SHIBUYA109 lab.

【シンデレラテクノロジー研究者×フリュー×SHIBUYA109 lab.連載企画】プリ帳HISTORY 第13回

「プリ帳」からガールズカルチャー史をひも解く本連載。第13回目は、1991年生まれのSHIBUYA109 lab.所長・長田麻衣をピックアップ!

毎回ゲストを迎えて「プリ帳」から日本のガールズカルチャー史をひも解く連載企画“プリ帳ヒストリー”。
第13回は、1991年生まれのSHIBUYA109 lab.所長・長田麻衣をピックアップ! 小学校から大学まで女子校で育った長田所長は、学生時代、どのようにプリや写真を保存していたのか。またSNSやブログの使い分けなどについてご紹介します。

プリ

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INDEX 目次

1 ゲストの「プリ履歴書」

プリ履歴書

【研究メンバーはこの3人】

久保友香先生

久保友香先生

シンデレラテクノロジーを研究

稲垣涼子さん

稲垣涼子さん

フリュー株式会社『GIRLS’TREND 研究所』で所長を務める

長田麻衣

長田麻衣

「SHIBUYA109lab.」で所長を務める

2 小学生はどの時代も「プロフ帳」が流行!?

プロフ帳

久保友香 初めてプリを撮ったのはいつですか?

長田麻衣 友達と初めてプリを撮ったのは小4の時だったと思います。その頃「プロフィール帳」が流行っていて、そこに貼っていました。

稲垣涼子 私の時代も「サイン帳」という名前でありました!小学校の卒業式のときに書き合うものですよね?

長田麻衣 私は卒業式ではなく、出会った時や日常的に。

稲垣涼子 そっちの方がいいですね!別れのときに詳しいプロフィールを知ってどうするんだろう?って思っていました(笑)。

久保友香 私の時代も「サイン帳」という呼び方でしたが、「プロフィール帳」と「サイン帳」…どう変化したのか気になります。

長田麻衣 今後調査したいですね!当時ペンを40本くらい持っていて、それを使うのが楽しみだったのですが、今の小学生もペンをたくさん持っているのでしょうか。

久保友香 小学生は、まだデジタル機器を使わない世代なので、時代が変わってもこういうアナログ文化は変わらないのかなと思いますね。

3 ブログのアナログ版!毎日作ったコラージュノート

コラージュ1 コラージュ2

久保友香 このコラージュノート、クオリティが高いですね!

長田麻衣 中学〜高校にかけて作っていたのですが、毎日デジカメを学校に持って行って撮影。放課後カメラ屋さんでプリントした写真を、家でノートにまとめるというのが日課でした。日記に近い感じですね。

久保友香 私の学生時代は、写真を現像するのに時間がかかりましたので、デジカメ世代ならではのまとめ方ですよね!人に見られることは意識していましたか?

長田麻衣 友達に「見せて」って頻繁に言われるようになってから、意識していた気がします(笑)。

稲垣涼子 友達との思い出だけじゃなくて、面白い看板とか、コーラを使った実験とか載せているところが興味深いです。

久保友香 コンテンツ力がありますよね!ブロガーやYouTuberっぽいというか。なぜ止めてしまったのですか?

長田麻衣 自分の携帯電話がカメラ付きになったので、それで撮るようになったということもあり、途中で止めてしまいました。

4 “裏アカ”の先駆けも…!ブログ・SNS事情

歴代のカメラ

久保友香 カメラ付き携帯を持つようになって、ブログやSNSも使っていましたか?

長田麻衣 高校から「前略プロフィール」「アメーバブログ」「Deccoリアル」「mixi」と、一通りやっていました。高校の時のメインはリアルで、Twitterのように「◯◯行った」とか写真と一緒に。クラスの友達のリンク集を作っていたのが懐かしいです。

久保友香 アカウントは1つずつですか?

長田麻衣 アメブロは2アカウントありました。1つは友達が見るもの、1つは裏アカ的な感じで非公開にしていたような。

稲垣涼子 裏アカには何を載せていたのですか?

長田麻衣 ポエムのような感じで、漠然とした不安とかを書いていた気がします。友達に見せる用のブログは「今日は◯◯があった」とか、キラキラまではいきませんが、いわゆるみんなが思う“長田らしさ”を出していたと思います。

久保友香 Twitterの裏アカの先駆けみたいな感じですね!

5 高校からバンドを♪SNSで情報を発信

高校からバンド活動 バンドメンバーとのプリ

久保友香 学生時代、趣味はありましたか?

長田麻衣 高校からベースを始めて、ガールズバンドを大学4年まで組んでいました。「けいおん!!」とか、バンドブームでもありましたね。

稲垣涼子 どういう活動をしていたのですか?

長田麻衣 高校の時はバンドの大会に出場したり、ライブハウスで、月1回ライブをしていました。大学の時は、月1回でライブをやる傍らMyspaceにオリジナルをアップしたり、友達が作ってくれたPVやスタジオでの練習風景とかをYouTubeにアップしたり!

久保友香 そのような発信の目的は何でしたか?

長田麻衣 一番の目的は集客、あとは有名になりたいと思っていたので頑張っていましたね。今の時代ならInstagramやTwitterを使って告知をしたりするかもですが、当時はバンドメンバーで更新するアメブロやmixiのコミュニティをつくったりなど、とにかく色んな発信を試していました!

6 プリはフレーム派!ネタ系をよく撮影していた

フレームのプリ

稲垣涼子 中高時代のプリを見ると、ほとんどがフリューの機種!つなぎプリが撮れる「美族」や合成遊びができる「姫組」、私が開発に携わっていた「姫と小悪魔」や「美人-プレミアム-」でも「フレーム」と呼ばれるコンテンツを多く選ばれており、楽しい・面白いプリがお好きな印象です!

長田麻衣 ペンで何かを書くとか、ネタっぽいフレームのプリがすごく好きでした。

稲垣涼子 この頃は“遊び”の全盛期の時代ですね。少しずつ「盛れる」が意識されてきた時代でもあり、プリの背景にも合成などで撮影を楽しむ「フレーム」のほかに、盛れることを意識した「ノーマル」「オーラ」、というジャンルがあったのですが、長田さんのプリ帳を見ていると、完全に「フレーム派」と言えると思います。

長田麻衣 あと、このペン好きでした!

好きなペンのあるプリ カクぷにょ

稲垣涼子 このペン「カクぷにょ」という名前なのですが、すごく人気でしたね。当時はこれで落書きするのが一番オシャレという感じもありました。あと長田さんは、大学生になってからもかなりプリを撮っていますね!

長田麻衣 はい。ただ、綺麗に貼るのに飽きてしまって、撮ったものをそのまま全部貼るという…ガサツな性格が出てしまいました(笑)。

7 SHIBUYA109デビューは小学6年生!

プリのファッション

久保友香 学生時代のファッションは、どのような移り変わりがありましたか?

長田麻衣 小学3〜4年の時、109-②ジュニアステーションのNARUMIYAが周りで流行っていて、林間学校の時には「どこの水着?」「pom ponette〜」って、ブランドを言い合っていましたね。

久保友香 稲垣涼子 ませてる!

長田麻衣 ファッションに興味があるグループにいて、小学校高学年になると、SHIBUYA109ブランドの話が結構出てくるようになったんです。それで、小6のときお母さんに連れて行ってもらってSHIBUYA109デビューを果たしました!

稲垣涼子 小学生でSHIBUYA109デビューは早いですね!

長田麻衣 中2くらいまでSHIBUYA109ブランド。中3からは、下北や原宿の竹下通りに行くようになって、テイストが変わりました。原宿では当時、古着ではないけどカジュアル系が流行っていましたね。

久保友香 何をお手本にしていましたか?

長田麻衣 雑誌ですね。小学校の時は「nicola」や「ピチレモン」、中学の時は「Hana*chu→」や「Seventeen」、高校の時は「Zipper」です!

8 撮って満足は勿体無い!思い出はまとめて欲しい

過去と現在のプリ

久保友香 今、高校生など若者と関わるお仕事をされていますが、現代の若者とご自身の学生時代との違いはどこだと思いますか?

長田麻衣 今の若者は、InstagramとかSNSを呼吸と同じくらい自然に使っていますが、私はSNSの変化と共に大人になったので、そういった意味でSNSに対する感覚は違うと思います。

稲垣涼子 今回、長田さんの思い出が詰まったノートがとても印象的でした。

長田麻衣 当時、起こったことを「忘れたくない」という気持ちが大きく、プリや写真をまとめて自分のノートを作っていました。最近、日常すぎるとSNSにアップしづらいと聞くことがありますが、撮っただけで満足するのは勿体無いので、ぜひ自分なりにまとめる作業をしてほしいと思いますね!

取材風景 取材風景2

取材・文/高尾ひとみ

PROFILE プロフィール

稲垣涼子

稲垣 涼子 Ryoko Inagaki

2005年入社以来、プリントシール機の商品企画に携わる。現在はマネージメントも行う。
趣味は、美味しいもの、漫画、カラオケ、ホットヨガ、ダイビング、脱出ゲーム。なんでも記録するログ癖あり。
今年の目標は、社内の仕組みを整える、社外の方とたくさんお話する、家をキレイに保つこと!

久保友香

久保 友香 Yuka Kubo

東京大学大学院博士課程修了(環境学博士)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など歴任。著書に『「盛り」の誕生―女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(太田出版、2019)。
好きなものは、ビール、羊羹、芸能ニュース。
今年の目標は、昨年に引き続き、昭和初期を知るおばあちゃんたちとたくさん会うこと。

長田麻衣

長田 麻衣 Mai Osada

総合マーケティング会社を経て、SHIBUYA109のマーケティング担当となる。
毎月200人のaround20(15歳〜24歳の男女)と接する毎日を過ごしている。
好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。
今年の目標はSHIBUYA109 lab.所長として若者に関する講演に講師として登壇すること。そして「大人っぽさ」と「透明感」を兼ね備えた女性になること。

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会社概要

会社名 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
TEL 03-3477-6719
FAX 03-3477-6702
本社所在地 〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1丁目10番7号 五島育英会ビル4階

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