株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』は、15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワーク(SHIBUYA109 lab.MATE)によるインタビューから「Z世代の動画コミュニケーションに関する意識調査」を行いました。
InstagramやTikTokでもショート動画で情報収集をしたり、友達へのプレゼントでも動画編集をしたりと、動画を用いたコミュニケーションや情報収集が定着している中、デジタルネイティブであるZ世代はどのように動画をコミュニケーションツールとして楽しんでいるのでしょうか。around20(15~24歳)を対象に、Z世代の動画コミュニケーションに関する調査を行いました!
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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2023年7月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用(SHIBUYA109 lab.調べ GMOリサーチ プラットフォーム利用の調査)
居住地:一都三県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)
性別:男女
年齢:15~24歳
対象:高校生・大学生・短大・専門学校生
※本調査対象者は動画編集経験がある人
回答者数:424名(男性213名/女性211名)
※スクリーニング設問に関しては回答者数1102名(男性630名/女性472名)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件:女子学生4名
・その他過去定性調査をもとに考察
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動画編集経験について聞いてみると、女子高校生以外の属性では約4割程度が「動画編集をしたことがある」と回答しました。女子高校生では動画編集経験者は53.9%となり、半数以上が動画を編集したことがあることがわかります。動画編集を始めた時期としては、高校生が「中学生(58.3%)」、大学生・短大・専門学校生が「高校生(42.3%)」と回答し、数年単位で動画編集に慣れ親しんでいます。
グループインタビューでも「小学校6年生の頃に動画SNSで歌詞動画をつくるのが流行し、自分も歌詞動画編集をはじめ、中学校では誕生日に動画を送り合うようになった(大学2年生)」といった声が聞かれ、SNSに触れ始めた頃から動画がコミュニケーションツールとして身近にあった様子がうかがえました。
実際に、動画編集を始めたきっかけを聞いてみると、「友達や家族などのお祝い・プレゼントとして(22.6%)」「ヲタ活の一環として(20.5%)」「暇つぶしや趣味として(20.0%)」という回答が多くなっています。
グループインタビューでは、「みんな部活の引退や友達の誕生日のときに動画を作って送り合っていた」という声があり、誕生日やイベントに合わせて手作りの動画を送り合う文化が広く一般的になっているほか、「部活のマネージャーは、新歓のために動画を作らなければならず、大変だと言っていた。動画編集も部活の一環」「サークル活動で動画を沢山作らされた」など、部活動にも動画が活用されていることがわかりました。
動画編集をしたことがあるもの(目的としてあてはまるもの)についても「暇つぶしや趣味として(50.5%)」「友達や家族などのお祝い・プレゼントとして(43.6%)」「学校での授業・行事の一環として(41.5%)」「自分のSNSに投稿するコンテンツとして(40.8%)」「ヲタ活の一環として(36.3%)」が上位となり、日常の様々な場面で動画を用いたコミュニケーションが浸透していることがわかりました。
動画を編集・投稿する理由を聞いてみると「思い出を記録したいから(37.7%)」「動画編集が好きだから(37.7%)」「身近な人に喜んでほしいから(29.0%)」が上位にあがりました。頻繁に編集する動画ジャンルでも、「友達との思い出」が28.1%で最も多くなっています。
グループインタビューでも、「動画はその日の思い出がぎゅっと詰まっている感じが好き。見ていると、一日のことを全部思い出せる。動画を作ると周りの人も喜んでくれるし、動画編集自体も好き」「遊んだ後は色々な写真をInstagramに投稿したいけど、沢山載せるとウザいと思われそうだし、写真を選びきれない。動画だと1つにまとまるし音楽もつけられるので良い」という声が聞かれました。Z世代にとって動画を編集しSNSに載せることは、日常の思い出を記録する手段として利用されているようです。
また、「動画編集力は将来役立つスキルだと思う」と回答したのは約8割になりましたが、「将来はインフルエンサーや動画クリエイターになりたい(31.4%)」「将来は動画編集力を活かした仕事に就きたい(29.2%)」という回答は約3割に留まっています。Z世代にとって、動画編集は仕事に活かすというよりも、日常生活の中で生かせるスキルだと考えているようです。
動画編集にかけているお金に関して、全体では「お金は使わない(55.0%)」が最多の回答でした。お金をかけていること「特になし(60.8%)」、お金をかけたいこと「特になし(52.1%)」という回答が最も多いことから、動画編集はお金をかけずに日常的に楽しむアクティビティになっているようです。
実際に動画を作る上で、「動画の撮影から編集までスマホ1つで完結している」と回答したのは71.2%となりました。特に女性は81.5%と非常に高い割合になっています。
グループインタビューでも、動画編集に使うアプリとして「撮影は全部iPhoneのカメラで、編集はCapCutのみ使っている」など、スマホアプリで編集を行う姿が見られました。
動画編集にかける時間も「1時間~2時間未満(23.1%)」「30分~1時間未満(22.9%)」という回答が多く、約7割程度が2時間以内に気軽に動画を編集しているようです。
編集する動画の尺についても男女で違いがいくつか見られました。まず、自分がよく編集する動画の尺は、全体では「2分~5分未満(17.2%)」が最も多い回答となり、男性も同様に「2分~5分未満」が22.1%で最多となった一方、女性は「20~30秒未満」が16.1%で最も多く、全体と比較すると短めである傾向がわかります。
動画をよく投稿している場所として、全体では「Instagramのメインアカウント(22.6%)」「Instagramのサブアカウント(17.7%)」「動画配信サービス(ショートではない)(11.6%)」という回答が多くなりましたが、男性は「Instagramのメインアカウント(24.9%)」「動画配信サービス(ショートではない)(19.7%)」「Instagramのサブアカウント(12.7%)」、女性は「Instagramのサブアカウント(22.7%)」「Instagramのメインアカウント(20.4%)」「TikTokの自分のアカウント(9.5%)」と順位に違いが生まれています。
動画編集方法について知る情報源についても、男性は「動画配信サービス(ショート以外)(42.3%)」が最も多くなったのに対して、女性は「TikTok(42.2%)」が最も多くなっています。ショート動画だと思う尺の目安についても男性は「45~60秒未満」が31.5%で最も多くなったのに対し、女性は「20~30秒未満」が29.9%が最も多くなり、女性の方が「ショート動画」について少し短いものをイメージしていることがわかります。同じ短い動画についての話題でも、男女でイメージする長さや投稿するプラットフォームが異なっていることがわかります。
動画を編集する際に意識していることを聞いてみると、「テンポ感・カット数(39.6%)」「飽きずに見られるか(36.8%)」「雰囲気や世界観が合っているか(32.5%)」が上位の回答になり「自分や友達が盛れているか(16.0%)」といった項目よりも重視されていることがわかりました。
グループインタビューでも、「音と動画の動きがズレるとすごく嫌」「最初に思わず目にとまるような写真を載せる」「長尺で動画を撮っていても、同じ画角の動画が続くと見飽きられるので、良い瞬間だけを切り出して載せる」「写真は1秒以内に切り替えるように設定する」「TikTokは音ハメが大事」など、テンポや飽きずに見てもらうためのこだわりを語る姿が見られました。
自分が視聴してみようと思う動画については「雰囲気が自分好み(67.5%)」「自分の求めていた情報である(42.9%)」「推しである/外見が好みである(41.0%)」が重視されており、最後まで視聴する動画についても「自分の求めていた情報である(43.4%)」「雰囲気が自分好み(39.6%)」「推しである/外見が好みである(38.9%)」と似通った要素が重視されていることがわかります。
「動画の雰囲気(エフェクトやフォントなど)から動画の内容もなんとなく判断できる」と回答したのは約半数以上となり、グループインタビューでも「私はアイドルに興味がないので、アイドルのヲタ活っぽい雰囲気がある動画はスワイプする。ハートやピンクのエフェクトがついていたり、音楽がある程度決まっていたり、雰囲気や音楽ですぐに(その動画の内容も)わかる」という声がありました。Z世代は動画の雰囲気を素早く感じ取ることができ、動画コミュニケーション力が高いことが感じられます。
かつて動画編集はクリエイターを目指すなど一部の人だけのものでしたが、幼いころから慣れ親しんできた今のZ世代にとって、動画編集は特別なスキルではありません。編集アプリも発達し、スマホ一台で無料で誰でも動画が作れてしまう今、身近なコミュニケーション手段の一つです。
そして、動画を介したビジュアルコミュニケーションにおいて、彼らは「クオリティ」よりもテンションとの「フィット感」の高さを重視しており、この「フィット感」は動画のテンポやエフェクトなどの細かい部分から判断しているようです。動画を用いたビジュアルコミュニケーションや情報収集が加速しており、企業のマーケティング活動においても「動画コミュ力」が求められていますが、彼らのテンションを掴み、適切な形でアウトプットするスキルが必要です。
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