SHIBUYA109 lab.

Z世代の住まいに関する意識調査

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、社長:石川 あゆみ)が運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキューラボ)』は、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代の住まいに関する意識調査」を行いました。

扉絵

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INDEX 目次

1 Z世代の住まいにまつわる価値観とは?

SHIBUYA109 lab.のこれまでの調査で、Z世代はおうち時間の過ごし方においても空間に重点を置いて楽しんでいることが明らかになりました。今回は、Z世代の住まいの決め方や理想の暮らしについて、一都三県に住むZ世代に調査を行いました!

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【調査方法】
①WEB調査
調査期間:2022年2月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用
居住地:一都三県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)
年齢:18~24歳
対象:大学生・短大・専門学校生
回答者数:400名(実家暮らし男女各200名/一人暮らし男女各200名)
※本調査では、実家暮らし以外の人を一人暮らしと定義しています。そのため、寮・シェアハウス、恋人・パートナー・友達との暮らし等の方も一人暮らしに含めています。)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。

②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件:大学生 男性3名、女性4名 2G 合計7名
・その他過去定性調査をもとに考察

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2 75%が子に物件決定権有!親子の重視点の違いと複数メディアを駆使した情報収集方法。

まず、物件の決め方について聞いたところ、「親の意見を聞きながら自分で決めた(57.0%)」が最も高く、計75%が本人に決定権があることがわかりました。一方で親と相談したり、親が決める等計80%は親が関与しており、意見が反映されているようです。

Z世代の物件の決め方

グループインタビューでは「母と一緒に内見に行った」「親と意見を出し合ったが、家賃が多少高くなっても自分の意見を優先してくれた」といった声が聞かれました。Z世代の家族関係において、親子の信頼関係が厚く、友達のような対等な関係を築いているケースも多く見られており、「母と一緒にヲタ活をしている」「母や父の服を借りて着ている。買い物も一緒にすることも多い」などの声も聞かれています。物件に関しても相談し合いながら対等な立場で一緒に選定している様子が伺えます。
次に、部屋の重視点における本人と親の違いについて聞いたところ、本人は「家賃(70.0%)」や「間取り(44.0%)」「部屋の広さ(36.5%)」を重視しているのに対し、親は「家賃(62.0%)」に続き「防犯設備(29.0%)」を重視しており、親の方がより一層安全を気にして家探しをしていることが伺えます。

一人暮らしの本人・親の重視点

グループインタビューでも、自分が物件探しを行う際の重視点として、「クローゼット」「2口コンロ」「室内干し」など、室内の生活環境に関する条件が挙がった一方、親からは「2階以上」「オートロック」などの防犯対策に関する条件や、「ハザードマップ」など防災の視点から物件を探すように言われたとの言及がありました。
では、最終的にはどのような点で物件を決めたのでしょうか。今住んでいる物件の決め手となった点について聞いたところ、男女の違いが見られました。男性は、「家賃」が約70%と圧倒的に高く、他の項目は低い結果となり、こだわりが少ないようです。一方女性は、同じように家賃が決め手の1位となりますが、「間取り」「交通の利便性」「部屋の広さ」「防犯設備」など男性よりも高い項目が多く、総合的に部屋の良し悪しを見て決めているようです。

Z世代の決め手グラフ

続いて、物件探しにおける情報収集について聞いたところ、情報収集をする割合は男性が85.0%、女性が92.0%と、女性の方が高い結果となりました。情報収集方法についても、男性は、利用する媒体の上位3つが、「不動産情報サイト・アプリ(39.0%)」、「不動産屋に行く(34.0%)」、「検索エンジンで検索(26.0%)」という結果に対し、女性は「不動産屋に行く(48.0%)」、「不動産情報サイト・アプリ(39.0%)」に続いて、「検索エンジンで検索」と「Instagram」(ともに27.0%)が利用されており、男女の違いが見られました。

Z世代の情報収集

グループインタビューでは「ネットで調べたあと不動産屋にも行った」などの意見が見られ、デジタルネイティブであるZ世代も、住宅探しにおいては、オンラインの情報とオフラインの情報を組み合わせていることがわかりました。オフラインでの情報を重視する理由としては、「物件を見ないと部屋の広さが実感出来ない。物件のキレイさ等WEB上の写真だけでは写りきらない場所も多いので、直接全てを確認したい」「物件の居住者の生活環境やごみ捨て場、近くのコンビニの品揃えを見たい」など、失敗したくないという意識から実際の物件で漏れなく確認したいという意向が強いようです。また、女性からは「(物件情報を不動産情報サイトで探しながら)事前に『物件探しにおいて大事にしたほうがいいこと』をInstagramでチェックした」など、物件に直接関係する情報以外もSNSを中心に調べていることがわかりました。女性は男性よりも情報収集を多角的に行っていることから、物件の重視点も多くなっているようです。

3 女性は半数以上が一人暮らし、男性は女性の2倍恋人との同棲が理想!理想の生活環境は女性がデザイン面、男性が機能面を重視。

理想の暮らし方に関しても、男女で違いが見られました。女性は、約半数が「一人暮らし(53.0%)」を希望するなど圧倒的に一人暮らしへの憧れが強く、続いて「恋人・パートナーとの暮らし(20.5%)」「実家暮らし(19.5%)」を理想の暮らしとしています。一方、男性は「一人暮らし(40.5%)」は女性よりも約10%低く、「恋人・パートナーとの暮らし(38.0%)」が女性の約2倍という結果となりました。

理想の居住形態グラフ

理想の暮らしのポイントについては、全体で「Wi-Fi等インターネット環境が整っていること(56.5%)」が1位となりました。その他は男女で違いが出ており、女性は「セキュリティがしっかりしている(58.0%)」といった防犯面に加え、「自分の好きなインテリアに出来る(53.5%)」「ファッションを楽しめる(47.0%)」といった空間デザイン面も理想として挙がりました。一方、男性は「趣味と勉強の空間を分けられる(44.0%)」といった空間の切り分けによるオンオフの切り替えのしやすさが理想として挙がりました。

Z世代の理想の暮らし

趣味と勉強の空間を分けるニーズについて、グループインタビューでは、男女ともに「学校の授業はオンラインであったとしても大学で受けている」「自分の部屋で勉強するには誘惑が多い」などの声が聞かれ、コロナ禍で自宅での学習機会も増えていることから、生活と学業を分けたいニーズが学生の中で高まっていることがわかります。

4 インテリアは、「こだわりたいが、こだわれていない」が半数以上。お部屋も "SNS映え"したいZ世代の理想と現実

理想の暮らしの3位に「自分の好きなインテリアに出来る」がランクインしましたが、現在のインテリアのこだわり度合いについてきいたところ、「こだわりたいが、こだわっていない」が男性47.0%、女性57.0%、全体で52.0%となり男女共に1位となりました。オシャレな部屋に憧れの気持ちはあるものの、まだ実践できていないようです。

Z世代のインテリアこだわり

グループインタビューにおいては、「ドアの色と合わせてインテリアを選んだ」など、物件に合わせてインテリアを選んでいるようです。「柄や色がついている壁よりも無難な白い壁がいい」「白い家具付きの部屋のため、白いインテリアにせざるを得なかった。本当は黒い色味にしたかった」といった、自分が好きなインテリアを楽しみやすい物件を選びたい意向も聞かれました。
一方で、女性は「こだわっている」「こだわりたいが、こだわれていない」が計75.5%と、男性よりもこだわり意向が強く、Instagramなどを通じて “いつかやりたいお部屋づくりのヒント” をチェックしている実態もみられており、「韓国のホテルのようなおしゃれなお部屋にしたい」「今は白いフレンチガーリーな雰囲気の部屋にしているが、次は淡色系の部屋にしたい」などの理想も存在していることがわかりました。

インテリア例

Instagramなどでは、部屋全体のインテリアを好みのテイストに変えるのは現状の金銭面的にハードルが高いことから、写真に映る部屋の一部分だけオシャレにする工夫を凝らしている事例も見られています。壁や鏡、サイドテーブルやキャンドルなどの小物を活用して、写真に映る部屋の一部分を “SNS映え”な雰囲気に演出しています。

インテリア例

5 Z世代の約4割が自立を自覚。自立の定義は、社会的な権利の獲得よりも「能動的な裁量権を持つこと」

一人暮らしをした理由やしたい理由について聞いたところ、「通学・進学のため(44.8%)」に続き、「自立したいから(38.2%)」が2位となり、「自分の時間を自由に使いたいから(36.5%)」「自分の空間が欲しいから(32.9%)」と自分の時間・空間の自由を求める声も聞かれました。

理由

では、一人暮らしの理由の上位となった「自立」について、Z世代はどのように考えているのでしょうか。あなたは自立していると思いますかと聞いたところ、「自立している」と回答したのは約4割となりました。

自立グラフ

自立の定義について聞いたところ、「自立していると思う」と回答した人は「一人暮らしをしている(54.2%)」、「自分でやりたいことを決めて行う(38.6%)」がTOP2となり、生活における裁量権の獲得の有無が自立に繋がっているようです。一方、「自立していないと思う」と回答した人は、「自分の稼いだお金で生活している(74.5%)」、「親に頼らず生活している(56.3%)」がTOP2となり、金銭面・経済面で自立の有無を判断しています。自身の自立における現状に関わらず、共通して「成人している」「結婚できる」「選挙権を得る」などの、年齢によって自動的に付与される社会的な権利の獲得だけでは自立と考えておらず、「自分でやりたいことを決めて行う」といった自分の意志での能動的な行動可否が自立に繋がることがわかりました。

自立について

グループインタビューでは、「大学当初は実家暮らしだったが、自立をしたいと思って一人暮らしをした。コロナ禍で家族との時間しかなく孤立気味だったところから、家に友達を呼んで交流を深めたり、新たに社会人の人と交流を始めたり、交友関係も広がった」といった声が聞かれました。また、「実家にいると家族から『○○しなさい』と言われたり、家族を気にしながら過ごすが、一人暮らしでは自分の時間・空間を好きに使うことが出来るので、それが自立につながった」との声も多く上がりました。一人暮らしも、通学・進学のためといった致し方ない理由だけでなく、「自分でやりたいことを決めて行う」ための自立する手段の1つにもなっているようです。

6 所長コメント:ビジュアルコミュニケーションネイティブのZ世代にとって、究極の映えは"生活映え"。妥協しつつもこだわりたい。

3年ほど前から、Z世代からインテリア・雑貨を中心に住環境を充実させる「おうち映え」が注目されており、SNSの投稿も増加している実態が見られています。
これは画像や動画を介したビジュアルコミュニケーションのスキルに長けているZ世代にとって「映えていること」が当たり前であり、生活が映えていることが究極の「映え」と捉えられていることが背景にあり、住環境にこだわりたいという意向が強まっています。しかし実際は金銭的な状況や学生の間だけ等、期間限定での一人暮らしの場合も多いことから、理想の住環境を再現する場合は、SNSに投稿する写真に写る一部の住環境のみこだわることで、ある程度妥協をしつつ最大限の満足感を得ている様子が分かります。



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