株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』は、Z世代である現役高校生を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワーク(SHIBUYA109 lab.MATE)によるインタビューから「Z世代の部活動に関する意識調査」を行いました。
高校生活の中でも多くの人が経験する部活動。今のZ世代の現役高校生は部活動に何を求めているのでしょうか。人気の部活動ランキングから理想の先輩像まで、Z世代高校生の部活動について、一都三県に住む男女を対象とした定量調査と、定性調査を実施し明らかにしました。
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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2023年8月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用(SHIBUYA109 lab.調べ GMOリサーチ プラットフォーム利用の調査)
居住地:一都三県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)
性別:男女
年齢:15~18歳
対象:高校生
回答者数:439名(男性200名/女性239名)
※文化部または運動部に所属している方が本調査対象者
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
※SC回答はn=942(男性283名/女性659名)
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
グループインタビュー
対象者条件:男子4名、女子4名 2G 合計8名
※その他過去定性調査をもとに考察
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Z世代の部活動について調査したところ、現役高校生の部活動加入率は男性は75.3%、女性は74.1%となり、男性は文化部が約2割、運動部が約5割、女性の場合は文化部が約3割、運動部が約4割という結果となりました。
実際に所属していた部活動で多かったのは、文化部では「吹奏楽(19.8%)」「料理(9.6%)」「書道(6.8%)」「パソコン・プログラミング(6.2%)」「写真(5.6%)」、運動部では「陸上(12.2%)」「テニス(11.5%)」「バドミントン(11.5%)」「バレーボール(11.1%)」「サッカー・フットサル(10.7%)」となりました。男女で分けてみてみると、男性は「サッカー・フットサル(12.0%)」「陸上(9.0%)」「卓球(7.0%)」が多くなっており、女性は「吹奏楽(10.5%)」「ダンス(9.6%)」「バドミントン(8.4%)」が多くなっています。
憧れの部活動は、男性が「サッカー・フットサル(20.5%)」「野球(16.0%)」「バスケットボール(15.5%)」、女性が「ダンス(41.8%)」「チアリーディング(28.5%)」「吹奏楽(18.4%)」となり、人気だと思う部活動については、男性が「サッカー・フットサル(45.0%)」「バスケットボール(36.5%)」「吹奏楽(32.0%)」、女性が「サッカー・フットサル(47.3%)」「ダンス(46.4%)」「バスケットボール(44.8%)」が上位になりました。
部活動に入る理由について聞いてみると、「放課後の時間を充実させたかったから(30.3%)」「過去同じ部活動をしていたから(28.2%)」「仲が良い友達が欲しいから(26.9%)」などの理由が挙げられています。
平均的な活動頻度を聞いてみると、全体では「週5~6回(37.4%)」が最も多くなりましたが、運動部と文化部で分けてみてみると、運動部は「週5~6回(49.2%)」、文化部では、「週1~2回(36.2%)」という回答が圧倒的に多くなりました。部活動の頻度について、「適切だ」と考えるのは68.6%(運動部66.1%、文化部72.4%)となり、過半数が部活動の頻度について満足しながら活動しているようです。
また、SNSアカウントがある部活動に55.6%の回答者が所属していますが、運用目的として「校外の生徒にも活動を知ってもらうため(23.5%)」「活動の内容や思い出を記録するため(21.9%)」「校内の生徒に情報を発信するため(21.4%)」と回答しています。
部活動を選択する上で重視していたことを聞いてみると、全体では「部員同士の仲が良い(47.2%)」「自分の好きな競技や活動内容である(46.0%)」「先輩後輩の仲が良い(37.1%)」という回答が多く、運動部では「部員同士の中が良い(50.4%)」ことが最も重視されており、文化部では「『ゆるい』部活である(49.2%)」が最も重視されていました。
実際に所属する部活動の特徴も聞いてみると、「自由な雰囲気である(53.3%)」「人間関係が良好である(51.3%)」「先輩後輩の仲が良い(51.0%)」などが挙げられています。
部活動をするモチベーションとしては、「部活内に仲がいい友達がいる(48.3%)」「自分の成長を感じられる(37.6%)」「その競技を極めたい・競技が好き(31.9%)」などが挙げられ、活動内容はもちろん、部活動に関しては人間関係がとても重要であることがわかります。
実際にグループインタビューでも、「部活が終わった後に、全員でお菓子を食べながらおしゃべりする時間が毎日あるが、それを楽しみに部活に行っていた」という声がありました。
「部活動にもう少し『ゆるさ』がほしい」という質問に対し「あてはまらない」と回答したのは64.4%、「部活動にもう少し『厳しさ』がほしい」という質問に対し「あてはまらない」と回答したのは75.1%とともに過半数を超えており、多くの現役高校生は今の部活動の環境に満足していると考えられます。
Z世代にとって、どのような部活を「厳しい」と感じるのかについても聞いてみると、「怒鳴られることがある・多い(46.0%)」「顧問やコーチが主導権を握っている(41.5%)」「練習頻度が高い(39.9%)」などが挙げられていました。
実際にグループインタビューでは「自分の学校で『厳しい部活』と言われている部活は、顧問がすごく怖い部活のことだと思う」「自分の部活は『厳しい』部活だと思うが、後輩がさぼらないように出席状況や練習姿勢をみていて、気を抜いていたら先輩が注意する」といった声がありました。
逆にどのような部活を「ゆるい」と感じるのかについては「自由な時間が多い・部活に関係ない話がしやすい(52.4%)」「練習頻度が低い(45.8%)」「練習時間が短い(42.1%)」と考えているようです。
部活動の雰囲気と実績についても聞いたところ「たとえチームに亀裂が入ったとしても実績を残す努力をすべきだと思う」と回答したのは39.1%、「チーム実績よりもチームの調和や仲の良さを重視したい」と回答したのは、67.9%となり、チームの成果よりもやや雰囲気を重視する傾向があることがうかがえます。さらに、組織の在り方として理想的だと思う状態については「皆の仲が良い(57.9%)」「仲間同士で信頼・安心し合える(53.5%)」「団結力がある(51.3%)」といった回答が多く、「実績を残している(37.6%)」といった項目よりも高い数値になっており、ここでも部活に求められているのは良質な人間関係であることがわかりました。
インタビューでも理想の組織について聞いてみると「(強いチームにも憧れはあるものの)仲は悪いけど全国1位!みたいなのは良いとは思わない」「同じ目標に向かってモチベーションを高め合っていけるチームがいい。強いのも大事だと思うが、後で思い返して楽しかったなと思えるのが一番」といった声が聞かれました。
また、理想の先輩像に関しては「気軽に相談しやすい(59.2%)」「丁寧に教えてくれる(58.1%)」「分かりやすい言葉で説明してくれる(48.1%)」などの項目が上位に挙がっており、後輩に寄り添うリーダーシップが求められていることがわかります。この傾向は、過去に行った仕事に関する調査(※1)でも同様の傾向が出ており、Z世代は「寄り添い型」リーダーシップを求めていることがわかります。
実際にグループインタビューでも、「理想の先輩は、性格が良くて何でも相談に乗ってくれる人」「練習できついことがあった時に、『自分もそういうことがあった』と言って理解してくれると結構救われる。結果を出すとか練習に出るとかは当然だが、後輩の理解者になってくれる先輩がかっこいい」などの声が聞かれました。
最後に、「自分の部活は『ブラック部活』だと思う」について「あてはまる」と回答したのは約3割でした。
実際にグループインタビューや定量調査で得られた自由回答では、不満を感じるルールとして「水分補給のタイミングが決まっていて、全員同じタイミングで飲む。それ以外は飲めない」「軽い楽器の人はエレベーターを使ってはいけない」などの声があったほか、男性は坊主、女性はショートカットなど、厳しい身だしなみの制限が設けられているケースがありました。
グループインタビューでは、運動部・文化部、強豪校であるかなどによって部活動の実態に違いが見られましたが、 全体的に「伝統的なしきたり」が代々受け継がれ、カルチャーとして残っている様子が見られました。 高校生のコミュニティは学校を中心に構成されていて、大学生・社会人と比較してクローズドで拡散性が低いことから、 ルールの刷新等に関する視点が生まれにくい状況が見受けられます。 そんな中でも、部活のSNSアカウントを運営し、他校の部員や学生との緩いつながりを作るケースも増えていることから、 部活動の在り方が変化するきっかけになるかもしれません。 そして、高校生にとっての「理想の先輩像」は、1月に実施したZ世代社会人を対象にした調査の「理想の上司像」と ほぼ同じ結果となりました。「周囲を引っ張っていく」リーダーシップから「寄り添い型」リーダーシップへの変換が求められます。
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