SHIBUYA109 lab.

【シンデレラテクノロジー研究者×フリュー×SHIBUYA109 lab.連載企画】プリ帳HISTORY 第19回

毎回ゲストを迎えて、「プリ帳」から日本のガールズカルチャー史をひも解く連載企画“プリ帳ヒストリー”。
第19回のゲストは、大学3年生の松田莉里花さん。理工学部情報理工学科でプログラミングや数学を学ぶ傍、『SHIBUYA109 lab.』やC Channel株式会社が運営する女子大生マーケティング集団『yellow project』で若者のトレンドを研究している松田さん。
そんな彼女に、小中高生時代のプリの使い道や落書きのことなど、お話を伺いました!


プリ

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INDEX 目次

1 ゲストの「プリ履歴書」

プリ履歴書

【研究メンバーはこの3人】

久保友香先生

久保友香先生

シンデレラテクノロジーを研究

門脇彩さん

門脇彩さん

フリュー株式会社で広報を務める

長田麻衣

長田麻衣

「SHIBUYA109lab.」で所長を務める

2 プリ帳は見せる用ではなくストック用!

プリ帳

プリ帳

久保友香 プリ帳に同じプリがたくさん貼ってありますが、何故ですか?

松田莉里花 これは小学生の時のものなのですが、人に見せる用ではなくストック用として作っていました。家で楽しかったなーと振り返りながらシール帳に貼っていた記憶があります。

門脇彩 1枚1枚切ってあるのも特徴的ですよね!

松田莉里花 転勤族でよく引っ越しをしていたのですが、引っ越すとまず「プロフィール帳書いて」ってみんなから渡されるんですよ。顔写真のところにプリを貼るので、すぐ使えるよう予め切って貼っていました。

久保友香 なるほど!プリがキラキラしているのがありますが(写真上)、これは何ですか?

松田莉里花 プリ機があるゲームセンターに、ラミネート加工できるマシーンが置いてあって、無料で使えたので、よく使っていました。

門脇彩 一時期流行っていましたよね!プリは、いつまでシール帳に貼っていましたか?

松田莉里花 小学生までで、中学生に入ってからは、この手作りしたプリポーチ(写真右)に入れていました。

久保友香 門脇彩 長田麻衣 手作り!?

松田莉里花 はい(笑)。服飾系の中学に通っていたとき、筆箱を作ろうと作っていたら、プリのサイズにピッタリだなと思って、プリ入れに変更しました。

3 自撮りデビュー!SHIBUYA109内のファッションブランドとのコラボ携帯

コラボ携帯

久保友香 携帯電話はいつから持っていましたか?

松田莉里花 中学進学のタイミングで買ってもらいました。これ、SHIBUYA109と『CECIL McBEE』がコラボしたドコモの携帯なんです!

長田麻衣 私も全然知りませんでした!(笑) 調べたところによると、1999年ごろのSHIBUYA109のカリスマ店員ブームがきっかけとなり発売された商品のようです。 当時SHIBUYA109のショップスタッフのファッションやメイク・ライフスタイルが若者から注目されており、SHIBUYA109ブランドのショッパーを持つことがステイタスとなっていました。生活の中でも欠かせない携帯にまで広がっていたようですね!

松田莉里花 このデザインをよく持っている人がいたので、友達に「マネしないで!」って言った記憶があります(笑)!

久保友香 最初に持った携帯がこんな可愛いなんて…!この頃は女の子たちにスマホが普及する直前の、まさにガラケー成熟期でしたね!

松田莉里花 携帯にペンが付いていて、撮った写真を自分で加工ができるのがポイントです。内カメラもあるので自撮りに適していて、私はこの頃から自撮りをするようになりました。

4 「プリ→プレゼントに使用→記念にプリ」の流れが定番

プレゼント

誕生日プリ

久保友香 高校生の時、プリはどのように使っていましたか?

松田莉里花 SNSにアップする以外だと、誕生日プレゼントに使っていましたね。これは友達から貰ったコルクボード(写真上)で、私も100均やFlying Tigerに売っているコルクボード、キラキラのシールを使って手作りプレゼントをお返しに作っていました。

久保友香 昔コルクボードは、部屋の中にかけて思い出の写真などを飾るパーソナルなものだった印象ですが、最近は100均でデコアイテムなどと共に売られるようになったので、プレゼントなどコミュニケーションツールとして使われるようになりましたよね!

門脇彩 フリューの「ガールズトレンド研究所」でも2016年からダイソーとコラボ商品を開発しています。“やすくて可愛い”をテーマにパーティーアイテムや美容雑貨、文具類まで幅広いジャンルの商品をこれまで展開してきました。ちなみに、貰ったプレゼントはSNSにアップしていましたか?

松田莉里花 はい、Instagramにアップしていました。そこまでが一つの流れでしたね。

久保友香 デジタルとアナログを行き来しているのが興味深いです。ちなみに、どういうシチュエーションでプレゼントし合っていたのですか?

松田莉里花 友達から貰った時は、私の誕生日に「とりあえずプリ撮ろう」とプリを撮りに行って、プリ機の中で突然コルクボードを貰いました!サプライズの瞬間の動画も残しています!

久保友香 プリを撮るあの短い時間に、動画を撮ってプレゼントあげてって大変ですね!

松田莉里花 そうなんです!普段は渋谷とか原宿で撮るんですけど、混んでいるので比較的空いている代々木までわざわざ撮りに行っていました。好きなプリ機『Hi-cherry!』もあったので!

5 スマホのアプリでゆっくりと!落書きのこだわり

プリ

久保友香 プリの落書きは、どのようなことをこだわっていましたか?

松田莉里花 プリの半分は落書きをして、その他半分はほとんど落書きをしていませんでしたね。落書きをしていないプリは、後でスマホのアプリで落書きしていました。目の大きさとか肌の色とかも、プリを撮る時に一旦加工されますが、そのあとアプリでやることも!

久保友香 プリとアプリ両方使うのですね!

門脇彩 『PicsArt』などの写真加工アプリが流行った2年前頃から、アプリを使ってプリに加工するというのは流行っていますね!『SNOW』で動物などの耳をつけたり、過度にデカ目にや小顔強調をして、少しコミカルな画像にするのも流行っていました。

松田莉里花 プリの落書きって時間制限があるので、家でアプリを使ってやったほうが落ち着いてできるんです。落書きブースはライトがあってめちゃ盛れるので、自撮りをすることが多いですね!

長田麻衣 コルクボードに使っている画像もプリの画像を使っていますよね?

松田莉里花 そうですね。プリ画やプリ画で作ったコラージュ画像を、カメラ屋さんやコンビニでプリントをして貼っています。

久保友香 デジタルの時代でも物をコツコツ作るというのは、やっぱり女の子たちはこういうモノづくりが好きなんですよね!

松田莉里花 はい!しかも、こういうものは映えるので、インスタに載せると普段コメントしてこないフォロワーからも「おめでとう」ってコメントがくるので嬉しいです!

6 鼻バサミにアイプチ、カラコン…プリ撮影前の準備

撮影前の準備

門脇彩 プリを撮る前に準備していたことはありますか?

松田莉里花 プリ撮影前は、薬用の色付きリップとカラコン、二重作りは必須でしたね。学校が厳しかったので、カラコンやアイプチは週末遊びに行く時だけでしたが。あと、この鼻バサミは、家で漫画を読んでいるときやお風呂に入るとき、寝るときなど、気づいた時につけるようにしていました。

久保友香 鼻バサミもプリで盛れるためですか?

松田莉里花 カラコンやアイプチはプリで盛る為なのですが、鼻バサミは、プリを撮ると鼻が高く見える加工がされるので、現実でもそれに近づきたいと思って使っていました。

久保友香 逆にプリという“バーチャル”がリアルの世界に影響を与えていたのですね!

松田莉里花 はい、そもそもお洒落をしようと思ったのもプリの影響が大きいです。プリで盛れて、“本当の自分”ではなくなるんですけど、それによって自分に自信がつくというか、プリの自分に近づこうと思ってダイエットしてみたり二重にしてみたり。女の子らしくなるという意味でとってもプリは重要なツールでした。

長田麻衣 それは自撮りとは違うのですか?

松田莉里花 自撮りだと自分で角度とか決めて撮りますが、プリは他人目線の自分が見れると思っているので違いますね。女優さんとかって売れると可愛くなったりするじゃないですか。そういう感覚と似ているのかなって思います。

7 流行に“法則”はある?学外活動スタートのきっかけ

活動の様子

久保友香 コルクボードなどをプレゼントし合ったりプリを撮ったりするのは、高校生の頃の方が多かったですか?

松田莉里花 そうですね、大学に入ってからだいぶ減った気がします。大学に入るとそういうことを一緒にやれる友達がいなくなるというのが大きな理由かもしれません。本当ははっちゃけたいのですが…。

久保友香 お互い、探ってるかもしれないですよね!今、学業以外で若者カルチャーを研究しているのは、何がきっかけだったのですか?

松田莉里花 流行ってどうやって作られているんだろうという疑問があったのが最初のきっかけです。メディアが作り出しているものなのか、若者に直感で当たったものがあるのか。もしかすると定義があるのでは?と思い、活動を始めました。

門脇彩 将来の目標などはありますか?

松田莉里花 自分が高校生のとき、流行を発信している人がいたので、自分が流行にミーハーになれたなと思っているので、将来的にはそちら側に行きたいという思いがあります。改めてこう振り返ると、プリがある国に生まれてよかったなって思います!

取材風景

PROFILE プロフィール

久保友香

久保 友香 Yuka Kubo

東京大学大学院博士課程修了(環境学博士)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など歴任。著書に『「盛り」の誕生―女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(太田出版、2019)。
好きなものは、ビール、羊羹、芸能ニュース。
今年の目標は、昨年に引き続き、昭和初期を知るおばあちゃんたちとたくさん会うこと。

門脇彩

門脇 彩 Aya Kadowaki

専門学校を卒業後、2017年新卒としてフリュー株式会社に入社。広報として、プリに関する最新情報や魅力を発信中。
好きなものは、旅行、焼肉、ドライブ。
今年の目標は、仕事もプライベートも新しいことに挑戦すること。

長田麻衣

長田 麻衣 Mai Osada

総合マーケティング会社を経て、SHIBUYA109のマーケティング担当となる。
毎月200人のaround20(15歳〜24歳の男女)と接する毎日を過ごしている。
好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。
今年の目標はSHIBUYA109 lab.所長として若者に関する講演に講師として登壇すること。そして「大人っぽさ」と「透明感」を兼ね備えた女性になること。

松田 莉里花

大学では、情報理工を専攻し、プログラミングや脳科学について学んでいる。学業以外では、『SHIBUYA109 lab.』や女子大生マーケティング集団『yellow project』で若者トレンドを研究中。好きなことはYouTubeを見ること、作ること。今年の目標は憧れの長田さんのように若者トレンドを語れる人になること。

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会社概要

会社名 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
TEL 03-3477-6719
FAX 03-3477-6702
本社所在地 〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1丁目10番7号 五島育英会ビル4階

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