SHIBUYA109 lab.

情報源、購入先、決済方法
ファッションアイテムのネットショッピング事情

「デジタルネイティブ」のひと言では見えづらい、ECサイト周辺での行動傾向をひもときます。

こんにちは!SHIBUYA109 lab.長田です。

今回はSHIBUYA109来館者へファッションアイテムのネットショッピングをテーマに、アンケートとグループインタビューを実施。around20(15歳~24歳)の利用傾向はもちろん、ファッショントレンドとの関係性や若者ならではの決済事情が見える結果となりました。

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INDEX 目次

1 「インターネットで服を買う」は完全に定着

皆さんは、インターネットでお買い物することはありますか?

私は年々その頻度が高くなっています。特に購入するのはファッションアイテム。
好きなテイストの服をおすすめしてくれたり、以前購入した服のサイズを表示してくれたりなど、猛スピードで進化していくECサイトを使うと、なんだか賢く買い物できている気がします。

少し前まで、「ネットショッピング=大人の買い方」だと思っていましたが、スマホ世代にとってもネットショッピングは定着したと言えるでしょう。

SHIBUYA109に来ている女子100人に、ネットショッピングの利用状況についてアンケート(以降「around20女子100人アンケート」)を実施したところ、ECサイトを利用してファッションアイテムを購入している人は88%と、約9割に上る結果となりました。

今回は、ネットショッピングの利用事情から、若者の今をお伝えいたします!

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■参考データについて
①「around20(15〜24歳)女子100人アンケート」
実施期間:2018年3月
対象者:SHIBUYA109 来館者N=100

②グループインタビュー
実施期間:2018年4月
対象者:SHIBUYA109 lab.の保有する独自ネットワーク 女性 N=10
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2 購入だけでなく情報収集の場としても活用されるECサイト

グループインタビューで利用実態を聴取したところ、ECサイトでは商品を購入するだけでなく、ファッショントレンドの情報収集に使われていることがわかりました。
また、LINE@やInstagramなどのSNS、あるいはECサイトから派生した情報提供サービス(wearなど)も多く、接触機会そのものが増加しているようです。

では、彼女たちがよく利用しているのはどのECサイトなのでしょうか。
「around20女子100人アンケート」では、以下の結果となりました。

ファションアイテムを購入するサイト(複数回答/n=100)

※選択肢のECサイトについては、複数回の独自調査を基に選定しています。

最も利用者が多いのはZOZOTOWN(55%)、次いでGRL(28%)、SHOPLIST(25%)、韓国系ECサイト(22%)と、ZOZOTOWNの利用者は半数を占めています。2位以降を見てみると、低価格で購入でき、かつ海外のブランドを取り扱っているECサイトが多い点が特徴的です。

4位にランクインしている「韓国系ECサイト」については、特定の大規模なサイトというよりも、複数の小~中規模のECサイト(17kg(イチナナキログラム)、KONVINI、mixxmixなど)の名前が挙がりました。
韓国のファッションブランドは、まだ日本に上陸していないことが多く、おのずとインターネットで購入することになります。
このように、ファッショントレンドが若者のネットショッピングの利用傾向に影響を与えていることも考えられるでしょう。

2 第3次韓流ブーム到来中。情報の収集ツールはやはり…

今、around20の間で「第3次韓流ブーム」が来ていることをご存知ですか?
「韓流ブーム」と聞くと、アーティストやドラマを思い浮かべる方が多いかもしれません。最近では、加えてファッション、コスメ、カフェなど、様々な韓国のコンテンツが日本の若者たちの心を掴んでいます。
そして彼女たちが韓国情報の収集に使っているツールは、やはりInstagramです。

韓国のファッションアイテムの魅力は「安くてかわいいこと」。
これはファストファッションブランド慣れしている若者にとって当たり前のことです。一方韓国のファッションアイテムに向けられた「かわいい」は、単に商品のデザインだけではなく、各韓国ブランドのInstagramでの見せ方(投稿写真)にもおよんでいます。

実際に韓国のECサイトの認知経路について聴取してみても、Instagramによるおすすめ投稿やおすすめアカウント、タイムラインに流れてくる広告で知ったという声が多く、商品の見せ方や色味に興味を持ち、ECサイトへ遷移していることが多いようです。

Instagram検索機能_#韓国通販

2 決済方法はまだ現金派が多数

さて、around20がECサイトを利用する際、決済はどのようになされているのでしょうか。20歳以上であればクレジットカードでの決済をイメージできますが、クレジットカードを持つことが難しい10代の決済方法は見えづらいですよね。

「around20女子100人アンケート」では、以下の結果となりました。

ECサイトで買い物をする際の決済方法(複数回答/n=100)

ネットショッピング時の決済方法で最も多いのは「コンビニ支払い (53%)」、次いで「代引き支払い(29%)」「自分のクレジットカードで決済(16%)」。上位2件で82%と、現金での支払いが圧倒的に多いことが分かります。

また、「親のクレジットカードで決済」については14%となりました。親に買ってもらっているように見えますが、それだけではありません。
グループインタビューで見えてきた「親のクレジットカードで決済」の内訳を図にしてみます。

ネットショッピング利用時に親のクレジットカードで決済する場合の主な流れ

まず、アカウントの使い方は以下の2パターンです。
・自分のアカウントで購入する
・親に商品情報を送り、親のアカウントから購入する
ECサイトの顧客情報だけでは予測しづらい実態が明らかになりますね!

決済後の親への支払いについては、もちろん「親に買ってもらう(自分でお金は払わない)」といううらやましい実態もありつつ、「母親のクレジットカードで決済し、その分の現金を渡す」という声もあります。
また、キャッシュレスでの支払いについて聞き込みを行ったところ、一部の若者は「クレジットカートを使うこと=お金を借りること」と、抵抗感をもって捉えていることもわかりました。

「キャッシュレス化」が他国よりも遅れていると言われる日本。これだけテクノロジーが発展した環境で生きてきたデジタルネイティブ世代であっても現金払いが主流のようです。

2 おわりに

今回は若者たちのECサイトの使い方とファッショントレンドについてお届けしました。
around20ゆえに、お買い物シーンにおいては決済以外にも親の存在が多々関係してきます。これもaround20の生態を把握するうえで重要なポイントですので、今後ご紹介いたします。

PROFILE プロフィール

長田 麻衣 Mai Osada

SHIBUYA109 lab. 所長。
月200人以上の15歳〜24歳の若者と接し、「若者のリアルな今」を調査中。
これから流行しそうだと予測しているのは、「タトゥーシール」。シンプルでかわいいデザインのタトゥーシールや、2週間で消えるオーガニックタトゥーが夏に向けて流行するのでは。
Instagramでかわいいデザインのタトゥーシールを見つけたので出社時につけていきたいが、さすがに怒られる気がするので自制している。

COMMENT所長から

around20のお買い物事情を聞くと、まだまだネットショッピングよりも店頭でのお買い物が多いのですが、ECサイトで購入して店舗で受け取るなど、自然と「オムニチャネル思考」が根付いてきています。
また、デジタルネイティブ世代である彼女たちですら現金決済がメインになっていますが、今後キャッシュレス化が進んでいくことがあるのか、観察していきたいと思います。

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会社概要

会社名 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
TEL 03-3477-6719
FAX 03-3477-6702
本社所在地 〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1丁目10番7号 五島育英会ビル4階

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