといっただけではなく、友達と遊びに行くなどの買い物体験を楽しむといったエンタメとしての利用も見られました。通販は価格の安さや買いに行く手間を軽減出来るといった購入のしやすさだけではなく、情報量の多さや検索のしやすさといった検索ツールとしての役割でも利用されています。
Z世代は事前の情報収集や検索を念入りに行い、店舗と通販も使い分けながら、失敗しないように買い物を楽しんでいるようです。

6 SHIBUYA109 lab.所長が分析!体験から逆算してファッションを選ぶZ世代。「コミュニケーションの円滑化」がモチベーション

グループインタビューで聞かれた、「過去にSNSで投稿した服装と被っていないかを確認する」や「ファッション系統を合わせると、写真を撮影したときに仲良さそうに見える」といった回答からは、Z世代にとってファッションとSNS上でのコミュニケーションの結びつきが強いことを改めて確認できました。
SNSネイティブである彼らは、SNSのアカウントを複数持ち、各アカウントで繋がっているフォロワーとの関係性に合わせてコミュニケーション(投稿内容等)を変化させています。
ファッションもSNSアカウントと同様に、遊ぶ相手や行く場所に合わせて変えることで「相手との関係性をより彩るツール」として活用されています。SNSによって自己表現方法が細分化・多様化し、ファッションの位置づけも変化していることから、今後企業は「Z世代がどのような体験に価値を感じているか」から逆算したアプローチが必要となるでしょう。



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