株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)』は、15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代の時間の使い方に関する意識調査」を行いました。
SHIBUYA109 lab. 所長 長田 麻衣氏
「若者はタイパを重視する」という分析は様々なメディアでよく目にしますが若者と日々接していると、彼らが常に様々な情報に触れながら、学校、バイト、サークルに就活…と非常に忙しい日々を過ごしている印象を受けます。(参考:スケジュール帳)そんな彼らの時間の使い方や考え方について、調査してみました。
「効率的な時間の過ごし方をしたい」という質問では、「あてはまる」という回答が8割程度となる一方で、「自分が大切だと思う事柄には時間をかけたい」という質問では、「あてはまる」という回答が8割程度となりました。
このことから、効率的に時間を使いつつも、大切だと思うことには時間をしっかり費やしているということがわかります。
実際にインタビューでも「生きる上で、効率は無意識に求めてしまっている気がする。やりたいことも色々あるので削れる部分は削りたい。」「学生生活は今しかないから無駄にしたくないし色々な予定を入れているが、一方で自分が好きなネイルには躊躇なく4時間くらい費やす。好きなことだし非効率だなと思わない」といった声がありました。
一方で、「『タイパ』という言葉を日常的によく使う」という質問では、「あてはまらない」という回答が7割以上となり、「タイパ」という言葉自体はあまり使われていないことが分かります。
インタビューでも「タイパという言葉はあまり使わないし、周りでも言っている人はいない」「企業から最近聞くようになった気がする言葉だ。効率が良い・悪いでみんな分かるから、わざわざ使わない」といった声がありました。
タイムパフォーマンスや、効率的な時間の過ごし方を意識する理由を聞いてみると、「自分の好きな時間を捻出するため(51.6%)」、「1人の時間を作るため(45.3%)」、「何もしない時間を確保したいから(24.7%)」がTOP3となり「沢山の予定をこなすことで充実感が得られるから」の項目よりも高くなっています。
「あなたが効率化したい・時間を短縮したいと思うこと」は、「移動時間(46.9%)」、「勉強・課題(39.3%)」、「食事(一人)(24.3%)」が上位となりました。時間をかけても惜しくないと思うことについては、「睡眠(47.1%)」、「趣味・習い事(34.7%)」、「推し活(33.5%)」が上位となり、この結果から、移動や勉強などの時間短縮を望み、睡眠や趣味などには時間をかけたいという傾向がわかります。
実際に時間を効率的に使うためにやっていることについて聞いてみると、「ながら○○(38.6%)」、「移動時間にやることをすすめる(35.4%)」、「移動時間の短縮(26.5%)」が上位となりました。フリー回答でも同様の質問をした場合には「移動時間」というワードが目立っています。
インタビューでも「電車の乗り換えで時間を巻きたいので、階段に近い号車を覚えておく」「(電車で課題を進めるので)電車に乗っている時間から逆算して、今日はこのくらい課題が進められそうだなど計画を立てる」といった移動時間関連の声がありました。
また、時間の効率化に関連して動画の倍速視聴に関して詳しく聞いてみると、知識や情報を得るためのコンテンツは倍速視聴を、倍速視聴をしないのは10%未満と少数で、2倍速以上の倍速視聴が30%超と多数派となる一方で、映画やドラマでは倍速視聴をしないが40%前後、2倍速以上の倍速視聴は10%程度となりました。このことからコンテンツによって視聴速度が異なることが明らかになり、特に知識・情報系コンテンツの倍速視聴の割合の多さが特徴的であることがわかりました。
グループインタビューの中では「私はTikTokを2倍速視聴している。TikTokに流れてくるものはそんなに大した情報ではないものが多いから、同じものを半分の時間で見れているなと思っている」「個人的に作り手へのリスペクト的な意味で、音楽の倍速視聴はしないようにしようと決めている」「LOOKBOOKや購入品紹介といったコンテンツは商品の着用だけ見れればいいので、そこまで飛ばしてみることはある」などといった様々な視聴姿勢が確認できました。
■SHIBUYA109 lab.所長コメント:マルチタスクが基本。無駄な時間を作らない事前準備
何もしない時間・自分が価値を感じることに充てる時間を捻出するため、そして無駄な時間を過ごすことがないように、移動時間や一人で行動する時間を様々なデバイス・ツールを活用しながらマルチタスクで進めていることがわかります。倍速視聴等の時短ツールはコンテンツのカテゴリによって使い分けがされていますが、1.5倍速以上のスピードで視聴をしています。
Z世代の時間に対する考え方を知るために、「何もしない時間」と「予定の詰め方」について聞いてみると、「何もしない時間が好き」で「予定はあまり詰めたくない」というグループが最も多いことが明らかになっています。
グループインタビューでも「ゆっくり時間を過ごしたい。何もしていない時間が長ければ長いほどいい。」「効率の悪い日を作るために、効率良い日を作って、思いっ切り効率悪い日を楽しみたいみたいな感じ。」といった声がありました。
あらためて、何もしない時間について聞いてみると「何もしない時間が欲しい」に「あてはまる」と回答したのは約7割となりました。Z世代は「効率的」な時間を大切にしつつも、それとは逆の過ごし方にも魅力を感じていることがわかります。
また、「何もしない状態」についての詳細をFAで聞いたところ「SNS」「スマホ」などスマートフォンに関連するワードも目立ち、インタビューでは「なにもしていない時間はスマホを触っている。ただ頭は使わないで済むような連絡やコンテンツ視聴をしている」「デジタルデトックスには興味がある」「あえてスマホを置いて友達と遊びにいったことがあるが、とても心が落ち着いた」など、デジタルデバイスを触っている実態から、一定の距離取ろうとしている様子までうかがえました。
そこでデジタルデトックスについて聞いてみると「デジタルデトックス的な良さを感じながら楽しんでいるもの」は「睡眠(26.9%)」、「散歩(19.7%)」、「友達との会話(18.7%)」が上位に入り、デジタルデトックスを目的にこれから体験してみたいものについて聞いてみると、「自然界隈(16.1%)」、「銭湯・サウナ(10.2%)」、「散歩(10.0%)」が上位となりました。今年のトレンドとも言える自然界隈(※高原や川などの自然を好むコミュニティ界隈のこと。で、自然豊かな場所に出向いた写真や動画に「#自然界隈」をつけて投稿するZ世代が増加している。)にはデジタルデトックス的な良さを感じていることが分かります。
グループインタビューの中でも「1人だとスマホが手放せないけど、家にスマホを置いて友達と出かけて、全くSNSを見ないという遊びをしたことがある。心が落ち着いたから、定期的にやったらいいんだろうなと思っている。」といった声がありました。このような結果から、Z世代にとっては効率的な時間の使い方が当たり前だからこそ、そうではない時間の大切さを感じて 「なにもしない時間」や「デジタルデトックスな時間」の需要が高まってきているといえるでしょう。
■SHIBUYA109 lab.所長コメント:スマホの喧噪を離れて非効率を楽しむ。デジタルウェルビーイングへの意識が高まる
2024年の若者トレンドには、スマホを離れてデジタルデトックスをしに行く体験が多数観測されています。
コロナ明けに急激に増えたコミュニケーションとコンテンツ量に疲れ、「効率的にこなす」ことから一時的に距離を置きたいという意識が高まっていることが伺えます。若者たちはハイスピードなデジタル社会との適切な距離感を模索し、デジタルウェルビーイングを実現しようとしています。
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