私たちSHIBUYA109 lab.は、2018年より15-24歳の若者を対象に、様々なテーマで定量・定性調査分析を行ってまいりました。
「SHIBUYA109 lab.変遷レポート」では、これまでの調査結果を改めて再編集し、若者の消費の変遷を公開いたします。
はじめに、SHIBUYA109 lab.がSNSと時代背景について、独自に整理し表にまとめたものをご紹介します。1990年代後半から、携帯電話の普及とともにインターネットにおける発信活動の萌芽がみられ、00年代後半のスマートフォンの普及とともにSNSが発達してきました。スマートフォンで扱えるメディアが、テキスト・画像・動画と多様になっていくとともに、SNSのプラットフォームも増えています。
2010年代以降、SNSが次々と出てくる「SNS戦国時代」となるにともない、若者のSNS利用も「使い分け」が当たり前になっています。2023年の調査では、SNSの利用率はなんと100%(LINE含む)。LINEが97.4%、InstagramやYouTubeは8割が利用していると答えました。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/230329.html
SNSの活用方法は、大きく「情報収集」「コミュニケーション」に分かれます。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/220118.html
情報収集においては、情報を集めたいカテゴリによってプラットフォームを使い分けているほか、集めたい情報の性質によって使い分けが行われていることがわかっています。
2010年代から、情報の参照元として信頼度を高めているのがインフルエンサーと呼ばれる人たちです。
2023年の調査では、インフルエンサーの投稿を信頼する理由として「インフルエンサーの紹介がわかりやすいから(29.5%)」があがりました。また、「よく見るインフルエンサーは自分と年齢が近いので同じような肌悩みも多く、友達と話しているようなテンションで商品を紹介してくれるのでわかりやすく、信頼している。(女子大生)」という声もきかれています。自分にあった情報を届けてくれる点においても、インフルエンサーは現代の情報収集に重宝されているようです。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/220118.html
“年齢だけでなく、身長や体型・肌質が自分と似ていたり、生活スタイルや好きな世界観など、共感できる要素があることが重要です。自分に近い体型や感覚の持ち主であるインフルエンサーを参考にすれば、失敗する確率もぐんと下がるからです。”(プレジデント社『SHIBUYA109式 Z世代マーケティング(著:SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣)』より引用)
2017年に「インスタ映え」が流行語大賞になってから、「映え」という概念は形を変えて大事にされ続けています。SHIBUYA109 lab.の調査では同じ「映え」という言葉でも、少しずつ意味が変わっていることがわかってきました。
“これまで重視されていた「写真映え」「動画映え」など目のみで受け取る「映え」は、SNSでのコミュニケーションのきっかけとなるため引き続き重要です。ただ、写真や動画に収めるだけでなく、体験の過程で演じたり、自分で手を加えたりすることで体験への没入感を深め、心で受け取ることができる「映え」要素が、新たに求められ始めている傾向も見られます。
これまで若者が楽しんできた「映え」は、平面で映えることを目指した「映え1.0」、空間全体で映えていることを目指した「映え2.0」、世界観が映えていることを目指した「映え3.0」と、「映え」の意味するものが変化してきました。2023年頃からはストーリーとして映えることを目指した「映え4.0」が求められているといえるでしょう。”
詳しくはこちら:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01347/
2010年代中盤から流行しはじめたのが、音楽と動画を組み合わせて投稿する「ショート動画」です。かつて「MIXCHANNEL」や「Vine」から多数のクリエイターが誕生しましたが、クリエイターではない一般人の投稿においては、ショート動画は当初「リップシンク動画」と呼ばれる、音楽に合わせて踊るものとして普及しました。
現在は、若者において動画編集・投稿は、日常の思い出を記録するツールとしても機能しています。投稿される内容も、遊びに行った記録や推し活など、日常をVlogとして記録するものが増えてきました。2024年現在の若者にとっては、動画投稿は友達との思い出を記録するコミュニケーションツールとなっています。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/230823.html
かつて動画編集はクリエイターを目指すなど一部の人だけのものでしたが、幼いころから慣れ親しんできた今のZ世代にとって、動画編集は特別なスキルではありません。編集アプリも発達し、スマホ一台で誰でも動画が作れてしまう今、身近なコミュニケーション手段の一つです。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/230823.html
SHIBUYA109 lab.は設立された2017年以降、若者のSNS利用実態について定期的に調査してきました。ここでは、SNSにおける若者の特徴的な実態をピックアップしてご紹介します。
2010年代以降のSNS文化で特徴的なことは、若者の“ビジュアルコミュニケーション力”が高まっていることです。それにはオンライン上にて画像や動画で発信することが当たり前になったことが背景にあります。
”写真や動画を介したコミュニケーションを「ビジュアルコミュニケーション」と呼びますが、SNSネイティブであるZ世代は、このスキルに非常に長けています。そして、SNSで友達を作る際にもこのスキルを発揮しています。これまでも多くの若者から、SNSで自分と気が合いそうな人を見つけ、過去の投稿をチェックすることで仲良くなれそうかどうかを判断するという話を耳にしました。(中略)ビジュアルコミュニケーションスキルに長けているということは、視覚的な情報から雰囲気やニュアンスを感じ取る力が高いということです。彼らはテキストで多くを語らずとも、ビジュアルの世界で共感できる感受性を持っています。そしてSNSの写真や動画の投稿から「その人らしさ」を感じ取り、仲良くなれるポイントを見つけているのです。”
“Z世代に「エモいってどういう意味?」と聞いても(中略)「ザラザラした質感のフィルターがかかってる感じ」とか「西日でちょっとぼやけてる感じの写真」といった実感的な言い方で返答します。”
(プレジデント社『SHIBUYA109式 Z世代マーケティング(著:SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣)』より引用)
また、2020年代になり動画SNSが普及すると「動画コミュニケーション力」の高まりも見られるようになりました。言語化できない動画の雰囲気から、多くの情報を得ていることがわかっています。
こちらの調査では、自ら動画編集する際、「音と動画の動きがズレるとすごく嫌」「最初に思わず目にとまるような写真を載せる」「長尺で動画を撮っていても、同じ画角の動画が続くと見飽きられるので、良い瞬間だけを切り出して載せる」「写真は1秒以内に切り替えるように設定する」「TikTokは音ハメが大事」という声も聞かれており、動画コミュニケーションにおいて繊細な部分にも気を配りながら編集していることもわかっています。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/230823.html
2-1では、複数のSNSプラットフォームを使い分けている様子をご紹介しましたが、1つのSNSプラットフォームの中でも、さらに複数のアカウントを使い分けていることがわかっています。2023年の調査では、一つのSNSのなかで所有しているアカウント数は、Instagramが平均2.28個、Twitterが2.45個、TikTokが1.54個となりました。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/230329.html
また、2024年の調査では、「多くの友達と繋がる自分のメインのアカウントは非公開(鍵)アカウントである」という質問に対して「はい」と回答した割合は68.7%になっており、アカウントごとに公開範囲や利用用途、投稿内容は大きく違っています。
詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp/article/240327.html
アカウントごとに見せる自分を細かく分けていくことで、「見られる自分」と「見られる対象」を調整し、多くの人とSNSを通してコミュニケーションをとることに疲れない工夫をしているようです。
“SNS疲れを回避するための最も主流の方法は、SNSのアカウントを複数持つことです。彼らは平均2〜3個のアカウントを持ち、それぞれのアカウントで繋がる人や用途を整理して利用しています。(プレジデント社『SHIBUYA109式 Z世代マーケティング(著:SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣)』より引用)
会社名 | 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント |
---|---|
TEL | 03-3477-6723 |
FAX | 03-3496-1875 |
本社所在地 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2丁目6番17号 渋東シネタワー14階 |