毎回ゲストを迎えて、「プリ帳」から日本のガールズカルチャー史をひも解く連載企画“プリ帳ヒストリー”。
第24回のゲストは、SHIBUYA109渋谷にある『SPINNS』でショップ店員として働く傍ら、自身のブランド「MYUDY」のプロデューサーとして活動、また卒業校であるBLEA学園でクリエイティブや副担任などを務める中島未夢さん(20)。長野出身で、高校から上京しBLEAでネイルなどを学んだという未夢さんに、上京時の話や、小中高時代のプリ事情などをたっぷり伺いました!
シンデレラテクノロジーを研究
フリュー株式会社・広報
「SHIBUYA109lab.」で所長を務める
未夢さんさんは、生まれた時にすでにネットも携帯も普及していた、まさにデジタルネイティブな世代ですが、小学生の頃プリ帳を作っていたのですね!
はい。その頃、学校でプロフィール帳が流行っていて、みんなそれとセットでプリ帳を持っていました。
貼り方のこだわりはありましたか?
同じ日に撮ったプリを同じページにまとめて貼るくらいで他は特に。友達に見せる専用で、交換はしていなかったです。プリはとにかく盛りたかったですね!
小学校の頃から「盛り」を意識!?
はい(笑)。プリを撮る前に画面に出てくるモデルさんの撮り方やポーズを参考にしていました。あとメイクをしてなかったので、落書きでチークをつけたり猫の耳をつけたりして盛っていましたね。
小学生の頃はいつプリを撮っていたのですか?
学校がお休みの土日に。ママの車で連れていってもらっていました。
撮るときはお母さんが外で待っていたんですか?
はい!そしてプリ代もお母さんが…(笑)!
友達との初プリ
小中高と、プリを撮る目的は変わっていきましたか?
小中の時は、遊ぶ時に記念として撮っていたんですけど、高校生になったら「友達作り」でプリを撮ることが多かったです。「プリ撮りに行こう!」って。
スマホで一緒に写真も撮っていたと思いますが、プリを撮るのはどう違いましたか?
写真を撮るときって周りもワイワイしてるじゃないですか。プリだと2人だけの世界というか特別な距離感で楽しめるので、そこで会話が生まれて仲良くなるんです。あとプリだと抱きつけたり、ジャンプしたりできるので一気に仲良くなれましたね!
なるほど。初プリでも抱きつけるのは、プリ機のような閉じた空間ならではですよね!
高校生の時、この機種がめっちゃ盛れるので好きでした!
「MiMiy by Sugar」ですね!全体は光をまとったようなふんわりとした雰囲気ですが、目などのパーツはくっきり写るのが特徴で、熱狂的なファンが多かったです。2015年に発売された機種なのですが、「MiMiy by Sugarを復活させてください!」って声を多くいただきました。
落書きしない分、背景を無地のカラフルにするというのが自分的に流行っていました。そういえば、この前JKと一緒にプリを撮ったら背景を白しか選ばなかったんですよ!すでにJKとのジェネレーションギャップが!!
たしかに、ここ2~3年で白背景を選ぶ人はかなり増えましたね。プリ機によっては、背景選択が無く白背景のみの機種もあります。
私的にはカラフルな背景が可愛いと思いますけどね!
「背景を自由に変更できるプリ機だからこそ、色の組み合わせを楽しんで欲しい」という願いを込めて、カラフル背景推しの「Melulu(メルル)」という機種を去年発売しました。白背景は最大2枚までで、こだわりの色味をたくさん搭載しているので、ぜひいろんな色を試して、“カラフルって可愛い”って楽しんで欲しいです!
そういう傾向もあるんですね!そういえば、私の通っていたBLEA(高校)には昔、プリ機があったんですよ!
えぇぇ!!高校生からしたらめちゃくちゃいい環境ですね!
撮り放題だったみたいです!私が入学する2年前だったらしいので私は撮れなかったのですが。
左:Instagram / 右:ストーリーにアップしたプリ
プリはSNSにアップしていましたか?
高校生の頃はTwitterにプリを全部あげていました!
今でもプリをアップしていますか?
今はInstagramがメインなのですが、プリはストーリーに載せることが多いですね。投稿は統一感を出したいので。プリを2枚目に載せる人も多いです!
自分のアカウントの世界観によせるために、アプリなどを使ってプリにフィルターをかけたり、彩度やコントラストの調整などの加工をして載せている人もいますね!白背景が流行ったのも、落書きをあまりしないのも後からの加工のしやすさだったり、Instagramに載せやすいという点があるのかもしれません。
確かに!JKかその上かでもSNSへの載せ方は変わっている気がします。やっぱりJKは「遊んだよ!」というのを載せたいのでアップする率が高いと思いますね。
高校から単身で東京に出てくるとは大きな決断だったと思いますが、そもそもなぜ東京に出てきたのですか?
中3の1月までは地元の高校へ行こうと思っていたんです。ネイルに興味があって、高校卒業したらネイルの資格を取りたいなと思っていたら、ママが高校でも資格を取れるよって教えてくれて、上京してBLEA(高校)へ通うことにしました。
知らない地で色々不安とかもありそう…!
めちゃ泣きました(笑)。寮に住んでいたんですけど、夏休みに入るまでは友達が出来ても全然楽しくなくて…でももう慣れって感じですね!
高校生でその慣れを習得するのはすごい!未夢さんは高校生の頃から色々活動されてますけど、発信したいと思ったきっかけは何だったのですか?
学校がそういう環境にあったということもありましたね。私の場合、まず先輩が「Seventeen」の撮影に連れて行ってくれて、その後高校生雑誌の「HR」に出たいと思って、画像募集に応募したのをきっかけに露出するようになりました。
最初は泣いていたということでしたが、結果的には高校から東京に出てきて良かったですか?
はい!雑誌に出たりプリの魅力を発信するプリモ研究生をやったりショップ店員をやったり、高校生で色々経験できたので良かったです!
左:高1“大人ギャル”時代 / 右:高2“原宿系”時代
ファッションは昔から好きだったのですか?
オシャレは好きでしたけど、高1の時はまだこだわりはなくて。BLEA(高校)の先輩とかバイト先のSHIBUYA109にいる先輩からも刺激を受けました。これ見てもらえば分かるんですけど、こっちは高1の時で大人ギャル(※写真左)で、こっちは高2で原宿系(※写真右)。高2で自分のスタイルが見えたなって思いました!
影響受けた人はいましたか?
『NADIA』のショップ店員だったBLEA(高校)の先輩でもあるエザキナナホちゃんとか、『7%morePINK』のデザイナーをしていたAYAYANちゃん!
今の子って1つの系統に絞らず色々ファッションを楽しむ人がいるけど、その中で確立しているのがすごいです!
小さい頃からファッションリーダーだったのですか?
ママがファッション好きで、幼い頃は着させられてた感じというのはあります。高校生になってからは離れて暮らしていたので、最初はママに「どっちがいい?」って写真送って服選びの相談をしていました。今は自分で決められてますけど(笑)!
左:高校時代 / 右:現在
高校を卒業してからショップ店員以外はどのような活動をしているのですか?
BLEA(高校)を卒業するときに、学校側から誘ってもらったんですけど、BLEAのSNS管理とかパンフレット制作とかPRをやっています。あとネイルの資格も取っているので、ネイルの授業のアシスタントも。今年からは副担任にもなります!
副担任!20歳なのにすごい!!!
今後挑戦したいことはありますか?
あまり先のことは考えていなくて、目の前にあることをしっかりやりたいですね。1つのことに集中しちゃうタイプなので、今年は自分で立ち上げたブランドのことも含め色々視野を広げて頑張りたいです!
20歳にして、仕事の仕方も、生き方も、やりたいことも明確にされていて素晴らしいです!毎回ゲストの方に聞いているのですが、改めて未夢さんにとってプリとはどういう存在ですか?
青春!って感じです。やっぱり写メはデータが消えたら消えちゃうし、プリって形に残るからその頃を思い出せますよね。周りではパソコンとかに貼ってる子も結構多いです。
学校の先生もやっていてJKに日々触れ合っていますが、今の若者へアドバイスはありますか?
伝えたいことは「やりたいことを口にして行動にしてください!」ですね。口にするのは本当に大事だと思っていて、やりたいことを周りに言っていれば、この子こういうことやりたいんだって知ってもらえて、大人が声をかけてくれます。あと最近有名になりたいって子は多いんですけど、言っている割にはInstagramとか発信を全然やってないじゃん!って思うことがあるので、ちゃんと行動をしてほしいなって思います。
先生感すごい!そして、すごく説得力があります!
東京大学大学院博士課程修了(環境学博士)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など歴任。著書に『「盛り」の誕生―女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(太田出版、2019)。
好きなものは、ビール、羊羹、芸能ニュース。
今年の目標は、昨年に引き続き、昭和初期を知るおばあちゃんたちとたくさん会うこと。
専門学校を卒業後、2017年新卒としてフリュー株式会社に入社。広報として、プリに関する最新情報や魅力を発信中。
好きなものは、旅行、焼肉、ドライブ。
今年の目標は、仕事もプライベートも新しいことに挑戦すること。
総合マーケティング会社を経て、SHIBUYA109のマーケティング担当となる。
毎月200人のaround20(15歳〜24歳の男女)と接する毎日を過ごしている。
好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。
今年の目標はSHIBUYA109 lab.所長として若者に関する講演に講師として登壇すること。そして「大人っぽさ」と「透明感」を兼ね備えた女性になること。
ファッション美容を学ぶため高校生1年生の時に長野から東京にあるBLEA学園に入学。卒業後はBLEA学園でクリエイティブ,ネイル講師,副担任を務める傍ら、SHIBUYA109「SPINNS」でショップ店員をしながら自身のアパレルブランド「MYUDY」のプロデューサーをしている。とにかくおしゃれと食べることが好き!
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