株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.』とCCCマーケティング株式会社は、大阪府の若者が集まる主要都市である「キタエリア・ミナミエリア(※1)」を利用する女子大学生(※2)の消費行動とWEB調査から、消費実態およびファッションに対する意識を把握・各エリアの特徴を比較分析いたしました。
前回の対談に引き続き、CCCマーケティング株式会社ファッションコンサルティングユニット栗田さん、大山さんと調査結果を振り返ります!
(※1)キタエリア:大阪梅田周辺/ミナミエリア:大阪心斎橋・なんば周辺を指す
(※2)以後、JDと記載
CCCマーケティング㈱ ファッションコンサルティングユニット データアナリスト
ファッション業界を中心に、約7000万人のT会員のライフスタイルデータから分析、コンサルティングを行う。
CCCマーケティング㈱ ファッションコンサルティングユニット
ファッション業界を中心に約7,000万人のT会員ライフスタイルデータの活用、各企業様との協業を中心に提案を行う。
SHIBUYA109 lab.所長。月200人以上の15歳~24歳の若者と接し、「若者のリアルな今」を調査中。
SHIBUYA109lab.主任研究員。SHIBUYA109のMDを経てSHIBUYA109 lab.に入所。若者のリアルな声を社内・社外に届けるため、奔走中。
前回の対談では、大阪のエリア別JDの生態比較を中心に見ていきました。キタエリアとミナミエリアでは、お金をかけていることやファッションに対する意識など、様々な違いが見受けられましたね。
そうですね。実際に大阪で実施したグループインタビューでも、キタエリアJDとミナミエリアJDでは、ファッションや盛り上がりを見せた話題にも違いがあり、エリアの特色が出ていたと思います!
グループインタビューに同席させていただきましたが、WEB調査だけでは分からなかった部分も明らかとなり、生の声を聞くことは改めて重要だと感じました。
その通りですね!今回は、大阪JDと、前回調査した東京4エリア(渋谷・新宿・原宿・池袋)のJDの比較をしてみました。東と西で距離は離れていますが、似ている点・異なる点がそれぞれありそうで、とても気になります!早速見ていきましょう!
まず、普段利用しているSNSについて見ていきましょう。
ここは大阪JD・東京JDともにランキングに変化はなく、1位:LINE、2位:Instagram、3位:Twitterでした。
女子大生全般的に、Instagramではカフェなどのビジュアルで情報を得たい時、Twitterはテキストで詳しい情報を知りたいときに使うなど、欲しい情報に合わせて情報収集のツールを変えています。
今回実施したグループインタビューでも、Instagramでチェックしている情報については、同じような話が出ていましたね。ちなみに、Instagramでカフェを検索する時は、「地名+カフェ(例:渋谷カフェ)」というのが多いです。
今回の街頭調査では、毎月SHIBUYA109館内で取っているアンケートと同様に『ファッションやメイクの参考にしている人または情報源』についてもヒアリングされていましたね。
そうですね。この設問で回答される、参考にしている人気なインフルエンサーは、SHIBUYA109館内で取るアンケートと大きな違いはありませんでした。共通して最も多い回答は、「Instagramのおすすめページ」です。
この結果からも、大阪と東京で情報の差はあまりないことが分かりますね。SNSで情報収集できる今、昔ほど地域差はなくなっているのかもしれません。
次に、消費行動やファッション・メイクに対する意識について、東京JDと比較してみましょう。エリア別にみてみると、東京の渋谷JDと大阪ミナミエリアJD、新宿JDと大阪キタエリアJDは傾向が似ていることが明らかになりました。
ファッションに対する意識では、渋谷JDと大阪ミナミエリアJDは「人と被らない」「人目につかない部分もこだわる」といった、独自性を重視し一味違うオシャレを追求しています。一方、新宿JDと大阪キタエリアJDは「事前の情報収集に力を入れる」「周囲の目を気にする」という意識が高く、「外さないファッション」を心掛けている傾向ですね。
なるほど。キタエリアJDはファッションに対する意識だけではなく、ファッションテイストも新宿JDと似ている印象でした。「ラテ系コーデ」や「#消えそうな色コーデ」といったテイストです。
確かにそうでしたね。一方、ミナミエリアJDはファッション意識こそは渋谷JDと傾向が似ていますが、ファッションテイストは異なる印象でした。渋谷JDは「ピープス系」ですが、ミナミエリアJDは「古着系」が多い印象です。
渋谷・大阪ミナミはファッションビル以外にも古着屋や、そこにしかないアパレルブランドが多く、点在している店を回り、自分だけのファッションを探すことに適しているようです。グループインタビューでは、お気に入りの古着屋とファストファッションブランド店を併用しているとの声がありました。
新宿や大阪キタはターミナル駅で、大型ファッションビルが駅の近くに多く、様々なブランドが集積していることから、マスのファッショントレンドのチェックがしやすいという共通点があることが関係していると考えられますね。
実際にグループインタビューでも梅田では話題のファッションブランドのポップアップストアも多く開催されており、大阪の中でマスのトレンドを知ることができるのはキタエリアの方が適しているとの声がありました。
そうなんですね。東京JDとの比較もすることで、大阪JDのイメージもしやすくなりました。東と西で距離は離れていますが、トレンドに対する意識にはあまり差がないことが分かり、大きな発見でしたね!
今回もよりリアルな大阪JDの生態を把握するべく、WEB調査と購買データの分析だけではなく、グループインタビューや街頭調査も実施しましたね。
そうなんです!グループインタビューは、日頃キタエリアで遊んでいるJDとミナミエリアで遊んでいるJDを対象に、2グループ実施しました。
実際に生の声を聞くことで、明らかになったことやデータの裏付けとなるお話も聞けましたね。キタエリアJDのグループインタビューではカフェの話題、ミナミエリアJDのグループインタビューでは、飲み会やお酒の話が多かったことが印象的です。
キタエリアには若者に人気のカフェが多いようで、よく訪れるというお話が出ていました。WEB調査でもキタエリアの来街目的は「カフェ」のポイントが高かったですね。
そうですね。一方、ミナミエリアの来街目的や消費傾向から、ミナミエリアJDはイベント好きで、大人数でわいわい楽しめることにお金をかけていることが分かっていました。そのため、グループインタビューで飲み会などの話で盛り上がっている様子を見て、納得感がありましたね。
そうですね。ただ、一番驚きだったことは、恐らく皆さん共通していると思います…!
『菓子パ』ですね!!
これは本当に発見でしたね。というのも、WEB調査の結果から、大阪JDはコンビニでファミリーパックのお菓子を良く購入していることが分かっていました。しかし、その理由が分からず…。
それについてグループインタビューで聞いたところ、大阪には『菓子パ(お菓子パーティー)』という文化があることが分かりました。どうやら、学校や自宅などにお菓子を持ち寄ってパーティーをするようです。大阪の子たちは小さい頃から友達と家で遊ぶことも多く、その際にお菓子を持ち寄ったりすることもあるそうです。
Instagramで「#菓子パ」と検索してみると、様子がイメージできました。これは本当に驚きでしたね。
そうですね。日々感じていることですが、若者に関しては、データを見るだけでは分からないことが多いと感じています。時間をかけてでも、実際に話を聞くということはとても重要なことです!
今回もWEB調査と購買データ・定性調査を掛け合わせることで様々なことが明らかとなりましたね。
そうですね。東京編・大阪編と調査を行ってきましたが、それぞれのエリアで特徴と共通点があり、大変興味深い内容でした。
大阪エリアについてこんなに詳しく調査したのは初めてで、多くの発見がありました!また普段とは異なり、大阪のaround20の子たちと沢山お話できたことも新鮮でした。
そうですね!Tカードの購買データ等を見ても、各エリアのJDの特徴が大きく表れていました。そちらはセミナーでお話させていただきます!
SHIBUYA109 lab. × CCCマーケティング 主催
東京4都市・大阪キタミナミー各エリア生息女子大生の生態比較調査
結果報告セミナー
本セミナーは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、開催が見送りとなっておりましたが、ウェブにてセミナー開催が決定しました!
大阪キタエリア・ミナミエリアに生息する女子大生の生態を CCCマーケティングの保有するT会員のライフスタイル・データに基づくビックデータとSHIBUYA109 lab.の保有するリアルな女子大生の実態を掛け合わせ徹底解剖!
来街目的・消費傾向・エンタメ・ファッション意識の比較分析から見えた、イマドキ女子大生のエリア特性をご報告いたします。
≪セミナー詳細はこちら≫
◆応募方法◆
以下URLよりお申込みください。
https://109cccosakajd.peatix.com/view
【お申込み締切:2020年6月30日(火) 15:00】
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【調査方法】
① 行動商圏特定セグメント分析
特定の商圏におけるT会員の消費行動をもとに、T会員をセグメントする手法。
今回はTカードのデータをもとに、各主要駅を生活領域にしている層を特定し、その特徴を分析した。
■集計期間:2018年11月~2019年10月(1年間)
■集計対象者:女性/19~22歳/各エリアへの行動履歴がある人
■エリア:駅を中心に商圏を設定
渋谷:半径500m 新宿:半径1km
池袋:半径1km 原宿:半径500m
梅田:半径1km なんば:半径500m
天王寺:半径500m 心斎橋:半径500m
(梅田=「大阪キタ」、なんば/天王寺/心斎橋=「大阪ミナミ」として集計)
■抽出データ:TSUTAYA店舗での雑誌/書籍/映画(レンタル/セル)
② T会員対象 WEB調査
調査期間:2019年12月20日~2020年1月6日
調査機関:CCCマーケティング株式会社 Tアンケート(T会員へのWEB調査)
調査対象:女性/19~22歳/一都三県or近畿エリア居住者
割付:①1年以内に行動商圏あり かつ 最も好きな街「対象のエリア(※1)」回答かつ「半年に1回以上」
②最も好きな街「対象のエリア(※1)」回答 かつ 「半年に1回以上」
※1 対象エリア:渋谷・原宿・新宿・池袋・梅田・なんば・天王寺・心斎橋・三宮
調査設計:SHIBUYA109 lab./ CCCマーケティング株式会社
■サンプル数
計:833s
渋谷:151s 新宿:150s
池袋:151s 原宿:35s
梅田:154s なんば:55s
天王寺:57s 心斎橋:17s
三ノ宮:63s
※梅田=「大阪キタ」、なんば/天王寺心斎橋=「大阪ミナミ」として集計
③SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件:①日頃大阪キタエリア(梅田周辺)で遊んでいる女子大生
②日頃大阪ミナミエリア(心斎橋・なんば周辺)で遊んでいる女子大生
人数:各グループ5名×2グループ
・大阪街頭インタビュー調査
実施場所:大阪梅田HEP FIVE
実施方法:紙アンケート記入の上調査員によるヒアリング形式
回収サンプル数:41s
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