株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキューラボ)』は、15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代の恋愛・結婚観に関する意識調査」を行いました。
近年、「若者の恋愛離れ」などもささやかれていますが、実際にZ世代はどのように恋愛、そして結婚を考えているのでしょうか。一都三県に住む男女を対象とした定量調査と、定性調査を実施しました。
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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2022年11月〜12月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用(SHIBUYA109 lab.調べ GMOリサーチ プラットフォーム利用の調査)
居住地:一都三県
性別:男女
年齢:15~24歳
対象:高校生・大学生・短大・専門学校生
回答者数:400名(男性200名/女性200名)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件:大学生 男子3名、女子4名 2G 合計7名
・その他過去定性調査をもとに考察
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今年もバレンタインデーが近づいていますが、Z世代が次のバレンタインデーにプレゼントを贈る相手の順位は「仲の良い友だち・親友」(24.8%)「家族」(16.3%)、「恋人」(14.0%)の順に多く、バレンタインデーは “友チョコ” がメインになっています。
Z世代に恋人の有無を聞くと、現在恋人がいると回答したのは20%、これまで一度も交際経験がないのは49.5%となりました。恋愛に対して「必要不可欠である」と考えるのは12.8%で、60.3%のZ世代が「恋人の有無はステータスに関わらない(恋人がいることはステータスである、ということではない)」、57.5%が「恋人の存在は自分の人生に必ずしも必要ではない」と回答しています。
実際にグループインタビューでも、「恋愛できたら楽しそうだけど、今は部活や勉強もある。それができなくなるなら今は恋愛はいらない」「恋人はいればいいけど、いなくても自分にお金が使えるから良い。自分から彼氏が欲しいとは思わない」「恋人がいたらいたで、いなかったらいなかったでいい。めちゃくちゃタイプの人がいたら恋人にしたいけど」「良いなと思う人がいないなら恋人はいらない」といった回答が聞かれました。
さらに、日常生活の中で大事にしていることを見てみると、「友達との遊びや付き合い」(55.3%)「進路・学業」(51.3%)「趣味・習い事」(49.3%)「ヲタ活」(43.0%)「部活動・サークル」(33.5%)「恋愛・結婚」(29.3%) となり、Z世代は日常的に趣味や学業、友だちとの遊びなど、多くのことを楽しんでおり、恋愛はあくまでその中のひとつとして捉えていると考えられます。
こういった結果から、Z世代は、友人関係や趣味も恋愛と同等に楽しみ、「人生において恋愛はすべきもの」という意識から「人生において大事なものが恋愛である必要がない」という意識に変化している傾向があります。
あくまで人生の楽しみの1つとして恋愛を楽しむZ世代。そんなZ世代はどのような恋愛を楽しんでいるのでしょうか。恋愛対象になる相手を探すにあたって、出会ったり使ったことのある場所・ツールを見てみると、「学校・サークル」(47.5%)「Instagram」(19.8%)「アルバイト・インターン先」(11.5%)が上位となりました。また、出会う場所、アプローチする場所に関しては、高校生は他の年代にくらべて「Instagram」の割合が高くなっています。
SNSでチェックする項目は、「趣味・好きなこと」(48.3%)「交友関係・共通の知り合い」(28.5%)「日常生活(日課・よく行く場所)」(28.3%)となっており、話しかけるきっかけとなる趣味を知る目的や、交友関係を把握するツールとして使われていることがわかります。
グループインタビューでも「共通の知り合いがおらず、相手がどういう人かわからないマッチングアプリよりも、共通の知り合いがいてどんな人なのか“口コミ”を知ることができるInstagramのほうが恋人探しには良い」「Instagramでつながる時は、共通の知り合いがいないと興味がわかない」「友達ではなくても、Instagramでつながって、良い雰囲気になったことがある」という意見が聞かれ、SNSを通じて、友人関係の一歩外側にいる人とゆるくつながり、友人の口コミ情報の収集等を経て交際に発展している事例も多いようでした。
アプローチする方法としてしたことがあることについて聞いてみたところ、「アプローチは特にしたことがない」(38.3%)が最も多くなりました。
グループインタビューでは、「友だちがSNSでのアプローチをきっかけに好きバレして、相手に傷つけられたことがあるのでしたくない」「文面でやり取りを残したくないので直接話す」「好きバレすると相手も気まずいので嫌だ」という意見が聞かれ、アプローチによって好きバレ(=相手に自分が好意を持っていることがバレること)することを極端に避けたり、好意がある表現がSNS上に残ることを避けたりする傾向がありました。
一方、アプローチ方法の内容を、高校生/大学・短大・専門学生で比較すると、高校生は、Instagramをより一層活用しているというのもポイントです。「Instagramで “一言”を募集して、そこから会話をはじめる」という発言が多数聞かれ、「一言」(下図参照)という一見ナチュラルな投稿から、距離感を縮める若者が多いようです。
@sh__ddney 好きな人のインスタばり見ちゃうよねwwww#あるある #片想い ♬ オリジナル楽曲 - になに【続きはyoutube】
@koikousei 共感できるのあった?#恋愛 #共感 #恋愛あるある #インスタ ♬ No Regret - wacci
@kaka_shimai 好きな人の親しい友だちに入ってないの知っちゃうの悲しすぎん?#片思いあるある ♬ 2022 - KOIN
交際後、恋人やデートの様子を投稿することについて、「Instagramのストーリーなど、一定時間で消えるところに投稿する」ことに抵抗を感じないのは33.3%、「フィード投稿など残る場所に投稿する」ことを抵抗を感じないのは29.3%と、微妙な差があるものの、約3割がSNSに恋愛に関する投稿をすることに抵抗がないことがわかります。
結婚願望についても触れていくと、「絶対に結婚がしたい」と回答したのが16.3%、「結婚願望はない」と回答したのが18.8%となりました。
グループインタビューでも「結婚はしたい人がすればいい。今は誰かと結婚したいとは思わない。何歳までに結婚したいというのもない」「結婚は大変そう。結婚では自分は幸せになれなさそう」「好きな人がいるならいいけど、適齢期だから妥協して結婚するのは嫌。子どももいらないから籍を入れる理由がないし、離婚は大変だから付き合っているだけでいい」という意見が聞かれ、結婚に関しても「すべき」という価値観から開放され、「人生のゴールは結婚じゃなくてもいい」という価値観があるように見えます。
結婚に対して、何かしらのハードルを感じると答えたのは85.0%、最も多かったのは「金銭面の準備」(50.8%)となりました。実際にグループインタビューでは「社会人になってバリバリ働いて自分に使いたいし、養われたくない」「結婚は楽しそうだけど、出来ないことが増えそう。子どもが出来たら仕事も制限されるのが嫌だ」など、仕事と家庭の両立に不安を感じる意見が女性を中心に多く聞かれました。
子育てについて、「現時点では子育てをするイメージはない・子どもはいらない」と回答したのが33.5%となり、Z世代の約3割は子どもを持つことに消極的なようです。グループインタビューでは「相手の協力次第。自分の負荷が重いならいらない」「出産は大変そうなイメージ」と、ここでも、仕事と家庭の両立への不安が見られました。
一方で、子育てについて自分自身も育休を取りたいと考えたZ世代は女性で92.7%、男性で85.9%となりました。「育休を取りたいが仕事に穴をあけることのほうが不安は大きい」と回答したのは61.2%、「職場の先輩が取っていなくても取得したい」と回答したのは77.8%となりました。2022年に男性育休に関する法改正も行われましたが、法制度だけではなく若者の価値観としても、男性の育休取得に対する意欲が根付いていることがわかります。
最後に、結婚や子育てに関して、どのような情報によって「ポジティブ・ネガティブなイメージ」をそれぞれ持っていると思うか、メディアごとに見たところ、それぞれ真逆のメディアが該当し、ポジティブなイメージは「Instagramの投稿」(43.5%)や「動画配信サービスの動画」(29.5%)、ネガティブなイメージは「TVや新聞などのマスメディアの報道」(25.3%)、「Twitter」(23.8%)から取得していることがわかります。
グループインタビューでは「Twitterで不倫された人の投稿を見て、結婚は大変そうだと思った」「TikTokのカップル配信者の私生活を見ている。2人のやりとりにキュンとする」などの意見がありました。
Z世代の間では、Instagramのアカウントは自己紹介ツールとしても活用されているため、恋愛も含め、新たな出会いにおいて相手を知るきっかけになっています。SNSで投稿された写真や動画から、趣味や好きな世界観、交友関係が共有されており、相手との共通点や共感ポイントを事前に把握できることが魅力です。また現在、少子化対策の強化について注目が集まっていますが、Z世代は子育てにおいて、仕事との両立や育児休暇の取得の可否等、子育てをしやすい環境の実現に対して不安を感じていることがわかりました。結婚後も共働きが当たり前であり、性別問わず社会で活躍している今、金銭面だけでなく社会全体のサポート環境の整備が急がれます。
また、人生における優先事項も多様化したことで、“恋愛や結婚・出産を選択しないこと”も選択肢の一つです。彼らは個々が「自分らしい幸せ」を尊重できる社会を望んでいます。
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