株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』は、20〜24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代のナイトタイムエコノミーに関する意識調査」を行いました。
まず、今年の夏の、夜の時間帯(18:00以降)の予定を見てみると、Z世代の「夜の時間帯のお出かけや遊びの予定についてのモチベーション」は上昇傾向であるということが分かりました。
お出かけ・遊びをする際に使う金額の時間帯別平均を見てみると、日中の平均金額は4,232円であるのに対し、夜の平均金額は4,830円となっています。このことから、日中よりも夜の方が平均金額が約600円高いとわかります。
お出かけ・遊びをする時間帯として、夜である理由や夜が適していると思う理由を聞いてみると、「日中は暑いから(30.0%)」、「夜でないと予定が合いづらいから(23.2%)」、「日中は用事があるから(21.5%)」が上位となる一方で、「出会いがあるから(4.0%)」が少なくなっています。
■SHIBUYA109 lab.所長解説:若者の夜のお出かけモチベ上昇傾向の兆し
昨年夏ごろから若者の間でナイトプールや夜カフェなど、夜のシーンの体験がトレンドとして挙がっており、昨年12月に発表した『SHIBUYA109 lab.トレンド予測2024』でも「クラブ」がランクインしています。
では、Z世代は夜の時間帯をどう過ごしているのでしょうか。夜の時間帯のお出かけや遊びについての結果をそれぞれ見ていくと、「実際に自分がしていること・したことがあること」は、「居酒屋(48.7%)」、「カラオケ(45.6%)」、「映画鑑賞(41.1%)」が上位となっているものの、「興味があること・してみたいこと」は、「夜カフェ(27.2%)」、「夜ピクニック(20.6%)」、「バー(20.6%)」が上位となりました。
「自分が体験していることの中でSNSに実際に投稿しているもの」は、「居酒屋(14.4%)」、「ライブ・コンサート(12.8%)」、「ビストロ・お洒落ごはん(11.6%)」が上位となっているが、体験母数に対してどれくらいの割合が投稿しているのか(=投稿率)を見てみると、「夜ピクニック(47.4%)」「ビストロ・お洒落ごはん(43.8%)」「ライブ・コンサート(39.5%)」となりました。
実際に体験する機会とSNSの投稿数には差があり、このことから、実際に体験した事がすべてSNSへの投稿に結び付くわけではないことが考えられます。一方で、「夜ピクニック」や「夜カフェ」など、興味があるものとSNSの投稿率では同じ項目も多く、機会こそ少ないものの興味があるものに対してはSNSで投稿する傾向があることがわかります。
■SHIBUYA109 lab.所長解説:「他者の目線」を意識し戦略的にSNS投稿
Z世代はSNSの投稿で「自分がどうみられるか」を常に意識しています。そのため、おしゃれな雰囲気が演出されている「チル」な体験は積極的にSNS投稿し、「アゲ」な体験は投稿を見た人たちの反応が分かれるため、 仲の良い友達のみ閲覧可能な「鍵アカ」や「Be Real」に投稿する等、SNSで繋がっている相手との関係値に合わせて投稿内容を意図的に変えています。
お出かけをする相手と時間帯について聞いてみると、夜は昼よりも「既に仲が良い相手とお出かけ・遊びをする時間帯」として認識していることもわかります。
また、夜の時間に限らず、人間関係について聞いてみると、深く・狭い人間関係の方を好んでいることがわかります。これらの内容を踏まえると、夜のお出かけは、出会いを目的にしておらず、既に仲の良い友達との仲を深める時間として活用していると考えられます。
■SHIBUYA109 lab.所長解説:少人数で仲を深められる体験を重視
夜のお出かけが増えている理由として、猛暑により日中の外出を控え、夕方以降の活動が中心になっていること、またコロナ禍を経て変化した、彼らのコミュニティに対する意識も影響しています。コロナ禍以降、Z世代たちは「深く狭い関係」を重視する傾向が続いており、気の知れた仲の良い友達との関係を更に深めることのできる対話の時間を求めています。
最後に、夜のお出かけ・遊びに関してあてはまる考えについて聞いてみると、「まだお酒の得意不得意が分からない相手には“飲みに行こう”より“ごはん行こう”と誘うことが多い」が多数派(65.9%)、「夜の時間帯のお出かけ・遊びをする場合でもお酒を飲まないことがある」が多数派(63.3%)、「お酒のペースや注文、お店選びなどはお酒が飲めない人に合わせている」が多数派(59.6%)となり、飲酒が必須でないことや、お酒を飲まない人もいることを前提とした姿勢であることがわかります。
しかし、Z世代が全体的にお酒が嫌いというわけではなく、「自分はお酒が飲むのが好きだ」は半数程度となり、好きな人も嫌いな人も半々であるようです。
■SHIBUYA109 lab.所長解説:「飲みに行こう」より「ごはん行こう」が心地よい
Z世代たちの夜のお出かけに、お酒は必須事項ではありません。インタビューでは、相手がどのくらいお酒を飲むのかを直接確認するよりも、探り合い・察し合いをしている実態が見られました。相手の反応を恐れ、「察し合い」をすることは「拒否回避欲求(拒否されたくない)」傾向が強いZ世代の特徴です。「飲み」ではなく「ごはん」とすることで、選択肢が広がり、拒否されるリスクを軽減させていることが考えられます。
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