私たちSHIBUYA109 lab.は、2018年より15-24歳の若者を対象に、様々なテーマで定量・定性調査分析を行ってまいりました。「SHIBUYA109 lab.変遷レポート」では、これまでの調査結果を改めて再編集し、若者の消費の変遷としてお伝えいたします。
今回のテーマは「フード」
時代とともに変化してきたフードのトレンドや食に関する消費行動についてご紹介します。
SHIBUYA109 lab. が2022年に行った調査にてaround20が「お金をかけていること」について調査した際、「食べ歩き」が第一位になりました。2021年の調査でも、1,184人に聞いた支出の内訳の中で、最もお金を使っているのが「食」となり、37,046円の可処分所得のうち、10,797円を食に使うなど、全体の1/4以上を食に使うことが明らかになっており、若者にとって、飲食することは、日常の楽しみの大きな一つになっているのがわかります。その消費意欲にともない、トレンドも新しいメニューも次々生まれています。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/220614.html
SHIBUYA109 lab. では、2018年からトレンド大賞にフード部門を設置し、トレンドの定点観測も行ってきました。
それらの調査内容は、レポートなどにまとめるほか、フードクリエイティブや体験設計を含めた飲食店舗の監修等に活かしております。SHIBUYA109渋谷店地下2階で展開していたイマダ キッチンなど、様々な場所で、企業やブランドとの取り組みを行っています。
2010年代後半から2020年代において、若者の消費行動において「体験」の価値があがっています。フードメニューそのものの味よりも、食を「体験する」コト消費が加速しているともいえるでしょう。トレンド大賞でランキング上位に入るメニューを見ても、2020年以降、「おうちでつくる(おうちカフェ)」「おしゃピク(世界観消費)」「バナナスプリット(アメリカンパーティ=世界観消費)」「JKケーキ(手作り)」「夜カフェ(世界観消費)」など、フードメニューだけでなく、店内装飾など空間の世界観や、メニューの制作過程まで「体験」して楽しめるものがトレンドになっていることがわかります。
2021年に行った、食に関する価値観に関する調査でも、大事にしている価値観として「食を楽しむためには、空間も大切だ」「食は誰かと楽しむためのもの」などが上位に入り、食が誰かと共有する体験として楽しまれていることがわかります。
さらに、インタビューで実際に食に対する楽しみを聞いてみると「メニューの可愛さを共感しながら食べたい」「必ず写真・動画を取る」「SNSの評判と比べてどうだったかを友だちと話すのが楽しい」など、体験した感想を友人と共有することが楽しまれており、体験は会話の話題として重宝されており、食がコミュニケーションの手段となっていることが見て取れます。
※SHIBUYA109 lab.では、食品メーカー・飲食業界の方に向けて、さらに詳細に分析した有料レポートを提供しています。こちらのレポートでは、トレンドになっているフードや消費者を数タイプに分けて分析したレポートや、「体験」から「消費」に落とし込まれる過程についてご紹介しています。
“体験”から紐解くZ世代の購買実態調査レポート
SHIBUYA109 lab.×CCC MK HOLDINGS 共同調査 第5弾レポート
飲食店やフードメニューがトレンドになる過程において、SNSは欠かせません。
食体験は、SNSで「再現」され続けながら拡散されていくことがわかっています。若者は、SNSで気になる食体験をストックし、イメージを膨らませ、実際にそのお店に足を運んで食体験を自分なりに「再現」、そしてその体験を切り取った画像や動画をSNSで投稿する、という楽しみ方をしています。SNSで見た食体験を「再現」することを「逆算」しながら消費活動を行っているのです。
SNSの進化に合わせて、SNSで表現されるフードに関する投稿の特徴も変化しています。インスタグラムの投稿が画像中心だった頃には、フードメニューを大きく映したシズル感のある投稿をすることがトレンドでしたが、徐々にショート動画での情報収集が一般化してくると、写真だけでなく動きのある構図や、動画で映えるストーリー・過程のあるフードメニューを投稿することが人気になってきています。
2023年頃から気になる変化が見られるのが、「ナイトアクティビティ×食」の領域です。食に限らず若者の中で、ナイトアクティビティの盛り上がりが見られており、2023年トレンド大賞には、「夜カフェ」「ネオンカフェ」「ナイトプール」がランクイン。2024年トレンド予測にも「夜カフェ&バー」「クラブっぽ居酒屋」が登場しました。カフェやバーなど、食体験にも大きな影響がありそうです。
「ナイトアクティビティ×食」を考えるにあたって、まず押さえておきたいポイントとしては、若者はあたらしい出会いを求めているわけではないこと。あくまでナイトアクティビティは、“仲が良い人と、じっくり話をして関係を深める時間”として使いたいと思っているようです。
さらに、夜×食事といえば、お酒をイメージする人も多いかもしれませんが、夜の時間帯のお出かけでお酒を飲まないことがあると回答した若者は63.3%、お酒を飲むのが好きだと回答したのは半数以下となり、お酒は必要なものではなくなっていることがわかります。飲み会の頻度も週に1度未満と、習慣化されていないこともわかりました。
ナイトアクティビティの事例としても、トレンドに入った「夜カフェ」「ネオンカフェ」「ビストロ」などがあがっており、お酒ナシのナイトアクティビティが充実しつつあることも見て取れます。お酒以外の「夜×食」のアクティビティは過渡期といえるでしょう。今後も様々なナイトアクティビティが生まれてくることが考えられ、チェックしておくべき変化だと考えます。
※さらに食体験について詳しく調査・分析した有料レポートは、以下から購入いただけます。
・Z世代の食に関する意識調査結果報告
SHIBUYA109 lab.×CCCマーケティング 共同調査 第4弾レポート
・“体験”から紐解くZ世代の購買実態調査レポート
SHIBUYA109 lab.×CCC MK HOLDINGS 共同調査 第5弾レポート
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